59 / 169
後日談
第一話
しおりを挟む
結局その後は四人で近場のファミレスでご飯を食べることになった。
沢山動いた後はご飯が進む。
ハンバーグセットを頼んだ真尋は腹が減っていた事もあり、夢中になって食べている。
そんな彼の隣で、利音は箸を止めた。
「んで、真尋は秋人さんとはどう言う関係?
天狗繋がりで親戚?」
聞きたいことが色々ある中で、先陣をきった利音。
まだ口の中にハンバーグが詰め込まれている真尋は水で押し流し、しかたないとばかりに話し始めた。
「まぁ、はい。
えっと、さっき話してた曽祖父です」
「曽祖父……
へぇ、この人が……」
利音の元へ来る前に一緒に暮らしていたと言う曽祖父はこの秋人の事だった。
曽祖父と言う割りに彼はとても若々しい。
知らなければ真尋の兄と言っても信じるだろう。
彼は確か妖と人との混血、半妖だ。
未だその若さでいるのも納得出来る。
秋人については正体が分かった利音は、今度は竜樹へ視線を向けた。
「じゃあ竜樹さんは何?
なんか混じってるでしょ?」
「ぶふっ……!!
ゲホッ……」
まさか自分の事を言われると思ってなかった竜樹は思わずむせてしまった。
何か混じってる……
図星である。
「そうだよ。
俺は所謂クォーター、祖父が樹妖だよ。
よく分かったね」
竜樹は祖父が木の妖、樹妖だ。
御神木だった祖父は残念ながら竜樹が生まれるずっと前に亡くなっている。
それに竜樹は妖の力はそれほど無いので、並みの能力者ならば竜樹に何か混じってるか気付くかどうか……
「え、竜樹さんって混血だったの?」
「え……いや言わなかったっけ?」
「え?」
竜樹が混血と今知ったと言う真尋。
真尋が10歳の頃から親交があり、混血だと伝えた筈の竜樹はショックを受ける。
真尋がこれなのだから、はっきり竜樹を混ざり者だと見抜いた利音はただ者ではない。
彼は一体何者だ……?
その疑問は竜樹の隣にいる秋人も同じだった。
「利音君、と言ったか……
真尋がいつも世話になってるね。
ただ私は君が骨董屋の店主としか聞いていないが、それだけでは無いだろう?
何者だ?」
秋人の目付きは疑心を抱くように鋭くなる。
そりぁあそうだろう。
可愛いひ孫が正体不明の人物の元で暮らしているのだから、彼を見る目は厳しくなる。
沢山動いた後はご飯が進む。
ハンバーグセットを頼んだ真尋は腹が減っていた事もあり、夢中になって食べている。
そんな彼の隣で、利音は箸を止めた。
「んで、真尋は秋人さんとはどう言う関係?
天狗繋がりで親戚?」
聞きたいことが色々ある中で、先陣をきった利音。
まだ口の中にハンバーグが詰め込まれている真尋は水で押し流し、しかたないとばかりに話し始めた。
「まぁ、はい。
えっと、さっき話してた曽祖父です」
「曽祖父……
へぇ、この人が……」
利音の元へ来る前に一緒に暮らしていたと言う曽祖父はこの秋人の事だった。
曽祖父と言う割りに彼はとても若々しい。
知らなければ真尋の兄と言っても信じるだろう。
彼は確か妖と人との混血、半妖だ。
未だその若さでいるのも納得出来る。
秋人については正体が分かった利音は、今度は竜樹へ視線を向けた。
「じゃあ竜樹さんは何?
なんか混じってるでしょ?」
「ぶふっ……!!
ゲホッ……」
まさか自分の事を言われると思ってなかった竜樹は思わずむせてしまった。
何か混じってる……
図星である。
「そうだよ。
俺は所謂クォーター、祖父が樹妖だよ。
よく分かったね」
竜樹は祖父が木の妖、樹妖だ。
御神木だった祖父は残念ながら竜樹が生まれるずっと前に亡くなっている。
それに竜樹は妖の力はそれほど無いので、並みの能力者ならば竜樹に何か混じってるか気付くかどうか……
「え、竜樹さんって混血だったの?」
「え……いや言わなかったっけ?」
「え?」
竜樹が混血と今知ったと言う真尋。
真尋が10歳の頃から親交があり、混血だと伝えた筈の竜樹はショックを受ける。
真尋がこれなのだから、はっきり竜樹を混ざり者だと見抜いた利音はただ者ではない。
彼は一体何者だ……?
その疑問は竜樹の隣にいる秋人も同じだった。
「利音君、と言ったか……
真尋がいつも世話になってるね。
ただ私は君が骨董屋の店主としか聞いていないが、それだけでは無いだろう?
何者だ?」
秋人の目付きは疑心を抱くように鋭くなる。
そりぁあそうだろう。
可愛いひ孫が正体不明の人物の元で暮らしているのだから、彼を見る目は厳しくなる。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。
I do all!
天音 ユウ
キャラ文芸
設立一年の芸能事務所、ジュエリーガーデンプロモーション。ここには十人の新人アイドルが所属している。
しかし、まだ芸歴一年にも満たない彼女たちはヒヨっ子、夢の舞台は程遠い。
そこで社長が提案したのは、年の瀬に開催される大型ユニットオーディション「Brand New Duo」への全員出場だった。
条件は二人一組のユニットを「自分たちで」結成すること。夢に向かって走るため、オーディションでトップを取れ!
限界集落で暮らす女子中学生のお仕事はどうやらあやかし退治らしいのです 第一部 中学一年生編
釈 余白(しやく)
キャラ文芸
現代日本と不釣り合いなとある山奥には、神社を中心とする妖討伐の一族が暮らす村があった。その一族を率いる櫛田八早月(くしだ やよい)は、わずか八歳で跡目を継いだ神職の巫(かんなぎ)である。その八早月はこの春いよいよ中学生となり少し離れた町の中学校へ通うことになった。
妖退治と変わった風習に囲まれ育った八早月は、初めて体験する普通の生活を想像し胸を高鳴らせていた。きっと今まで見たこともないものや未体験なこと、知らないことにも沢山触れるに違いないと。
この物語は、ちょっと変わった幼少期を経て中学生になった少女の、非日常的な日常を中心とした体験を綴ったものです。一体どんな日々が待ち受けているのでしょう。
※外伝
・限界集落で暮らす専業主婦のお仕事は『今も』あやかし退治なのです
https://www.alphapolis.co.jp/novel/398438394/874873298
※当作品は完全なフィクションです。
登場する人物、地名、、法人名、行事名、その他すべての固有名詞は創作物ですので、もし同名な人や物が有り迷惑である場合はご連絡ください。
事前に実在のものと被らないか調べてはおりますが完全とは言い切れません。
当然各地の伝統文化や催事などを貶める意図もございませんが、万一似通ったものがあり問題だとお感じになられた場合はご容赦ください。
チュートリアル場所でLv9999になっちゃいました。
ss
ファンタジー
これは、ひょんなことから異世界へと飛ばされた青年の物語である。
高校三年生の竹林 健(たけばやし たける)を含めた地球人100名がなんらかの力により異世界で過ごすことを要求される。
そんな中、安全地帯と呼ばれている最初のリスポーン地点の「チュートリアル場所」で主人公 健はあるスキルによりレベルがMAXまで到達した。
そして、チュートリアル場所で出会った一人の青年 相斗と一緒に異世界へと身を乗り出す。
弱体した異世界を救うために二人は立ち上がる。
※基本的には毎日7時投稿です。作者は気まぐれなのであくまで目安くらいに思ってください。設定はかなりガバガバしようですので、暖かい目で見てくれたら嬉しいです。
※コメントはあんまり見れないかもしれません。ランキングが上がっていたら、報告していただいたら嬉しいです。
Hotランキング 1位
ファンタジーランキング 1位
人気ランキング 2位
100000Pt達成!!
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
羽海汐遠
ファンタジー
最強の魔王ソフィが支配するアレルバレルの地。
彼はこの地で数千年に渡り統治を続けてきたが、圧政だと言い張る勇者マリスたちが立ち上がり、魔王城に攻め込んでくる。
残すは魔王ソフィのみとなった事で勇者たちは勝利を確信するが、肝心の魔王ソフィに全く歯が立たず、片手であっさりと勇者たちはやられてしまう。そんな中で勇者パーティの一人、賢者リルトマーカが取り出したマジックアイテムで、一度だけ奇跡を起こすと言われる『根源の玉』を使われて、魔王ソフィは異世界へと飛ばされてしまうのだった。
最強の魔王は新たな世界に降り立ち、冒険者ギルドに所属する。
そして最強の魔王は、この新たな世界でかつて諦めた願いを再び抱き始める。
彼の願いとはソフィ自身に敗北を与えられる程の強さを持つ至高の存在と出会い、そして全力で戦った上で可能であれば、その至高の相手に完膚なきまでに叩き潰された後に敵わないと思わせて欲しいという願いである。
人間を愛する優しき魔王は、その強さ故に孤独を感じる。
彼の願望である至高の存在に、果たして巡り合うことが出来るのだろうか。
『カクヨム』
2021.3『第六回カクヨムコンテスト』最終選考作品。
2024.3『MFブックス10周年記念小説コンテスト』最終選考作品。
『小説家になろう』
2024.9『累計PV1800万回』達成作品。
※出来るだけ、毎日投稿を心掛けています。
小説家になろう様 https://ncode.syosetu.com/n4450fx/
カクヨム様 https://kakuyomu.jp/works/1177354054896551796
ノベルバ様 https://novelba.com/indies/works/932709
ノベルアッププラス様 https://novelup.plus/story/998963655
あやかし古民家暮らし-ゆるっとカップル、田舎で生きなおしてみる-
橘花やよい
キャラ文芸
「怖がられるから、秘密にしないと」
会社員の穂乃花は生まれつき、あやかしと呼ばれるだろう変なものを見る体質だった。そのために他人と距離を置いて暮らしていたのに、恋人である雪斗の母親に秘密を知られ、案の定怖がられてしまう。このままだと結婚できないかもと悩んでいると「気分転換に引っ越ししない?」と雪斗の誘いがかかった。引っ越し先は、恋人の祖父母が住んでいた田舎の山中。そこには賑やかご近所さんがたくさんいるようで、だんだんと田舎暮らしが気に入って――……。
これは、どこかにひっそりとあるかもしれない、ちょっとおかしくて優しい日常のお話。
エブリスタに投稿している「穂乃花さんは、おかしな隣人と戯れる。」の改稿版です。
表紙はてんぱる様のフリー素材を使用させていただきました。
100000累計pt突破!アルファポリスの収益 確定スコア 見込みスコアについて
ちゃぼ茶
エッセイ・ノンフィクション
皆様が気になる(ちゃぼ茶も)収益や確定スコア、見込みスコアについてわかる範囲、推測や経験談も含めて記してみました。参考になれればと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる