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21話 スキルレベル4

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 翌朝、種を蒔いたまま採掘に行ってしまった事を反省しながら畑へ出た。その私の目に飛び込んできたのはリンゴ大になって鈴なりに実を付けているリトベリーだった…。

  リトベリーは見た目イチゴがまん丸になった感じで、味はラズベリーに近い。普通はMサイズのイチゴくらいだが…大きくなっちゃったな。実を一つ採って外の蛇口で洗って食べてみる。

 「美味しい…」
  こんなに大きいと大味になるかと思ったが、濃厚で瑞々しく、甘味と酸味のバランスが良い。今が一番熟しているかもしれない。あと一日でも置いたら実が落ちる気がした。手にしたリトベリーを食べてしまい、収穫を済ませる。これは連作のはずなのできちんと手入れをしておいて中へ入った。

  庭でシザーが日課のトレーニングをしている。そろそろ終わる頃かな?ふと思いついて今収穫したリトベリーで果実水を作ってみる事にした。今までは前の世界の料理ばかりで、料理スキルのレシピは見たことがなかった。果実水は初めてなので一応レシピを見て作る。そして出来上がった時、

  ポポーン

 今までとは違う電子音が鳴った。確認するとメッセージが出ている。

 《料理スキルがレベル4になりました》
 《技・レシピ発想を獲得しました》

  技?レシピ発想?食材に使うと何かひらめくって事かな…まあ使ってみなきゃ分からないよね。リトベリーで試そうか…

「何ぽやっとしてんだ?」
 「ひゃっ」
  いきなり耳元で声がして驚いて振り向くと、いつの間にかシザーが来ていた。私を閉じ込めるようにシンクに手を付いている。上半身裸だ。顔が熱くなるのが自分でもわかった。そんな私を見てニヤッと笑う。
 「…俺の裸なんか見慣れてるだろ」
 「だ、だって…」
 「だって、何だ?」
  シザーは分かって言ってる。トレーニングして汗で濡れた逞しい上半身、鬱陶しそうに髪をかき上げる仕草、夜の色気とは違ったカッコよさにいつも見惚れてしまう。
 「…いじわる」
 「ククッ、ナツメがいちいち可愛いから仕方ねえ」
  言いながら頬にキスする。
 「ん…もう…ね、果実水飲む?」
 「ん?珍しいな」
 「うん、さっき収穫したんだけど…コレ」
  リトベリーを出して見せる。
 「これ、リトベリーか?随分デカイな」
 「種蒔いたまま採掘に行っちゃって、さっき見たらこうなってた。味は良かったよ、だからシザーが嫌じゃなきゃこれでジャムとかお菓子作ろうと思って」
 「別に甘いのが嫌いって訳じゃねえぜ」
  一気に飲み干す。
 「甘いが酸味もある、結構好きだぜ、この味」
 「良かった」
 「ぽやっとしてたのはこれの事でか?」
 「あ、それは…」
  スキルの事を説明する。
 「レシピ発想か、使ってみたか?」
 「まだこれから」
 「とりあえず使ってみろよ」
 「うん」

  リトベリーを手に持ち、心の中で言う

 <レシピ発想>

  すると勝手にステータスが開き、Newマークの付いたレシピが表示された。ソース、ケーキ、パイ、など。おそらくここには無かったものだ。

  これは意外と便利かも。ここには見た目や名前では分からない食材もあった。それを使うのは今まで避けてきたが、これでどんな食材かが分かるようになる。また作れる物が増える。

 「良い技が手に入ったって感じか?」
  シザーが私の両頬を片手で挟む。
 「しょうじゃけじょ…ふぁなしてよ」
  抗議するとあっさり放す。
 「ニヤニヤしてるからだ。傍から見りゃ変な奴だぜ」
 「…そんな顔してた?」
 「ああ、してた。ビートの時と同じ顔」
 「…」
 「腹減った、飯にしようぜ」
 「うん…」
  ちょっとショックである。











 お昼が済んでからはギルドに納品する回復薬を作っていた。嬉しい事に売り切れたそうなので数は結構ある。だが初回ほどじゃないし、スキルレベルも3なので予想よりも早く終わりそうだった。

  残り僅かになったところでまた電子音。

  ポポーン

 《調合スキルがレベル4になりました》
  《技・レシピ発想を獲得しました》

  音もメッセージもさっきと同じだ。でもレシピ発想は調合の方が断然役に立つだろう。早速ニガリ草をボックスから出す。これは解析だと薬の材料、サラの本には痛み止めの効果があると書かれていた。

  <レシピ発想>

  分かったのは鎮痛薬と解熱薬だ。備考欄を見ると鎮痛薬は解熱、解熱薬は鎮痛にも効果あり、とある。
どちらの成分を強くするかによるのかもしれない。

  納品分の残りを終わらせてお茶を飲んでいると、シザーが帰ってきた。ラウムリザードの鱗で私の防具を作ると言って防具屋へ出かけていたのだ。何故か私は連れていってもらえなかった…。

  ドアまで行って出迎え、背伸びして少し屈んでくれるシザーの首に腕を回してキスする。

 「おかえり、シザー」
  そう言った瞬間、シザーの後ろにいるサラに気が付いた。
 「…」
  一瞬思考が停止してしまう。
 「ただいま。…ナツメ?」
  シザーに呼ばれてハッと我に返る。み、見られた!首に回したままだった腕を慌てて放す。
 「い、いらっしゃい、サラ」
 「ごめんね、その、急に来て」
 「い、いいの。大丈夫」
 「そう?よ、良かった」
  お互い俯きながら挨拶する。平気そうなのはシザーだけだ。
 「サラ、入ったらどうだ。話があるんだろ?俺はテラスで武器の手入れでもしてる」
  そう言ってさっさと行ってしまった。
 「入って、サラ」
 「ええ、おじゃまします」

  お茶を淹れて出し、自分も座る。

 「あの、ゴメンネ?シザーの影になってて気がつかなかった」
 「うふふ、いいの。2人の甘い生活が垣間見えたわ」
 「うう…言い返せない」
 「ポピーにも教えてあげなくちゃ」
 「ええ?止めてよ!」
 「あ、これ生地ね。黄色がポピーで白が私」
 「サラ!」
  私の抗議は流されてしまった…。

 「ねえ、話って?」
  少しの雑談の後、そう切り出すとサラは私に頭を下げて言った。
 「私に調合を教えて下さい」

  ギルドにポーションを納品しているもう一人はサラだった。セリさんが存命の頃はセリさんが全てを請け負っていたが、ある日急にサラに調合を教えると言い出した。理由を聞いても素質があるから、としか言わず、基本を聞いただけであとは教えてはもらえなかった。セリさんが亡くなってしまったから。

  セリさんが亡くなった影響はとても大きかった。何せ全てを一人でこなしていたのだ。鎮痛薬などの薬も作っていて、子供からお年寄りまでセリさんの薬にお世話になった人はとても多い。それにあまりにも急だった。数日寝込み、あっという間に逝ってしまった。ギルドでは何とか下級(スキル持ちではない人が作った物)の回復薬だけでも調達しようとしたがとても満足のいく数は揃わなかった。サラは口伝で聞いた調合を何度も何度も練習して、数か月かけてやっと店に出せる物にした。

 「でもマスターが倒れた時に力不足を痛感したの。スキルがなくても、少しでも良い物を作りたい。お願い、ナツメ」

  昨日材料を受け取った時、ちょうどポーションを補充していたので見せてもらった。それは下級ではあったが一定以上の効果がある良い品物だった。口伝で聞いた調合を自分で成功させ、一人で頑張ってきた。でもセクロさんは助けられず、急に私が現れる。私がサラの立場だったら?こんな風に言えるかな?サラって凄い。

 「分かった。一緒に作ろう」
 「…いいの?」
 「もちろん!」
 「ありがとうナツメ!」

  サラの休みに作る約束をし、外で見送ってから中に戻るとシザーがイスに座っていた。

 「ゴメンネ、テラスに追い出しちゃって。ありがと」
  チュッと軽くキスする。
 「…それじゃ足りねえ」
  そう言って私を引き寄せ、唇を重ねる。舌を吸われ、手がお尻を撫で始める。
 「んんっ、…ん、ふ、」
  唇が離れると、私を後ろ向きにして自分の膝を跨ぐように座らせる。シザーが足を広げると私はその上で開脚してしまう。恥ずかしくて閉じようとするがびくともしない。
 「あ、…いやぁ」
 「ダメだ。閉じるな」
  私の首筋をねっとりと舐めながらブラウスのボタンを外しててキャミも捲り、胸を露わにする。スカートを捲ってショーツも取る。秘所を曝されてビクン、と仰け反るとその拍子にぶるん、と揺れた胸を後ろから両手で鷲づかみにして揉まれ、声が漏れる。
 「あぁん、ン…あッ、は」
  秘所に手が伸びて割れ目を弄られて水音が響き、すでに濡れているのがばれてしまう。
 「もう濡らしてんのか?いやらしいな、ナツメは」
 「い、やぁ…あ、はぅん…言わな、いでぇ」
 「いいじゃねえか。可愛いぜ」
  入ってきた指に膣内を掻き回され、ぐちゅぐちゅと卑猥な音と共に嬌声を上げる。
 「んぁあン!あ、あッ、音、だめぇ…」
 「しょうがねえだろ?それだけ濡れてんだ」
  乳首をギュウッと捻られて身体が仰け反ると、お尻にシザーのモノが当たる。快感で震える手を伸ばしてパンパンに張った革の上から撫でる。
 「ぅあ、っは…ナツメ」
  苦しそうに呻くと猛ったそれを取り出し、私の手を導く。後ろ手に扱くと艶っぽい声を漏らしながら、止まっていた膣内の指で敏感なトコをグリグリと抉る。
 「あはぁ!あッ、んひぃ!」
 「手を休めるな」
 「あぁ!っん、だ、って、も、イッちゃう…」
 「やらねえとイカせねえ」
  と手を止めてしまう。
 「あ…やだぁ、いじわる」
 「してくれよ…お前の手は気持ちイイ」
  耳元で甘くねだられてゾクッとする。再び扱き始める。
 「ん…シザー…気持ちイイ?」
 「っあ、あ、ああ、イイぜ。ん、ほら、イッていいぜ」
  乳首と膣内を同時に激しく責められる。
 「あああん!イク、あッ、でちゃう、やぁん!シ、ザ、ひぁあああ!」
  シザーの上で開脚した身体をビクビクと痙攣させながら潮を吹いてイク。
 「あ…あ…」
  力が抜けてシザーに身体を預けると、抱き上げられてベッドへ運ばれる。
 「まだ寝るなよ?」
  そう言って自分のモノをあてがった。











 夕食を食べ始めたのはもう真っ暗になってからだった。聞かないようにしてくれていたらしいシザーに、サラに頼まれた話をする。

 「サラならスキルを取れる可能性もあると思う」
 「理由は」
 「昨日モーブさんのところで、ポーション見せてもらったの。それがサラが作ってた物だとは知らなかったけど、一定以上の効力のある良いものだった。口伝で聞いた調合を自分で完成させたサラなら出来る。そう思うの」
 「才能の神の加護か…」
 「え」
 「サラがスキルを取れたら加護の効果が分かるかもな」
 「可能性を芽吹かせる…」
 「ああ」
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