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縄張り争い(上)
第十話
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一方秋人達がいる場所から遠く離れた所で同時刻に他の大天狗の縄張りに同じように結界を張り、乗り込んだ栗郷蓮と彼の母、志織や栗郷家に仕える祓い屋達。
その彼らに襲いかかるのは赤い顔に長い鼻と、これぞ天狗と言うような容姿の大天狗とその眷属の天狗達。
「悪鬼、ここより消滅せしめよ急急如律令!!」
栗郷の放つ術は狗賓と言う狼の姿に黒い翼を持つ天狗を滅する。
しかしその奥から、大天狗が栗郷の前に飛んで来て、顔を大きな手で鷲掴みにする。
「………っ!!」
「蓮!!」
すぐさま志織や栗郷一派が大天狗に攻撃を仕掛けるが蓮を盾にされる。
だが、栗郷もここで殺られる程柔ではなく、鞘に収められた刀を抜き、大天狗の片翼を斬った。
「貴様っ……!!」
栗郷の持つその刀は利音に報酬として貰ったあの鬼神の妖刀だ。
「蓮、大丈夫か?」
「ああ………」
頭にかすり傷を負ったものの大きな怪我は無く、志織もほっと胸を撫で下ろした。
しかし、栗郷が翼を斬っても大天狗へのダメージもそれ程大きくもない。
それに大天狗の他にも狗賓や烏天狗達が栗郷達を囲み、一斉に襲い掛かってくる。
「クソッ!!
こんなん勝機はあんのかよ!!」
こんな少人数で大天狗らを倒せるのかと、天明道のやり方に疑問を抱く。
何故もっと人手を増やせないのか………
それもこの作戦もギリギリになって伝えられ、考える暇さえ与えてはくれなかった。
しかしいくら不信感を抱こうとも、この状況ではどう相手を倒すかしか考える事が出来ない。
「小童が、鬱陶しい!!」
「くっ……!!」
大天狗は薙刀を振り回し、それを栗郷が妖刀で防ぐ。
流石は大天狗で、防戦一方になるばかりで中々反撃出来る隙がない。
「どうした小童。
ワシを殺すのでは無かったか!?」
「っるせ………」
志織達は烏天狗、狗賓の集団の相手で精一杯で大天狗とは栗郷が一対一で圧倒的に不利な状況。
栗郷は大天狗の重たい一撃に後退する。
「終わりだな小童よ!!」
「蓮!!」
「くっ………!!」
大天狗の薙刀の切っ先が栗郷へと襲いかかる。
その彼らに襲いかかるのは赤い顔に長い鼻と、これぞ天狗と言うような容姿の大天狗とその眷属の天狗達。
「悪鬼、ここより消滅せしめよ急急如律令!!」
栗郷の放つ術は狗賓と言う狼の姿に黒い翼を持つ天狗を滅する。
しかしその奥から、大天狗が栗郷の前に飛んで来て、顔を大きな手で鷲掴みにする。
「………っ!!」
「蓮!!」
すぐさま志織や栗郷一派が大天狗に攻撃を仕掛けるが蓮を盾にされる。
だが、栗郷もここで殺られる程柔ではなく、鞘に収められた刀を抜き、大天狗の片翼を斬った。
「貴様っ……!!」
栗郷の持つその刀は利音に報酬として貰ったあの鬼神の妖刀だ。
「蓮、大丈夫か?」
「ああ………」
頭にかすり傷を負ったものの大きな怪我は無く、志織もほっと胸を撫で下ろした。
しかし、栗郷が翼を斬っても大天狗へのダメージもそれ程大きくもない。
それに大天狗の他にも狗賓や烏天狗達が栗郷達を囲み、一斉に襲い掛かってくる。
「クソッ!!
こんなん勝機はあんのかよ!!」
こんな少人数で大天狗らを倒せるのかと、天明道のやり方に疑問を抱く。
何故もっと人手を増やせないのか………
それもこの作戦もギリギリになって伝えられ、考える暇さえ与えてはくれなかった。
しかしいくら不信感を抱こうとも、この状況ではどう相手を倒すかしか考える事が出来ない。
「小童が、鬱陶しい!!」
「くっ……!!」
大天狗は薙刀を振り回し、それを栗郷が妖刀で防ぐ。
流石は大天狗で、防戦一方になるばかりで中々反撃出来る隙がない。
「どうした小童。
ワシを殺すのでは無かったか!?」
「っるせ………」
志織達は烏天狗、狗賓の集団の相手で精一杯で大天狗とは栗郷が一対一で圧倒的に不利な状況。
栗郷は大天狗の重たい一撃に後退する。
「終わりだな小童よ!!」
「蓮!!」
「くっ………!!」
大天狗の薙刀の切っ先が栗郷へと襲いかかる。
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