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温泉旅行(下)
第二話
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目の前にいる着物を着た少年は座敷わらしなのだろうか……?
目を凝らしてみると確かに生きた人の気配はしないが、まさか自分の所に現れるとは思ってなかったので興奮した。
だって座敷わらしに会えば、幸運が訪れるとよく聞くではないか。
「あれ、でも座敷わらしって女の子じゃ………」
真尋の中では座敷わらしは女の子のイメージらしい。
しかしこの子はおそらく男の子だ。
「ねぇ、おにいさん」
すると座敷わらしらしき子供が真尋に話し掛けてくる。
「おにいさんは妖の力持ってるひとですよね?」
「え?うん………まぁ……」
少年は何だか深刻そうな顔をしている。
これは何かあるなと真尋は利音を起こす。
「利音さん起きて、座敷わらしさんが!!」
「ぅ~ん…………」
しかし利音はなかなか起きようとしない。
元々寝起きは良くない上にいつもより酒を飲んでいたので、そう簡単には起きてはくれない。
「り~お~と~さ~ん、起きて~」
「あ~もう何………」
耳元で呼ぶと漸く返事が返ってきた。
のそのそと起き上がり額を手で押さえる。
「利音さん座敷わらし!!
なんか聞いて欲しそうな感じなんです」
「ちょっとあんま大声出さないで。
頭痛い………」
現在夜中の1時。
どうやら利音は悪酔いしてしまったようで頭痛がする。
真尋は声のトーンを落として、座敷わらしの少年に何かあったの?と聞いた。
「……さいきん、変な妖がこのお家に入ってきてずっといっしょにいた女の子がたべられちゃったんだ」
「女の子が食べられた?」
どう言うことかと聞くと、その女の子も少年の話から察するに、同じ座敷わらしのようだ。
いつも仲良く、客室に遊びに行っては、お客さんやスタッフが持ち込んでくれるおもちゃで遊んでいたとのこと。
そんな中で突然知らない妖が入り込み、女の子を食べてしまったとの事。
この山の土地神のダイダラボッチに頼んでみても、聞いているのか聞いていないのか、ただただ山を徘徊してるだけ。
「他の妖は何もしないの?」
そんな悪い妖が現れたのなら他の妖が黙っていない気もするがと真尋は思う。
「ほかの妖はみんな外にいっちゃって……
お家にはおいらしかいない」
旅館の中にいる妖は現在、少年とその凶悪な妖しかいないと言う。
目を凝らしてみると確かに生きた人の気配はしないが、まさか自分の所に現れるとは思ってなかったので興奮した。
だって座敷わらしに会えば、幸運が訪れるとよく聞くではないか。
「あれ、でも座敷わらしって女の子じゃ………」
真尋の中では座敷わらしは女の子のイメージらしい。
しかしこの子はおそらく男の子だ。
「ねぇ、おにいさん」
すると座敷わらしらしき子供が真尋に話し掛けてくる。
「おにいさんは妖の力持ってるひとですよね?」
「え?うん………まぁ……」
少年は何だか深刻そうな顔をしている。
これは何かあるなと真尋は利音を起こす。
「利音さん起きて、座敷わらしさんが!!」
「ぅ~ん…………」
しかし利音はなかなか起きようとしない。
元々寝起きは良くない上にいつもより酒を飲んでいたので、そう簡単には起きてはくれない。
「り~お~と~さ~ん、起きて~」
「あ~もう何………」
耳元で呼ぶと漸く返事が返ってきた。
のそのそと起き上がり額を手で押さえる。
「利音さん座敷わらし!!
なんか聞いて欲しそうな感じなんです」
「ちょっとあんま大声出さないで。
頭痛い………」
現在夜中の1時。
どうやら利音は悪酔いしてしまったようで頭痛がする。
真尋は声のトーンを落として、座敷わらしの少年に何かあったの?と聞いた。
「……さいきん、変な妖がこのお家に入ってきてずっといっしょにいた女の子がたべられちゃったんだ」
「女の子が食べられた?」
どう言うことかと聞くと、その女の子も少年の話から察するに、同じ座敷わらしのようだ。
いつも仲良く、客室に遊びに行っては、お客さんやスタッフが持ち込んでくれるおもちゃで遊んでいたとのこと。
そんな中で突然知らない妖が入り込み、女の子を食べてしまったとの事。
この山の土地神のダイダラボッチに頼んでみても、聞いているのか聞いていないのか、ただただ山を徘徊してるだけ。
「他の妖は何もしないの?」
そんな悪い妖が現れたのなら他の妖が黙っていない気もするがと真尋は思う。
「ほかの妖はみんな外にいっちゃって……
お家にはおいらしかいない」
旅館の中にいる妖は現在、少年とその凶悪な妖しかいないと言う。
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