貧乏αと金持ちΩ

吉良鳥一

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友達とは……

第六話

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「ねぇ宮市君、今日もバイト?」

 この日の放課後の教室で渚のクラスメイトの女の子グループに声を掛けられた。

「いや、今日は無い」

 渚が今日はバイトは無いと知ると、女の子達の目の色が変わる。

「じゃあこの後遊びに行こうよ」

 渚を囲んで遊びに誘うが、渚は苦笑いをする。

「あ~ごめん。
早く家帰ってご飯作らなきゃ」

「え~そうなの?
でも宮市君って偉いよね~」

「そう?ありがと」

 早く帰らないといけないと言っても中々解放してくれない。
 それどころかこんなことまで言い出す女の子まで現れる。  

「私がご飯作りに行ってあげようか?」

「え?」

「私小さい子供だし、相手してあげられるよ?」

「いや、それは流石に悪いから……」

「そんなこと無いよ~」

 流石にそれは嫌だ、とは言えず悪いからと断るも彼女達は中々引いてくれない。
 仕方無いので奥の手で逃げることにする

「あ~ごめん弟から電話だ。
早く帰らなきゃ」

「あ~待ってよ宮市君!!」

 後ろから引き留められるも、強行突破で学校を出た。
 本当は弟から電話なんて嘘だ。
 しかし嘘も方便で、こうでもしないといつまでも解放してくれないので仕方無い。

「あ、もしもし」

 学校を出てすぐ電話を掛けた相手、それは……

『もしもしナギ』

「ごめんカナちゃん、遅くなるかも」

 貴重なバイト休みの日。
 そんな日の放課後に会うのはもっぱら叶芽だけ。
 彼といるのが一番楽しいし、バイトの事や、家の事も理解してくれているから、自分が会えるペースに合わせてくれるので、気が楽だ。

 それでもわざわざこちらの都合に付き合わせているのは申し訳なく思うが、叶芽は別にいいよと言ってくれる。

「あ、ナギ~!!」

「カナちゃん、ごめん遅くなった」

「大丈夫、ちょっとしか待ってない」

 そう笑顔で迎えてくれるとホッとする自分がいる。
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