異世界ライフは前途洋々

くるくる

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122.ゴレの冒険者ギルドへ

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 落ち合う約束をした後、私たちは朝食を食べていた。

「ギルドの検証と確認の作業があるし、何日かゴレに滞在だね」

 エヴァの言葉で前回の事を思い出す。そういえば確認が取れるまで街を出るなって言われたな。

「コテージでも良いんだよね?街の外になっちゃうけど」
「ああ、街の傍なら良いだろ。武器も作りてえし、丁度いい」
「そうだね。次は砂漠の予定だし、しっかり準備しないと」

 こうして話しながらの食事を終え、コーヒーを一杯飲んでから片付けを始めた。











 ゴレ近くまで戻ってきた私たちは西門が見える場所にコテージを設置して休んでいた。徒歩のライラさん達が戻るのは暗くなってからだろうし太陽はまだ真上にある。起きたのは3時頃なのでそれほど寝不足ではないが、ギルドに行ったら長くなるだろうという事で今の内に休憩しておくことにしたのだ。

 現在15時少し前。

 昼食を食べてシャワーを浴び、リビングのソファーでまったりしています。ジネにヤキモチを焼いてからちょっとだけ甘えっこなスノウはすでに胸の谷間でお昼寝中。かく言う私も少しばかり眠たくなってきました。

「キラ、起こしてあげるから眠って良いよ」
「ん…でも…2人だって眠たいでしょう?」

 サニーとサックスにライラさん達が見えたら報せるよう頼んではあるけど、まさか3人して寝起き顔で行くわけにもいかない。

「俺らは大丈夫だから安心して寝ろ」
「そうそう。ほら…楽にして」

 エヴァが私をソファーに寄りかからせ、レオンと一緒に両頬に口づける。

 2人の優しさに包まれ、私は僅か数分後には眠りに落ちていた。



「…寝たな」
「うん。いつもながらホントに寝つきが良いよね」
「ああ。こういうとこ、ちょっとガキみてえだよな。くくっ…」
「フフ、普段は凄く大人っぽいから余計にそう感じるよ」

 レオハーヴェンとエヴァントは愛おしそうにキラの寝顔を眺める。そして何度もキスを落とし、可愛らしい妻を堪能してからそっと抱き上げてベッドへと運んだ。

 谷間だと潰れる可能性も否めないので、スノウは枕元へ寝かされました。











 辺りが暗くなり始めた頃、ライラさん達と合流してゴレの冒険者ギルドへ向かった。コテージを目にした2人はまさに呆然としていて、その驚きの度合いはやはり西大陸の人達より大きい気がします。

 スノウ・サニー・サックス。ジル・ジラ・ジネ。ここのギルドは中型契約獣も入れるそうだが、さすがに数が多いだろうという事で外で待っててもらうことにして中へ。

 レオンが受付嬢に要件を伝えるとすぐさまギルマスの部屋に通された。そこに居たのはギルマスとサブマスターの2人。互いに簡単な自己紹介をして早速話に入った。




「魔物の数からして中規模か。それでケガ人が無く洞窟も無事とは運が良かったな!」

 一通り話を聞き終えたギルマスがこちらを見回して笑顔で言った。

 私たちが多数の魔物を倒せたのは運が良かったからだ、という風に聞こえてしまいましたよ?

「「「「「……」」」」」
「…ギルマス、その言い方じゃ彼らの腕では難しかったように聞こえる」

 そう指摘したのはサブマスターの女性。驚くことにゴレの冒険者ギルドサブマスターは女性だったのだ。ただでさえ女冒険者の少ない南大陸ではとても珍しい事だろう。ギルマスよりも若干年上に見える彼女は背が高く、しなやかな筋肉が付いている。しっかりとした意志を宿した瞳は如何にも勝気そうに見えた。

「ん、そうか!?運が良かったのはこっちだぞ。あそこは街から一番近い採掘場だ。お前らがやってくれなかったら街が襲われた可能性が高い。洞窟も崩壊しただろうしな」

 …どうやら満面の笑みで嫌味を言われたのではないようです。指摘を受けてもケロッとしているギルマス。サブマスターは溜息交じりに文句を言ってから私たちに説明する。

「…最初っからそう言いなよ。…すまないねあんたら、言葉足らずなギルマスで。現場確認だが、ここなら分かるからこっちだけで行くよ。悪いけど査定やら報酬手続きやらが終わるまで街に滞在してほしい。3日後の昼までには結果を出しておくから、その辺りの時間にもう一度来てくれるかい?」
「ああ」
「じゃあ魔物を確認させてもらうから倉庫へ行こうか」

 その後ギルド裏にある解体倉庫で魔物の確認を行った。大小含めて70体近い数が全て私のインベントリから出てきた時は、ギルマス、サブマスターを始めとするギルド員は皆一様に驚いていた。

 確認はこれで終わりだがまだ選別をしていない。解体と査定は後で頼む事にしてギルマスたちと別れた。












 時間は思っていたほどかからなかったが、ギルドを出ると外はもう真っ暗だった。スノウとジネは眠ってしまっていたが他の4頭はきちんと並んで主の帰りを待っていた。

「ランドたちはこれから宿探すの?」
「そうだ」

 3人でチラッと視線を交わす。実は昼食を食べながら相談したのだ。ギルドを出る頃はもう時間も結構遅いはず。それから宿を探すのは大変だろうし、コテージに来ないか声だけでも掛けてみようかと。相手が男2人だったら放っておいても良いがライラさんは女性。同じ男女混合パーティー同士、南大陸の女冒険者が他より大変なのは分かっているんです。

「…今からじゃ大変だろう。コテージに来るか?」
「え」
「で、でも…」

 ランドさんは目を丸くし、ライラさんは戸惑っている。

「この街は大きいけど、女性や契約獣が安心して泊まれる宿を今から探すのは難しいよ」
「無理にとは言いませんが、良かったらどうぞ?」

 エヴァと私も声を掛けると、2人は顔を見合わせて頷いてからこちらへ向き直った。

「スマンな、世話になる」
「ありがとうございます」

 こうして私たちは門の外へ出てもう一度同じ場所にコテージを設置し、中に入った。

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