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51.バザール初日
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バザール初日。朝食や後片付けを終え、ベッドルームでバザール用に作った服に着替える。
上はオフホワイトの七分袖シャツ、下はベーシックなタイトスカートで色はエプロンよりも濃いブラウン。本当はカジュアルなパンツが良かったのだが、ここの女性はほとんどパンツを履かないと聞いたのでスカートにした。靴は歩きやすいストラップ付きのフラットパンプス。髪は二つ結びにして三つ編みにし、輪っかにして纏めてシュシュを着ける。プードルヘアってやつです。これならハンチング被れる。
姿見の前でチェックしていると、谷間から鏡を見ていたスノウが呟く。
「きらのかみ、ねじねじどーなつみたいなの」
「はは…そうだね…似てるかもね…」
スノウの食いしん坊発言に苦笑してしまう。『ねじねじどーなつ』というのはツイストドーナツの事。作ったのは一度だけだし結構前なのによく覚えてるね…。
最終チェックを終えた時2人が部屋に入ってきた。彼らは上から下まで私を眺めて褒めてくれる。
「やあ、可愛いね。なるほど、シュシュはこういう感じに使うんだ」
「…ああ、可愛い。そういう格好も良いな」
「ありがとう」
「…スカート意外と短いね」
…ローブとほぼ同じ丈ですが…
「…人前に出したくないレベルだな」
いやいや、それはさすがに大袈裟じゃないでしょうか。街にはもっと短いスカート履いてる子もたくさんいるよ?と思っても口にはしません。前に可愛い可愛いと連呼されていたたまれなくなり、『大袈裟だよ』と言った途端、私の魅力とやらを2人に熱弁されて更に恥ずかしくなったのですよ。
「そうだね…でもバザールだから仕方ない。レオン、チェックよろしく」
「任せろ」
…何のチェックだろう?…いや、気にしちゃイケナイ気がするからここはスルーしとこう。
「さ、行こうか」
「だな。スノウ、こっち来い」
「…しかたないの」
呼ばれたスノウは渋々谷間から抜け出してレオンさんの頭上へ行く。
「「キラ」」
「うん」
差し出された2人の手を取ると、彼らはそれぞれ私の頬にキスした。
■
バザール会場は中央、北、南の3つの広場に分かれ、各広場近くには馬車の駐車スペースや停留場が設けられている。各広場間を行き来する馬車も多数出ていて、お客さんの足となる。街中や広場の掲示板には、どの広場にどんな店が出店しているかなどの情報が数日前から貼り出されていた。
私たちが出店場所である北広場に到着したのは8時。入り口はまだロープが張られていて関係者以外立ち入り禁止になっていたが、すでに広場周辺にはチラホラお客さんの姿があった。
北広場は中央広場ほど広くない。だがあまり雑然としていないし、各店舗間も多少スペースに余裕があるのでコーヒーショップには丁度良い。四角い広場を縁取るように店舗が並び、真ん中には白っぽい石で出来た噴水。その周囲は同じ石で石畳みが敷かれている。
早速天幕を張って準備を始める。まずはショーケースとカウンター席を横にして隣に並べ、その奥に調理台や冷蔵庫、食器類を置く。目立たない場所にイスと小さなテーブルを置いて休憩場所にした。ショーケースの手前には3つのテーブルセット、入り口となる場所には木製のカフェ看板を設置。
フルーツタルトとチョコレートケーキはすでにショーケースに入っている。冷蔵が必要なのは2つだけなので、前世でのケーキ屋にあった物に比べるとコンパクトだ。スコーンとクッキーはそれぞれカゴに入れてショーケースの上に。クッキーカゴの横にはミニサイズのカフェ看板を置いてイラストで中身を紹介している。そうそう、各テーブルにもメニューと価格の書かれたミニ看板があります。
昼のメニューは、コーヒー・カフェオレ・ケーキセット(組み合わせ自由)・ランチ(2種類)。ランチは11時から14時までで、野菜中心の軽めサンドイッチAセットと、肉中心のガッツリサンドイッチBセット。もちろんコーヒー付きです。
オープン時間が迫ってきて、エヴァさんとレオンさんもエプロンやコックタイを着ける。2人とも黒いパンツに白のシャツなので、おしゃれなカフェのユニフォームのようだ。
…似合う。素敵。最高。こんなかっこいいウエイターさんが居たら通う。
「準備は大丈夫?漏れはない?」
彼らの素敵さに目を奪われてポーッとしていたが、エヴァさんの声でハッと我にかえる。イケナイイケナイ、これから商業版レックスの初仕事なんだからシャキッとしなきゃ。
「うん、確認済み」
「そろそろだな、俺は奥にいるぜ」
レオンさんが奥のテーブルに行くとスノウが鳴く。
「ぴぴっ?」(スノウのは?)
「はいはい、今やってあげる」
スノウ用に作ったブラウンの小さな布をスカーフのように首元に巻く。
「ぴぴっ!」(おなじなの!)
若干ヨダレかけみたいだけど…喜んでるから良いよね?
「良かったねスノウ。昨日も言ったけど、ここでは飛んじゃダメだよ?移動したい時はレオンを呼ぶ、良いね?」
「ぴぴっ!」(わかったの!)
「じゃあ、そこに居てね」
スノウはショーケースの上のクッキー看板の横にちょこん、と座っている。超可愛い。
飲食店に動物(?)が居ても大丈夫なのか心配だったが、契約獣、しかもこんなに小さな小鳥なら問題無いそうで一安心。たださすがに飛び回るのはNGなのでその辺は言い聞かせてある。
時刻は10時、いよいよバザールが始まった。今か今かと待っていたお客さんたちが広場に入ってくる。バザーといえば押すな押すなの大混雑を想像してしまうがそうでも無い。だいたいの人はせかせかする事なく店を見て回っている。初出店は注目を集めやすいが、中央広場から回る人が多いのでお客さんは少し時間が経ってから来るだろうと予測していた。が、早速女性2人が看板を見てからおずおずと入って来る。
「いらっしゃいませ。お二人様ですか?」
「は、はい」
「ではお好きな席へどうぞ」
席に着いた彼女たちは、テーブル上のミニ看板に気が付いて『可愛い~』と小さく声を上げた。だがメニューを見ながらショーケースをチラチラ気にしている。『見た事ないケースだね』と話しているのが聞こえてきた。
聞き耳を立ててた訳じゃないですよ?他にお客さんがいないから静かで聞こえたんです。それに、ショーケースはケーキを目で見て選ぶ為に作ったのだ。ケーキ屋さんに並ぶたくさんの中から選ぶのって楽しくないですか?ここには2種類しかないけれど、少しでも楽しんでほしい。バザールは楽しんでナンボでしょ。
「よろしければお近くでご覧になってください」
「良いんですか?」
「はい、どうぞ」
「お姉ちゃん、見に行こう」
「うん」
どうやら2人は姉妹のようだ。声をかけると早速立ってショーケースの前に行く。
「どっちにしよう~。チョコレートもフルーツも美味しそうだよ」
「スコーンも焼き立てみたいな香りがする…」
まだ迷う姉妹だったが、ふとショーケースの上にいるスノウに気が付いた。
「…ねえ、この小鳥…」
「ぴ?」(ん?)
小鳥、と言われてスノウがこてっ、と首をかしげて短く鳴く。
「「…か、可愛い…!」」
興奮気味の声が天幕内に響いた。
彼女たちはスノウを愛でた後クッキーのイラストに驚き、買って帰る事を決意してからケーキを選んだ。結局タルトとチョコを頼んで半分ずつ食べ、顔を綻ばせた。
「ケーキもコーヒーもすっごく美味しかったです」
「期間中にまた絶対来ます」
「ありがとうございます、またお待ちしております」
そしてスノウにもまたね~、と声をかけて帰っていった。
■
「ケーキもコーヒーも美味しかったね」
「うん、それに入りやすかった」
「そうだよね。ケーキが食べられるお店って、高級店が多くて入りにくいのに」
「それに…お店の人の美男美女率100%だったよね!」
「うんうん!超イケメンのコックさんにウエイトレスの人もスッゴイ美人だった」
「奥にもう一人居たの見た?怖そうだったけどイケメンだったよ!」
「見た見た!小鳥も可愛いかったぁ」
興奮気味に話しながら歩く先程の姉妹。イケメン、美人、可愛い小鳥、美味しいコーヒーとケーキ。彼女たちは、自分たちが掲示板のお知らせ以上に効果のある宣伝をしている事に気が付いていなかった。
上はオフホワイトの七分袖シャツ、下はベーシックなタイトスカートで色はエプロンよりも濃いブラウン。本当はカジュアルなパンツが良かったのだが、ここの女性はほとんどパンツを履かないと聞いたのでスカートにした。靴は歩きやすいストラップ付きのフラットパンプス。髪は二つ結びにして三つ編みにし、輪っかにして纏めてシュシュを着ける。プードルヘアってやつです。これならハンチング被れる。
姿見の前でチェックしていると、谷間から鏡を見ていたスノウが呟く。
「きらのかみ、ねじねじどーなつみたいなの」
「はは…そうだね…似てるかもね…」
スノウの食いしん坊発言に苦笑してしまう。『ねじねじどーなつ』というのはツイストドーナツの事。作ったのは一度だけだし結構前なのによく覚えてるね…。
最終チェックを終えた時2人が部屋に入ってきた。彼らは上から下まで私を眺めて褒めてくれる。
「やあ、可愛いね。なるほど、シュシュはこういう感じに使うんだ」
「…ああ、可愛い。そういう格好も良いな」
「ありがとう」
「…スカート意外と短いね」
…ローブとほぼ同じ丈ですが…
「…人前に出したくないレベルだな」
いやいや、それはさすがに大袈裟じゃないでしょうか。街にはもっと短いスカート履いてる子もたくさんいるよ?と思っても口にはしません。前に可愛い可愛いと連呼されていたたまれなくなり、『大袈裟だよ』と言った途端、私の魅力とやらを2人に熱弁されて更に恥ずかしくなったのですよ。
「そうだね…でもバザールだから仕方ない。レオン、チェックよろしく」
「任せろ」
…何のチェックだろう?…いや、気にしちゃイケナイ気がするからここはスルーしとこう。
「さ、行こうか」
「だな。スノウ、こっち来い」
「…しかたないの」
呼ばれたスノウは渋々谷間から抜け出してレオンさんの頭上へ行く。
「「キラ」」
「うん」
差し出された2人の手を取ると、彼らはそれぞれ私の頬にキスした。
■
バザール会場は中央、北、南の3つの広場に分かれ、各広場近くには馬車の駐車スペースや停留場が設けられている。各広場間を行き来する馬車も多数出ていて、お客さんの足となる。街中や広場の掲示板には、どの広場にどんな店が出店しているかなどの情報が数日前から貼り出されていた。
私たちが出店場所である北広場に到着したのは8時。入り口はまだロープが張られていて関係者以外立ち入り禁止になっていたが、すでに広場周辺にはチラホラお客さんの姿があった。
北広場は中央広場ほど広くない。だがあまり雑然としていないし、各店舗間も多少スペースに余裕があるのでコーヒーショップには丁度良い。四角い広場を縁取るように店舗が並び、真ん中には白っぽい石で出来た噴水。その周囲は同じ石で石畳みが敷かれている。
早速天幕を張って準備を始める。まずはショーケースとカウンター席を横にして隣に並べ、その奥に調理台や冷蔵庫、食器類を置く。目立たない場所にイスと小さなテーブルを置いて休憩場所にした。ショーケースの手前には3つのテーブルセット、入り口となる場所には木製のカフェ看板を設置。
フルーツタルトとチョコレートケーキはすでにショーケースに入っている。冷蔵が必要なのは2つだけなので、前世でのケーキ屋にあった物に比べるとコンパクトだ。スコーンとクッキーはそれぞれカゴに入れてショーケースの上に。クッキーカゴの横にはミニサイズのカフェ看板を置いてイラストで中身を紹介している。そうそう、各テーブルにもメニューと価格の書かれたミニ看板があります。
昼のメニューは、コーヒー・カフェオレ・ケーキセット(組み合わせ自由)・ランチ(2種類)。ランチは11時から14時までで、野菜中心の軽めサンドイッチAセットと、肉中心のガッツリサンドイッチBセット。もちろんコーヒー付きです。
オープン時間が迫ってきて、エヴァさんとレオンさんもエプロンやコックタイを着ける。2人とも黒いパンツに白のシャツなので、おしゃれなカフェのユニフォームのようだ。
…似合う。素敵。最高。こんなかっこいいウエイターさんが居たら通う。
「準備は大丈夫?漏れはない?」
彼らの素敵さに目を奪われてポーッとしていたが、エヴァさんの声でハッと我にかえる。イケナイイケナイ、これから商業版レックスの初仕事なんだからシャキッとしなきゃ。
「うん、確認済み」
「そろそろだな、俺は奥にいるぜ」
レオンさんが奥のテーブルに行くとスノウが鳴く。
「ぴぴっ?」(スノウのは?)
「はいはい、今やってあげる」
スノウ用に作ったブラウンの小さな布をスカーフのように首元に巻く。
「ぴぴっ!」(おなじなの!)
若干ヨダレかけみたいだけど…喜んでるから良いよね?
「良かったねスノウ。昨日も言ったけど、ここでは飛んじゃダメだよ?移動したい時はレオンを呼ぶ、良いね?」
「ぴぴっ!」(わかったの!)
「じゃあ、そこに居てね」
スノウはショーケースの上のクッキー看板の横にちょこん、と座っている。超可愛い。
飲食店に動物(?)が居ても大丈夫なのか心配だったが、契約獣、しかもこんなに小さな小鳥なら問題無いそうで一安心。たださすがに飛び回るのはNGなのでその辺は言い聞かせてある。
時刻は10時、いよいよバザールが始まった。今か今かと待っていたお客さんたちが広場に入ってくる。バザーといえば押すな押すなの大混雑を想像してしまうがそうでも無い。だいたいの人はせかせかする事なく店を見て回っている。初出店は注目を集めやすいが、中央広場から回る人が多いのでお客さんは少し時間が経ってから来るだろうと予測していた。が、早速女性2人が看板を見てからおずおずと入って来る。
「いらっしゃいませ。お二人様ですか?」
「は、はい」
「ではお好きな席へどうぞ」
席に着いた彼女たちは、テーブル上のミニ看板に気が付いて『可愛い~』と小さく声を上げた。だがメニューを見ながらショーケースをチラチラ気にしている。『見た事ないケースだね』と話しているのが聞こえてきた。
聞き耳を立ててた訳じゃないですよ?他にお客さんがいないから静かで聞こえたんです。それに、ショーケースはケーキを目で見て選ぶ為に作ったのだ。ケーキ屋さんに並ぶたくさんの中から選ぶのって楽しくないですか?ここには2種類しかないけれど、少しでも楽しんでほしい。バザールは楽しんでナンボでしょ。
「よろしければお近くでご覧になってください」
「良いんですか?」
「はい、どうぞ」
「お姉ちゃん、見に行こう」
「うん」
どうやら2人は姉妹のようだ。声をかけると早速立ってショーケースの前に行く。
「どっちにしよう~。チョコレートもフルーツも美味しそうだよ」
「スコーンも焼き立てみたいな香りがする…」
まだ迷う姉妹だったが、ふとショーケースの上にいるスノウに気が付いた。
「…ねえ、この小鳥…」
「ぴ?」(ん?)
小鳥、と言われてスノウがこてっ、と首をかしげて短く鳴く。
「「…か、可愛い…!」」
興奮気味の声が天幕内に響いた。
彼女たちはスノウを愛でた後クッキーのイラストに驚き、買って帰る事を決意してからケーキを選んだ。結局タルトとチョコを頼んで半分ずつ食べ、顔を綻ばせた。
「ケーキもコーヒーもすっごく美味しかったです」
「期間中にまた絶対来ます」
「ありがとうございます、またお待ちしております」
そしてスノウにもまたね~、と声をかけて帰っていった。
■
「ケーキもコーヒーも美味しかったね」
「うん、それに入りやすかった」
「そうだよね。ケーキが食べられるお店って、高級店が多くて入りにくいのに」
「それに…お店の人の美男美女率100%だったよね!」
「うんうん!超イケメンのコックさんにウエイトレスの人もスッゴイ美人だった」
「奥にもう一人居たの見た?怖そうだったけどイケメンだったよ!」
「見た見た!小鳥も可愛いかったぁ」
興奮気味に話しながら歩く先程の姉妹。イケメン、美人、可愛い小鳥、美味しいコーヒーとケーキ。彼女たちは、自分たちが掲示板のお知らせ以上に効果のある宣伝をしている事に気が付いていなかった。
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