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36話 欲情

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 時刻は16の刻を回った。インブラに来るといつも泊まる宿があるそうなので、ギルドを出てそこへ向かう。その宿は少し奥まった場所にあった。この街に多い煉瓦ではなく、丸太で出来たログハウス風の3階建てで赤い屋根、裏の方には木々が見えて何だか暖か味を感じる雰囲気だった。屋根と同じ赤いドアの上にある看板には、フォレストの宿、とある。カランカラン、とドアベルを鳴らして中へ入ると木製のカウンターにいた男の子が顔を上げた。

 「いらっしゃいませ!あ!シザーさん!ロイさん!」
  笑顔で迎えてくれる。
 「よお、ククリ」
 「久しぶりだね」
 「久しぶりです!…あれ?」
  そこで私に気が付く。
 「新しいメンバーだ」
 「へえ、そうなんだ。僕ククリ、よろしくね」
  オリーブ色の髪がくりん、としていて目が大きく、可愛い印象を受ける。身長は170㎝に少し足りないくらいか。人懐こい笑みが似合う男の子だ。
 「ナツメです、よろしく」
  笑顔で返すとククリ君の顔にサッと赤みがさす。
 「え、と、あ!今回は何泊?」
  慌てて顔を逸らしてシザーに聞く。
 「とりあえず30日だ。シングルとダブル。多めにゴールドを預けておくから他はそこから引いてくれ」
 「かしこまりました!カギを準備するから宿帳記入お願いします」
 「ハイハイ」
  ロイさんが3人分書いてくれる。
 「はいカギ、こっちがダブルだよ」
 「ああ」
  シザーはダブル、ロイさんはシングルのカギを受け取って部屋へ向かった。

  部屋は2階の端の2部屋で、お互い一休みしてから17の刻に夕食を食べることにして部屋の前で別れた。

 「広い…可愛い…」
  部屋は10畳くらいはあった。明るいクリーム色の壁に出窓、部屋の右側には存在感たっぷりのダブルベッド、ベッドの下には屋根と同じ赤い色の敷物、サイドテーブルには魔石のランプ、出窓の前には小さめの丸いテーブルとイス、クローゼット。家具は全て同じ明るいトーンの木製で統一されている。浴場は下にあるようだが洗面台は部屋にもある。

  こんなかわいい部屋にいつもはロイさんと…?ミスマッチが過ぎる…。

 「似合わねえと思ってるだろ」
 「ふふ、少しね」
 「静かで落ち着くんだよ。インブラに来ると長くいる事が多いからこういうとこの方がいい」
 「そうだね、私も好き。こういうとこ」
 「そうか。…ナツメは宝石あまり好きじゃないのか?」
  シザーがベッドに腰掛け、私を手招きする。その手に従って傍へ行くと足の間に座らせて後ろから軽く抱きしめる。
 「嫌いじゃないけど…どうして?」
 「確かに宝石類はダメだと言ったが、お前はずっと布ばかり見てたからな」
 「あの中だったらダントツで布が一番欲しかったよ」
 「ならいい。お前は本当に欲がない」
 「そんな事ないよ。高級な布だってあったもん」
 「ククッ…それでもだ」
  シザーの声に甘さが混じる。手が妖しく身体を這い首筋を舐めあげられ、ゾクッと快感が走る。
 「んんっ…あ…」
  服の上から両手で胸を弄り、先端をクリクリと2本の指で刺激する。
 「もう固くなってきたぜ」
 「あ、あッ、ン、やっ…だめぇ」
 「ダメ、じゃなくて、イイ、だろ?」
  耳の中を舐りながらきゅうっと引っ張られて秘所の奥が疼く。気持ち良さに身を任せたいがそうもいかない。
 「あ、ひン、、イイ、けど、夕食…」
 「しょうがねえな…後でたっぷり喘がせてやる」
  そう囁いて最後に先端をぎゅっと捻りあげながら放す。胸がぶるんっと大きく揺れて声を上げそうになるが、隣にロイさんがいるのを思い出して手を口に当て、背を仰け反らせて何とか声を我慢する。
 「ん!ンんっ、んふ」
  大きな波は去ったが、中途半端に与えられた刺激の所為で中心に熱がこもったままだ。
 「行くぞ、ロイが来るとうるさくなる」
  シザーが私の肩を抱えるようにしながら立ち上がる。
 「んっ…うん…」

  部屋を出て食堂へと向かった。











 ロイさんに怪しまれながら夕食を終えてそのままお風呂へ行く。誰もいない事にホッとしながら服を脱いで中へ。
 「っあ…」
  体を洗おうと自分の胸に触れた時、思わず声が出てしまった。1人お風呂で赤くなり、なるべく意識しないようにして手早く入浴を済ませてお風呂を出る。シザーはまだのようだが、出たら先に戻っていろとカギを貰っているので急いで部屋へ戻る。

  まだ濡れたままの髪も構わずにベッドに身を投げ出し、腰にある邪魔なポーチを枕元に置く。ホッとしてくると身体の熱が再燃してきてしまう。少しの間黙って耐えるが、我慢できなくなって自分の胸に手を伸ばす。服の上から触って先端をキュッと摘むと声が漏れる。

 「んんっ、あ」
  すぐに刺激が足りなくなってブラウスのボタンを外し、キャミの中で直接扱く。私はいつの間にこんなにいやらしくなったのだろう。こんな事、頭ではダメだと思っていても身体は疼いて言う事を聞いてくれない。片手で秘所を弄るとショーツが湿っているのが分かり、指を入れてしまう。
 「あぁん、あ、あ、あ」
  くちゅくちゅ音を立てながら指を動かすが、私の手では敏感なトコに届かない。イキたくて膣内を掻き回すがイケない。切なさだけが募って瞳が潤む。
 「んあぁ…な、んでぇ~?も、やだぁ…シザぁ…」
  身体は熱くなる一方で思考がおぼつかなくなる。視界がぼやけ、心も身体もシザーだけを求めて悶える。早くココに彼の大きくて固いモノが欲しい。
 「あはぁ、ンん、んひ」
  ドアの閉まる音がした気がするが、そっちを見る余裕もない。

 「…ッ!」
  部屋に入ってきたシザーはベッドの上のナツメを見て息を呑む。

  はだけた胸を弄り、スカートも捲れて白い太腿とショーツが露わになっている。自らの指で秘所を慰めて蜜を溢れさせ、スカートまでぐっしょりと濡らしながら瞳を潤ませ全身をヒクヒクと震わせている。

  驚いたのはほんの一瞬。すぐに妖艶な笑みを浮かべ、服を脱ぎながらベッドに近づいて全裸でナツメを見降ろす。
 「ナツメ…」
  淫猥な色に染まった声色で呼ばれて声のする方に視線を動かす。そこには薄暗い室内で獲物を見据える獣の瞳。
 「あ…ん、やっと、帰って、来たぁ…」
  蕩けきった表情で見上げると、彼がゴクン、と唾を飲み込む。
 「シ、ザ、あふ、おねが、い…はや、く、ンん」
  もう何も考えられず、だたシザーが欲しくてねだる。私の足元に座りショーツを脱がせ、まだ指が出入りしている秘所を舐めるように見られて獣の瞳に視姦されてる気分になってしまう。
 「届かな、いの。わたしのゆび、じゃ、だめなの」
 「…挿れて欲しいか?」
 「あぁ、欲し、い。ン、」
 「いい子だ…今挿れてやる」
  素直に訴えるとがばっと足を広げて開脚させ、私の指が入った秘所にそのまま指を突っ込んだ。全部で4本も咥え込んだ膣内はぎちっと指を締め付ける。私の指まで使って敏感なトコをグリグリ抉り、もう片方の手で陰核を剥いて扱く。
 「ここだろ?ん?」
 「あはぁ!あッ、ゆび、いっぱ、いぃ!」
 「返事は?」
  ぐりん、と陰核を潰されて悲鳴にも似た嬌声が響く。
 「あひぃん!あッ!んひ、ソコ、ソコが、イイの、あッン!イク!あ、あッ、ぁぁあああ!」
  ガクガクと腰を揺らしながら達し、潮でお尻の下がびちゃびちゃになる。イッたばかりの秘所にぬぷんっとシザーのモノが挿いって私の弱いトコを責めながらじっくりと抽挿を始める。
 「あ…ん…ンん、あぁ…シザぁ…」
 「く、あ、気持ちイイか?」
 「ん、ん、イイ、あぁん」
  待ち望んでいたモノに満たされ、あまりの幸福感と気持ち良さに瞳に溜まっていた涙が流れる。
 「くッ、締まる…くそ、イク」
  シザーが苦々しげに呻くといきなり強く腰を打ち付け、大きな胸が激しく揺れる。
 「あぁん!あひ、っン!あ、あ、また、イッちゃ、う、んぁああん!」
 「う、くぁ!出る!うぁあああ!」
  捲れたスカートに精液が染みる。肩で息をしていると、シザーが私に覆いかぶさって口を塞ぐ。胸を鷲掴みにして乱暴に揉みしだき、切なげな声で呟く。
 「あぁ…たまんねぇ…ナツメ…」
 「あぁっ、シ、ザ」
 「っん、は、ナツメ…くッ」
  休む間もなくまた膣内がシザーでいっぱいになる。腰を使いながら私の足首を掴んでぐうっと顔の近くまで持ってくると、上を向いた秘所を突き挿すように最奥へと思いっきり腰を打ち付ける。肌のぶつかり合う音とぐちゅぐちゅと卑猥な水音が部屋中に響く。
 「ああぁ!んはあっ!ンひぃ、ふか、いぃ…ひん!」
  もうただただ快楽に溺れて喘ぐ事しか出来ない。
 「ナツメ!ああ!」
  シザーに抱き付きたくて必死に両手を伸ばすと、掴んでいた足を放して上半身を倒し、腰の下に手を入れてギュウっと抱きしめてくれる。私もシザーの首にしがみつく。そのまま激しく腰をガンガン突き上げられ、頭が真っ白になって目がチカチカする。
 「んはぁ!ああ!ン、ぁひっ、ひぁあああ!」
  背を大きく仰け反らせ、全身をガクガクと痙攣させながら絶頂する。
 「くッ、ああ!イク、う、ぁあああ!」
  ギュウっと膣内を締め付けられたシザーも白濁とした液を外へ放出した。それを感じた瞬間、私は意識を手放した。











「ん…」
  目を開くと小さなランプだけが点いた薄暗い部屋でシザーの腕に抱かれていた。2人とも全裸だ。
 「…気が付いたか?」
  幸せそうに私を見つめていた彼が囁く。
 「シ、ザー…」
  声が掠れてうまく出ない。シザーがサイドテーブルに置いてあったカップに手を伸ばし、中身を口移しで飲ませてくれる。
 「ん、ふ…」
 「っふ…大丈夫か?」
  問いにコクン、と頷くがまだ頭の芯がぽ~っとしている。
 「私…?」
 「覚えてないか?」
  ゆっくりと記憶を手繰ってみる。

  部屋に戻ってベッドで…までは覚えてるんだけど…シザーはいつ戻って来たっけ?まさか見られたりとか…、そう考えた時、私を見降ろすシザーの瞳を思い出す。夢のように思っていたあれは、もしかして…。シザーの顔をちらっと見るとニヤニヤと笑いながら言う。

 「思い出したか?」
 「…!!」
 「ナツメ」
 「えと、あの、わ、私、その…」
 「…俺が戻るまで、我慢できなかったんだろ?」
 「そ!それは…」
 「違うのか?」
  ちゅっと可愛くキスする。
 「ン、あ、あれは、シザーが!」
  今更羞恥の極致に達して全身が熱くなる。顔を見られたくなくて後ろを向こうとすると、強く引き寄せられて唇を奪われる。噛みつくような欲情剥き出しのキスが嬉しくて震える。
 「んんん!ンふ…」
 「っん…俺が?」
  少しだけ唇を解放して言う。
 「中途半端に触るから…収まらなくて…シザー、なかなか帰ってこないし、私…」
 「ああ、俺が悪かった。風呂上りにククリに会って話しこんじまった」
 「わ、悪いとかじゃ」
 「だが嬉しかったぜ、お前があんなに俺を欲しがってくれて」
 「シザー…」
 「…すげえ興奮した」
 「もう…恥ずかしいよ」
 「本当なんだから仕方ねえ。ほら、思い出しただけで…」
  再び大きく怒張したモノを秘所に擦り付けられ、すぐにぬちゃぬちゃと蜜が絡まる。ピクピクと反応してしまう裸体を必死に抑える。
 「あぅん、あ、あぁ、きょうは、もう、だめぇ…」
 「ダメか?お前の膣内に挿いりてえ」
  シザーは腰を動かすのを止めない。水音は大きくなるばかりで擦れるたびに挿いりそうになる。
 「あ、あッ、だめ、動いたら、挿いっちゃう」
 「ここで止めたらまた半端になるぜ、な?1回だけ…」
 「はぅん…半端は、もう、やだぁ…」
 「だろ?挿れるぜ…」

  私たちは横向きで抱き合ったままもう1度繋がった。
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