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再会
第十一話
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迎えに行こうかと言う渚に叶芽は少し考えて、ここに来られると佑真にバレる恐れがあるので、ここから近い駅で待ち合わせをする事にした。
駅まで小走りで向かう。
しかし彼はまだ来ていないようだ。
暫く待っていると後ろから肩にポンと手を置かれた。
ビクッと肩を震わせながら後ろを振り向くと人差し指が叶芽の頬をムニッと触れた。
その様子を笑いながらお待たせと制服姿の渚が現れた。
「頬っぺたつつかないで下さい」
「だって可愛いから」
むくれる叶芽をからかいながらごめんねと謝るが、全然悪いとは思っていない。
しかしながら渚の制服姿は初めて見た。
紺色のブレザーに黒のズボン。
「ナギって本当に高校生なんだ」
「何それどういう意味?」
「いや、大人っぽいからもしかして成人してるのかと……」
「え~それって老けてるってこと?」
「いや違うって!!
俺と1個しか違わないの理不尽過ぎると思って」
叶芽より1学年上の彼。
それなのに自分とは身長も男らしさも1学年よりずっと大きな差がある。
理不尽だ。
「カナちゃんは可愛いからいいんだよ」
「可愛くない」
そう言ってまたむくれる。
2人ともだいぶ打ち解けて、互いに「カナちゃん」「ナギ」と呼ぶようになっていた。
「って言うかさ、カナちゃんのこの制服って……」
何処かで見覚えがあると渚は思うが、何処だったかは思い出せない。
「え~と、一応聖雷に通ってます」
「聖雷!?あの聖雷!?」
「まぁ、多分あの聖雷」
叶芽の通う聖雷高校はとても有名だ。
偏差値も高いが、何より金持ちが通うような学校である。
「凄いね。ちょっと驚いた」
叶芽はこの顔立ちから一見クールな印象だが、実際はのほほんとした不思議ちゃんなので、そんな名門校の生徒とは思わなかった。
それに聖雷と言えばαが多い学校だ。
Ωの彼がそんなところへ行っているのが信じられなかった。
駅まで小走りで向かう。
しかし彼はまだ来ていないようだ。
暫く待っていると後ろから肩にポンと手を置かれた。
ビクッと肩を震わせながら後ろを振り向くと人差し指が叶芽の頬をムニッと触れた。
その様子を笑いながらお待たせと制服姿の渚が現れた。
「頬っぺたつつかないで下さい」
「だって可愛いから」
むくれる叶芽をからかいながらごめんねと謝るが、全然悪いとは思っていない。
しかしながら渚の制服姿は初めて見た。
紺色のブレザーに黒のズボン。
「ナギって本当に高校生なんだ」
「何それどういう意味?」
「いや、大人っぽいからもしかして成人してるのかと……」
「え~それって老けてるってこと?」
「いや違うって!!
俺と1個しか違わないの理不尽過ぎると思って」
叶芽より1学年上の彼。
それなのに自分とは身長も男らしさも1学年よりずっと大きな差がある。
理不尽だ。
「カナちゃんは可愛いからいいんだよ」
「可愛くない」
そう言ってまたむくれる。
2人ともだいぶ打ち解けて、互いに「カナちゃん」「ナギ」と呼ぶようになっていた。
「って言うかさ、カナちゃんのこの制服って……」
何処かで見覚えがあると渚は思うが、何処だったかは思い出せない。
「え~と、一応聖雷に通ってます」
「聖雷!?あの聖雷!?」
「まぁ、多分あの聖雷」
叶芽の通う聖雷高校はとても有名だ。
偏差値も高いが、何より金持ちが通うような学校である。
「凄いね。ちょっと驚いた」
叶芽はこの顔立ちから一見クールな印象だが、実際はのほほんとした不思議ちゃんなので、そんな名門校の生徒とは思わなかった。
それに聖雷と言えばαが多い学校だ。
Ωの彼がそんなところへ行っているのが信じられなかった。
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