セカンドライフを異世界で

くるくる

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42話 変化

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 翌日、私たちはギルドで正式な許可証を貰った後馬車を購入しに行く。シザーとロイさん2人だった時はなくても良かったが、3人になってオディという仲間も増えた。ならばオディに馬車を引いてもらおうという事になったのだ。

  その店は馬車や馬装具、馬などを専門に扱っていて、インブラでも1番の品揃えだという。オディにミニからノーマルへと変化してもらって店の前に行くと、大きく開きっ放しの入口から店主らしき男性が出てきた。

 「いらっしゃい、何をお探しで?」
 「馬車を見せてくれ」
 「はい、ではどうぞ」

  オディ同行の許可を貰って中へ入る。大きい倉庫のような店内にはたくさんの馬車が並んでいた。天井が高く、通路も広くてオディが一緒でも大丈夫だった。

 「どのような馬車がよろしいですか?」
 「大きめで頑丈な造りのだ」
 「もしかして、今お連れの馬が引くんですか?」
  店主がオディの印を見ながら聞く。
 「ああ」
 「では念のため許可証を見せていただけますか?」
 「はい。これです」
  シザーが主だと思っていたのだろう。彼に向かって話しかけたのに許可書を出したのは私。焦ってこちらを向く。
 「し、失礼しました。…!!」
  渡された物を確認すると途中で驚いて目を見開き、私とオディを見る。許可書にはオディの種族や街へ入る際の条件なども書かれている。ダークホース、という文字を見たのだろう。
 「あ、ありがとうございます」
  許可書を返して奥へと進む。ギコギコとゼンマイ仕掛けのような動きだ。…驚かせてゴメンナサイ。
 「そ、そちらのお馬さんでしたら、ここにある3台のどれかが良いと思います。な、中も広いですし、幌はウォーラクルス(魔物)の革、車体はレニの木ですのでどちらも耐久性が高く、水や汚れにも強いです」
  店主は凄く緊張している。3台は大きさが多少違うが素材は同じ物らしい。

 「へえ、ウォーラクルス」
  ロイさんが3台を隅々まで見て回っている。シザーは立っているだけだ。簡易キッチンの時もそうだったが、大きな買い物はロイさんが担当らしい。
 「…これでいいんじゃない?シザー」
  選んだのは3台の中で一番大きな馬車だ。
 「ああ」
 「ナッちゃんとオディはどう?」
 「お任せします」
 「ブルッ」
  ロイさんが聞いてくれるがオディはもちろん、私にも馬車の良し悪しは分からない。ただ周りにある馬車よりも良い物であることは分かった。
 「そう?…じゃあこれにします」
 「か、かしこまりました。馬具はどうしましょう?」
 「頼む。鞍も見せてくれ」
 「はい」

  店で全て装着し、そのまま馬車で街へ出る。シザーとロイさんが御者台に座り、私は中にいた。前の幕は開けてあるので暗くはない。中はまだ何もないが新品らしい木の香りがした。それに揺れも少ない。大きさとしては乗合馬車よりは小さいが、ボックスを持ってるので荷物を載せる訳ではない。それを考えればかなりの広さだ。…クッションとか作ろうかな。いや、座布団とか長座布団がいいかな。ロックバードの羽根じゃ固いかな?

  少し街を周って宿へ帰るともう夕刻だ。ミニになったオディの体を洗い、ブラッシングしてから一度部屋へ戻り、夕食とお風呂を済ませて部屋へ帰る。シザーはすでに上がって飲み始めていた。珍しくワインだ。

 「珍しいね、ワイン」
 「まあな、ロイがエール好きだからいつもはエールだが、たまにはな。…飲むか?」
 「…ちょっとだけ」
  イスを並べて乾杯する。
 「…おいしい。ワイン久しぶり」
  あまり強い方ではないが、ワインは結構好きで1人暮らしの時も飲んでいた。
 「初めてだな、一緒に飲むの」
 「そうだね。いつもエールだったし」
 「エールは苦手か?」
 「ん~、あんまり好きじゃない。ワインは好きだよ、弱いけど」
 「ククッ、そうみてえだな。もう顔が赤い」
  指の背で頬をするっと撫でられて心臓が跳ねる。優しく微笑む顔から目が離せなくなり、自分から唇を寄せた。触れるだけの口づけ。一瞬驚くシザー。その隙にもう1度触れると長い指が私のうなじを撫で上げる。
 「んんっ…」
  背筋がぞくっとして簡単に声が漏れる。身体が熱い。17歳にワインはまだ早かったのか、酔っているみたいにふわふわする。もっと触れてほしくてシザーの手を自分の胸へ導く。
 「……して?」
  小さく囁く。本当は昨夜もちょっと期待してた。でも眠気に負けて待っていられなかった。だから…少しだけお酒の力を借りて誘う。自分からなんて初めてだし、恥ずかしい。でも…溢れる愛欲には抗えなかった。

 「ナツメ…」
  私を見る獣の瞳に同じ愛欲が映っている。引き寄せあうように口づけし、互いに舌を絡める。導いた手が胸を這う。
 「ッんン…んふぅ…」
  慣れた手つきで私の服を脱がしていく。唇を離し、抱き上げてベッドへ運んで自分も脱ぐ。
 「…そんなに抱いてほしかったのか?」
  耳を舐めながら言われてその声にまで身体の中心がきゅん、と反応する。
 「あッ…ン、うん…してほしかった」
 「俺もだ…ナツメを抱きたかった」
  手が胸を弄り、乳首を摘み上げる。もう片方も口に含んで舌で転がし、潰し、甘噛みする。艶美な刺激に震えながら声を上げる。
 「あぁん…ぁふ、うれしい…あ、あッ」
 「ナツメ…俺のもしてくれよ」
  そう言って自分が下になり、私の身体を反転させる。シザーの顔の上に私の秘所が曝され、指が割れ目をなぞると蜜が垂れる。
 「っは…んっ、んん、ン」
  快感に気を取られそうになりながらも、目の前にあるモノに舌を這わせる。口に含み、唇と手で扱く。
 「あッ、は、あぁ、ナツメ…」
  気持ち良さそうな声が嬉しくて喉奥まで咥え込み、舌も使いながら必死になっていると秘所に指が侵入してくる。敏感なトコを擦られて口が止まってしまう。ぐちゅぐちゅと音を立てて掻き回されて咥えたまま喘ぐ。
 「んっ!ン!んむぅ!」
 「口が止まってるぜ」
  そう言ってくいっと腰を上げて喉奥を突かれる。
 「ッ!んぐ!…ん、ふ…」
  えづきそうになりながらも何とか再開する。

  互いの喘ぎ声と卑猥な水音だけが響き、ますます気分が高揚する。

 「ああ!ナツメ、イク、出る!…ぅあああ!」
 「んぅン!!んぐぅ!…んはぁあああ!」
  口内に精液が放たれるのと同時に絶頂し、飲み込めずに口を離してしまった。

  シザーが起き上がって体勢を変え、私の足を広げて覆いかぶさる。ねっとりと絡みつくようなキスと胸を弄る手に翻弄されて身を捩るがまだ足りない。身体は熱くなる一方で涙が溢れ、視界が滲む。

 「どうしてほしい?」
  再び怒張したモノを秘所に擦り付ける。
 「あ、あッ、挿れてぇ…指じゃイヤ、シザーのでイかせて…」
  涙目で見上げ、腰をくねらせながらねだると、嬉しそうに目を細めたのが見えた。
 「いい子だ…」
  蕩けるような甘い声で囁くと、ゆっくりと蜜壺を拡げながら挿ってくる。じっくり的確に弱点を責めながら胸をやわやわと揉み、つんと立った乳首をコリコリと扱く。ひっきりなしに快楽の波が押し寄せ、口からは喘ぎ声が漏れ続ける。
 「あぁん…んはぁ、あッ!ひ、んぅっ…シザぁ…」
 「ン…気持ちイイか?」
 「っあん!いい、気持ち…いい、あ、ああっ」
 「…もっとよくしてやるぜ」
  私の腰を少し持ち上げて抱え込み、ぎりぎりまで引き抜いて一気に最奥まで貫く。その瞬間、身体にビリビリと電気が走ったような感覚に陥り甲高い嬌声を上げてイク。だが休む暇は与えられず、シザーは激しい抽挿を繰り返し、何度も腰を打ち付ける。しがみつきたくて震える両手を伸ばすと、そのまま抱えあげられて座ったまま深く繋がる。奥を抉るように掻き回され、お尻を鷲掴みにして揉まれ、また高みへと押し上げられる。
 「あひぃんっ!ひぁ!ふ、ふかいぃ!また、イッちゃ、うぅ!」
 「っく…いいぜ、何度でもイケ」
  腰を押さえつけ、下からガンガン突き上げられる。じゅぽっ!じゅぽっ!と淫猥な水音が響いて増々愛欲が掻きたてられた。
 「あッ、ああん!ひぃ!んぁぁああああっ!!」
  全身をガクガクと痙攣させて絶頂へと達し、膣内がきゅうっとシザーのモノを締め付ける。
 「っく!ぅあ!ナツメ!イク、ぅぁああ!」
  ギリギリで引き抜き、外へ精を放った。

  2人寄り添ってベッドに腰かけ、乾いた喉をワインで潤す。グラスを空にしてシザーに凭れ掛かると肩を抱いてくれる。

 「酔ったか?」
 「ん?ほわほわする。気持ちいい」
  見上げながら言うとキスが降ってくる。額に、瞼に、頬に、耳に、首筋に、そして唇に。キスが気持ち良くて小さく震える。ワインに酔ったのか、シザーのキスに酔ったのか分からなくなる。
 「んっ…シザーのキス、気持ちイイ」
 「…煽るな。襲うぞ」
  獣の瞳が私を見つめている。…この瞳はいつも媚薬のように私に降りかかる。見つめられると鼓動が早まり、身体の奥が疼き始める。
 「シザー…愛してる」

  どうしたらこの気持ちがもっと伝わるだろうか。何度伝えても、何度抱き合っても足りない。自分の中に、こんな激しくも優しい情愛があったことをシザーに出会って初めて知った。

  今まで、こんな事をしたら嫌われないか、嫌がられないか、そればかり考えて勝手に尻込みしてた。それが分かったのはオッドアイの女性との事があった時だ。嫌がられるとばかり思っていた私の嫉妬心は、受け入れられるどころかシザーを喜ばせた。だから。後で後悔しないように、少しは自分の欲に素直になってみようと思った。

 「ッ!!」
  シザーが息を呑む。私を掻き抱いて目を閉じる。
 「ナツメ…俺も、愛してるぜ」
 「シザー…」

  私たちはもう一度、深く長い口づけを交わした。











 気分が高揚して眠れず、起きてワインをグラスに注いで飲む。すやすやと眠るナツメを見つめ、綺麗な髪をそっと指で梳かす。淡い魔石の灯りに照らされた姿はもうどう見ても子供になど見えない。

  …今夜、初めてナツメが俺を誘った。その唇で愛してると囁いた。極上の微笑みを浮かべて。その事実が俺の気分を高揚させている。インブラに来てから、いや、正確には娼婦の事があってからナツメが少し変わってきた気はしていた。

  今までは、やる時はいつも俺から。手を縛った時も、洞穴でやった時も、最初は少し嫌がる素振りを見せた。本気で抵抗された事はないが、無理させてるんじゃねえかと不安に思った事もある。だから言わせたくなる。俺が欲しい、挿れてほしい、そして、

  愛してると。

  いちいち確かめなきゃ安心できねえなんて、ガキくせえと思う。ちょっとした事で不安になって、嫉妬して、我慢できずに気を失うまで抱く。そんな事が続いたらいつか嫌われるんじゃねえか、そう考えただけで気が狂いそうになる。だが今夜、自ら進んで俺に抱かれて喘ぎ、愛を囁いたナツメを見て、感じて、今まで心の奥で燻っていた不安は消えてなくなった。我ながら単純だ。たまに娼館で欲を吐きだしてた頃とは、随分変わったなとつくづく思う。

 「ん…シ、ザ…」
  ナツメがもぞもぞと動いて手が俺を探して彷徨う。ベッドに横になり、いつものように腕を差し出すとそれを見つけてすり寄ってくる。俺の胸に顔をうずめ、安心したように眠る。

  この長い睫毛も、その奥の瞳も、艶やかに光る唇も、白く滑らかな肌も、頭から足の先まで、全てが俺の大切なものだ。その綺麗な髪に口づけると僅かに身じろぐ。指で背中をつつっと撫であげると、ひくん、と背を反らせて大きな胸がつぶれ、卑猥な眺めになる。今度は柔らかな尻に手を伸ばす。下着の間から手を入れ、その質感を確かめるように撫でまわして時折強く掴む。
 「ぁん…」
  ナツメが小さく声を漏らして太腿をこすり合わせる。もしかして、と思い秘所へ指を忍ばせれば蜜が絡みついた。思わず指を動かすとくちゅくちゅと水音がし始め、腰をくねらせて悶える。
 「んふぅ…ン」
  艶かしい声にゾクッとする。…ダメだ。これ以上触ったら、寝ていようが我慢できなくて挿れちまう。少し体を離して落ち着こうとするが、大きく怒張した俺のモノは先走りの液が滲んでいた。
 「サカったガキみてえだな…」
  そう呟いて息を吐くが、このままで寝られる訳がない。結局自分で処理するしかないのだ。精を受け止めた布をどうするかが問題だが…。とりあえずボックスに入れとくか…。

  ナツメを眺めながら自己処理を始めたのだった。
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