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140.最上級パーティーの誕生
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翌日。
約束通りギルドへ向かうべく街に入ると、通りは以前にもまして活気に溢れていた。ダンジョン攻略や崩壊、それに私たちが攻略者である事まで街人たちに伝わっていて、そこかしこで声を掛けられたりお礼を言われたりした。ゴルドさんもルリアちゃんを肩車しながらやってきて、街を発つ前に飲む約束をして帰っていった。
ギルドでは既にベリルさんが待ち構えていて、すぐ部屋に通されて話し合いを開始。そして色々相談した上でいくつかの竜素材を売ることになった。こちらの思っていた通り、攻略依頼に使う筈だった資金を買い取りに回せたらしい。バリリアにはAランクの鍛治スキル持ちが居て、現在Sランク目指して頑張っている最中なのだとか。その職人がランクアップすれば使い道も広がる。私たちはその話を聞いてホッとしたのだった。
そして買い取りの話を終えた後、提案があると言ってベリルさんが違う話を切り出した。それは…
「エヴァントにキラ、君たちSランクに昇格する気はないか?」
というものだった。
Sランクに昇格するにはいくつもの厳しい審査や実戦的な試合を熟す必要がある。審査はギルマス自らが行い、難易度の高い基準を全てクリアしてそのお眼鏡に叶った極僅かな者だけが最高ランクに到達出来るのだ。
しかし何事にも例外が存在する。
Sランク昇格の例外は“エンシェントドラゴンダンジョン攻略成功”だ。他のドラゴンではなく、唯一のSSランクである古龍でなければならない。それを倒す実力があると証明出来れば試合や審査の一部が免除となる。但し緊急措置でパーティー同士が手を組み、大人数で討伐した場合は除かれるが今回はガーディアンが完全に控えだったので問題ない。
「「「…」」」
私はもちろんだが、夫たちも流石に驚いて目を見開いている。
「昇級テスト免除の条件は知ってるだろう?君たちの強さはガーディアンにも確認済みだし、実績と貢献度も調べたが問題無い。どうだろうか?」
若干沈黙した後、エヴァが尋ねた。
「…オレたちは旅の冒険者です。この街にだって何日か留まる事はあっても、すぐに旅立ちます。何故薦めるのか、理由をお聞きしても良いですか?」
Sランクパーティーは上級パーティーよりも更に数が少なく、大きな街にだってそうそう居るものではない。ギルマスからの昇級推薦はSランクアップ時のみ偶にあるが、理由はやはりギルドや街の為だ。それは強さと怜悧さを兼ね備えたその存在が街の守りをより強固なものとし、荒くれ者たちの抑制にも多大な効果があるからだ。
逆を言えば一ヶ所に居着かない旅の冒険者は昇級が困難。エヴァントの疑問も当然と言える。
「理由か…おかしなことを聞くね?幾つだってあるじゃないか。わたしは君たちほど強く聡慧なパーティーに初めて会ったよ。昇級条件だって満たしている。タイミング的に恩返しだと思われても仕方がないし、それも含まれている事は否定しない。旅の冒険者のSランク昇級が難しいも、キラが冒険者になって1年も経っていない事も承知している。だが、エンシェントドラゴンを倒した君たちが駄目なら他の誰が成れるというのだ?」
ベリルさんは真剣な眼差しでそう語った。
以前3人で、皆揃ってSランクのパーティーに成れたら良いなと話した事があった。
冒険者は依頼未達成が決められた日数を越えると忠告を受け、それでも達成しなければ相応の処罰が降る。旅の冒険者は期間が延長されているもののそう余裕があるわけでも無い。しかしSランクは別。そもそも依頼数自体が少なく、小さなギルドでは全く無い場合も多いからだ。要するに、かなり自由な活動が出来るようになる。更に有事の際は、ギルド側も冒険者代表としてのSランクパーティーの意見を無碍には出来ない。意見しなければならないような事態になどならないのが一番良いが、それが起こり得るのがこの世界なのだ。万が一のため周到にしておいて損はない。
故に余程の問題が無ければ私たちが断る事はまず無い。エヴァが理由を尋ねたのは彼の真意を確認しておきたかったからだと思う。何事にも確認は大切だ。
エヴァがレオンと私を交互に見て意志を確かめる。レオンも私も頷き、推薦受ける事を伝えた。
「ありがとうございます。このお話、有難くお受けします」
こうして、メンバー全員がSランクの最上級パーティーが誕生。ベリルさんは旅の許可証への魔印も押してくれた。ロンワン統括の魔印に感激し、わたしの目に狂いは無かった!などと興奮気味に語っていた。
⬛︎
「とうとう最上級ランクのパーティーだね」
「ああ、それも全員Sランクだぜ?ヴェスタにさえ居なかった」
「…え、そうなの?」
諸々の手続きを終えてコテージに戻った私たちは、コーヒーブレイクしながら話していた。私の問いに2人が答えてくれる。
「そうだよ。人数が少ない事もあるけど、パーティー内にSランクが2人居る事さえ稀だ」
「同じ低級、中級ランクの時にパーティーを組んだとしても、実力の差は必ず出てくる。そうなるとランクアップ出来ない奴も居る」
「その段階で次は自分も、と踏ん張れれば良いけど中々そうはいかない」
「それが原因で不仲になって解散というケースは多いな。ソロのS同士がパーティー組むこともまず無い。だから全員Sなんてかなり珍しいぜ?」
「なるほど」
納得納得、と頷いていると2人が続ける。
「ついでに言っておくと…俺は今までSランクの女に会った事も、居るって聞いた事もねえ」
「同じく」
「え…」
「キラが初って訳では無いと思うけどね」
「まあそうだな。キラが統括と初めて会った時の話し具合だと、初、って感じじゃなかった」
「珍しさで言ったら全員Sランクのパーティーといい勝負じゃない?」
「ああ」
「…そうなんだ」
言われてみればそうかも…ただでさえ女冒険者は数が少ないから。…ま、まあ目立つのは今更そう変わる訳じゃ無いしね。
「えすってなに?すごいの?」
貰ったオヤツを食べ終えたスノウが首を傾げる。
「強くて賢い、って事だ」
「つよくてかしこい?スノウは?スノウもえす?」
「フフ、もちろんだよ」
「やったぁなの!」
幻獣フェニックスなのだから、本来ランク付けすら出来ない感じのはずなのだけど…喜んでるからこれで良いのです。
その夜は風もあまり無く、テラスでサニー・サックスも一緒に昇級をお祝いしました。
約束通りギルドへ向かうべく街に入ると、通りは以前にもまして活気に溢れていた。ダンジョン攻略や崩壊、それに私たちが攻略者である事まで街人たちに伝わっていて、そこかしこで声を掛けられたりお礼を言われたりした。ゴルドさんもルリアちゃんを肩車しながらやってきて、街を発つ前に飲む約束をして帰っていった。
ギルドでは既にベリルさんが待ち構えていて、すぐ部屋に通されて話し合いを開始。そして色々相談した上でいくつかの竜素材を売ることになった。こちらの思っていた通り、攻略依頼に使う筈だった資金を買い取りに回せたらしい。バリリアにはAランクの鍛治スキル持ちが居て、現在Sランク目指して頑張っている最中なのだとか。その職人がランクアップすれば使い道も広がる。私たちはその話を聞いてホッとしたのだった。
そして買い取りの話を終えた後、提案があると言ってベリルさんが違う話を切り出した。それは…
「エヴァントにキラ、君たちSランクに昇格する気はないか?」
というものだった。
Sランクに昇格するにはいくつもの厳しい審査や実戦的な試合を熟す必要がある。審査はギルマス自らが行い、難易度の高い基準を全てクリアしてそのお眼鏡に叶った極僅かな者だけが最高ランクに到達出来るのだ。
しかし何事にも例外が存在する。
Sランク昇格の例外は“エンシェントドラゴンダンジョン攻略成功”だ。他のドラゴンではなく、唯一のSSランクである古龍でなければならない。それを倒す実力があると証明出来れば試合や審査の一部が免除となる。但し緊急措置でパーティー同士が手を組み、大人数で討伐した場合は除かれるが今回はガーディアンが完全に控えだったので問題ない。
「「「…」」」
私はもちろんだが、夫たちも流石に驚いて目を見開いている。
「昇級テスト免除の条件は知ってるだろう?君たちの強さはガーディアンにも確認済みだし、実績と貢献度も調べたが問題無い。どうだろうか?」
若干沈黙した後、エヴァが尋ねた。
「…オレたちは旅の冒険者です。この街にだって何日か留まる事はあっても、すぐに旅立ちます。何故薦めるのか、理由をお聞きしても良いですか?」
Sランクパーティーは上級パーティーよりも更に数が少なく、大きな街にだってそうそう居るものではない。ギルマスからの昇級推薦はSランクアップ時のみ偶にあるが、理由はやはりギルドや街の為だ。それは強さと怜悧さを兼ね備えたその存在が街の守りをより強固なものとし、荒くれ者たちの抑制にも多大な効果があるからだ。
逆を言えば一ヶ所に居着かない旅の冒険者は昇級が困難。エヴァントの疑問も当然と言える。
「理由か…おかしなことを聞くね?幾つだってあるじゃないか。わたしは君たちほど強く聡慧なパーティーに初めて会ったよ。昇級条件だって満たしている。タイミング的に恩返しだと思われても仕方がないし、それも含まれている事は否定しない。旅の冒険者のSランク昇級が難しいも、キラが冒険者になって1年も経っていない事も承知している。だが、エンシェントドラゴンを倒した君たちが駄目なら他の誰が成れるというのだ?」
ベリルさんは真剣な眼差しでそう語った。
以前3人で、皆揃ってSランクのパーティーに成れたら良いなと話した事があった。
冒険者は依頼未達成が決められた日数を越えると忠告を受け、それでも達成しなければ相応の処罰が降る。旅の冒険者は期間が延長されているもののそう余裕があるわけでも無い。しかしSランクは別。そもそも依頼数自体が少なく、小さなギルドでは全く無い場合も多いからだ。要するに、かなり自由な活動が出来るようになる。更に有事の際は、ギルド側も冒険者代表としてのSランクパーティーの意見を無碍には出来ない。意見しなければならないような事態になどならないのが一番良いが、それが起こり得るのがこの世界なのだ。万が一のため周到にしておいて損はない。
故に余程の問題が無ければ私たちが断る事はまず無い。エヴァが理由を尋ねたのは彼の真意を確認しておきたかったからだと思う。何事にも確認は大切だ。
エヴァがレオンと私を交互に見て意志を確かめる。レオンも私も頷き、推薦受ける事を伝えた。
「ありがとうございます。このお話、有難くお受けします」
こうして、メンバー全員がSランクの最上級パーティーが誕生。ベリルさんは旅の許可証への魔印も押してくれた。ロンワン統括の魔印に感激し、わたしの目に狂いは無かった!などと興奮気味に語っていた。
⬛︎
「とうとう最上級ランクのパーティーだね」
「ああ、それも全員Sランクだぜ?ヴェスタにさえ居なかった」
「…え、そうなの?」
諸々の手続きを終えてコテージに戻った私たちは、コーヒーブレイクしながら話していた。私の問いに2人が答えてくれる。
「そうだよ。人数が少ない事もあるけど、パーティー内にSランクが2人居る事さえ稀だ」
「同じ低級、中級ランクの時にパーティーを組んだとしても、実力の差は必ず出てくる。そうなるとランクアップ出来ない奴も居る」
「その段階で次は自分も、と踏ん張れれば良いけど中々そうはいかない」
「それが原因で不仲になって解散というケースは多いな。ソロのS同士がパーティー組むこともまず無い。だから全員Sなんてかなり珍しいぜ?」
「なるほど」
納得納得、と頷いていると2人が続ける。
「ついでに言っておくと…俺は今までSランクの女に会った事も、居るって聞いた事もねえ」
「同じく」
「え…」
「キラが初って訳では無いと思うけどね」
「まあそうだな。キラが統括と初めて会った時の話し具合だと、初、って感じじゃなかった」
「珍しさで言ったら全員Sランクのパーティーといい勝負じゃない?」
「ああ」
「…そうなんだ」
言われてみればそうかも…ただでさえ女冒険者は数が少ないから。…ま、まあ目立つのは今更そう変わる訳じゃ無いしね。
「えすってなに?すごいの?」
貰ったオヤツを食べ終えたスノウが首を傾げる。
「強くて賢い、って事だ」
「つよくてかしこい?スノウは?スノウもえす?」
「フフ、もちろんだよ」
「やったぁなの!」
幻獣フェニックスなのだから、本来ランク付けすら出来ない感じのはずなのだけど…喜んでるからこれで良いのです。
その夜は風もあまり無く、テラスでサニー・サックスも一緒に昇級をお祝いしました。
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