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温泉旅行(下)
第五話
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「俺はここにいるから真尋行ってきて」
具合の悪い利音はここに留まって、見回りは真尋に任せる事にした。
座敷わらしの少年も真尋に着いて来る。
その妖を見たことがあるのは少年だけだからだ。
二人きりになって真尋は少年に色々と質問した。
「ねぇ、ところで名前はなんて言うの?
俺は真尋。」
「おいらは虎雄です」
「虎雄!?」
男の子にしては可愛らしい外見をしていたので、まさかこんなに男らしい名前と思わず驚いた。
「はい。父ちゃんがとらのように強くなって欲しいからこの名前をつけたといってました」
「なるほど」
男らしい名前にはちゃんと理由があるんだなと思うが、やっぱりこの可愛い見た目には合わないと思うのだった。
「でもおいらはずっと体が弱くて、さいごまで強くなれませんでした。
父ちゃんの期待に答えらなかった……」
そう少年、虎雄は悲しげに話す。
「それに本当はおいらもお友達と外でいっぱい遊びたかった……」
なぜ彼が幼いままの姿でずっとここにいるのか、彼の無念や心残りが未だにここに縛り付けられてるんだなと、彼の話から垣間見える。
「あ、でも、ここに来るお客さんとか仲居さんたちがたまにいろいろなおもちゃを持ってきてくれるので楽しいです」
虎雄はそう笑って答えた。
彼にとってはここは居心地のいいところのようだ。
なのにそれを壊す妖が現れた。
何としてでも彼を守りたいと思った。
するとそこに足音が聞こえてきた。
まさか例の妖かと思ったが、現れたのは旅館のスタッフの女性だ。
「あら、こんな時間まで起きられてたんですか?」
「え、あ、はい………
えっと、折角旅館に来たんだから色々探検したいなぁと。
あと座敷わらしが出るって聞いたんで」
真尋はチラッと虎雄を見る。
本当は隣にその座敷わらしがいるのだが、女性は視えないようで色々話してくれた。
「ここはよく現れるんですよ。
お客様からは着物を着た子供を見たとか、寝ているときに子供の声や足音が聞こえたって仰られて……
私もね、誰もいないのに足音を聞いた事があるんですよ。
その後すぐに彼氏が出来て、その人と結婚して……
本当に座敷わらしいるみたいね」
女性はウキウキした様子で話してくれた。
すぐ近くにその座敷わらしがいるのに………
しかしとうの本人はよく分からないと言った表情で話を聞いていた。
具合の悪い利音はここに留まって、見回りは真尋に任せる事にした。
座敷わらしの少年も真尋に着いて来る。
その妖を見たことがあるのは少年だけだからだ。
二人きりになって真尋は少年に色々と質問した。
「ねぇ、ところで名前はなんて言うの?
俺は真尋。」
「おいらは虎雄です」
「虎雄!?」
男の子にしては可愛らしい外見をしていたので、まさかこんなに男らしい名前と思わず驚いた。
「はい。父ちゃんがとらのように強くなって欲しいからこの名前をつけたといってました」
「なるほど」
男らしい名前にはちゃんと理由があるんだなと思うが、やっぱりこの可愛い見た目には合わないと思うのだった。
「でもおいらはずっと体が弱くて、さいごまで強くなれませんでした。
父ちゃんの期待に答えらなかった……」
そう少年、虎雄は悲しげに話す。
「それに本当はおいらもお友達と外でいっぱい遊びたかった……」
なぜ彼が幼いままの姿でずっとここにいるのか、彼の無念や心残りが未だにここに縛り付けられてるんだなと、彼の話から垣間見える。
「あ、でも、ここに来るお客さんとか仲居さんたちがたまにいろいろなおもちゃを持ってきてくれるので楽しいです」
虎雄はそう笑って答えた。
彼にとってはここは居心地のいいところのようだ。
なのにそれを壊す妖が現れた。
何としてでも彼を守りたいと思った。
するとそこに足音が聞こえてきた。
まさか例の妖かと思ったが、現れたのは旅館のスタッフの女性だ。
「あら、こんな時間まで起きられてたんですか?」
「え、あ、はい………
えっと、折角旅館に来たんだから色々探検したいなぁと。
あと座敷わらしが出るって聞いたんで」
真尋はチラッと虎雄を見る。
本当は隣にその座敷わらしがいるのだが、女性は視えないようで色々話してくれた。
「ここはよく現れるんですよ。
お客様からは着物を着た子供を見たとか、寝ているときに子供の声や足音が聞こえたって仰られて……
私もね、誰もいないのに足音を聞いた事があるんですよ。
その後すぐに彼氏が出来て、その人と結婚して……
本当に座敷わらしいるみたいね」
女性はウキウキした様子で話してくれた。
すぐ近くにその座敷わらしがいるのに………
しかしとうの本人はよく分からないと言った表情で話を聞いていた。
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