3 / 68
プロローグ
第三話
しおりを挟む
叶芽はΩである。
だからと言って別に悲観してはいない。
ただΩだからか、高校での友達は幼馴染みの佑真しかいなかった。
しかしながら佑真だけいれば別に友達が欲しいとは今は思わない。
校舎を出て駐車場へ着くとそこには金持ち校らしく高級車がずらりと並んでいた。
その中の一台の車の横に立っているスーツを着た男性が2人を見つけるや否や、スッと後部座席のドアを開けた。
「お帰りなさいませ、佑真さん、叶芽さん」
両親もαの佑真の家は資産家であり、学校に通うにあたっては運転手を雇い送り迎えをして貰っている。
そして家が近い叶芽もついでに一緒に乗せて貰っている。
「着いたぞ」
「ん……」
疲れて佑真の肩にもたれ掛かって寝ていた叶芽は家に着いたと起こされ、眠い目を擦りながら車を出た。
「じゃ、また日曜な」
「ん、またね」
佑真を乗せた車はゆっくりと走りだし、すぐ目と鼻の先の大きな屋敷に入っていったのを見送った叶芽も自分の家に入ろうと見上げる先は、とんでもなく大きな家だった。
叶芽はそこにただいまーと元気よく入っていく。
「お帰りなさい」
「ただいま、あやたん」
出迎えたこの若い男性は、この家の家政夫の緑川斐紹だ。
広い玄関から広い廊下を突き抜け、ドアを開けた先はまた広いリビングが待っていた。
「お帰り」
「母ちゃんただいま」
二階へ続く階段から悠々と降りてきた叶芽の母親だが、れっきとした"男"だ。
柊千歳と言う叶芽とそっくりな母親のうなじには、くっきりと歯形が見える。
彼もまた叶芽と同じΩだ。
「そうだ、日曜佑真と出掛ける約束したから」
「そうか」
叶芽が幼い頃から仲良くしてくれる佑真は千歳にとっては心強い息子の友人である。
出来ることなら叶芽の番相手は彼がいいなんて勝手に妄想までしていた。
だからと言って別に悲観してはいない。
ただΩだからか、高校での友達は幼馴染みの佑真しかいなかった。
しかしながら佑真だけいれば別に友達が欲しいとは今は思わない。
校舎を出て駐車場へ着くとそこには金持ち校らしく高級車がずらりと並んでいた。
その中の一台の車の横に立っているスーツを着た男性が2人を見つけるや否や、スッと後部座席のドアを開けた。
「お帰りなさいませ、佑真さん、叶芽さん」
両親もαの佑真の家は資産家であり、学校に通うにあたっては運転手を雇い送り迎えをして貰っている。
そして家が近い叶芽もついでに一緒に乗せて貰っている。
「着いたぞ」
「ん……」
疲れて佑真の肩にもたれ掛かって寝ていた叶芽は家に着いたと起こされ、眠い目を擦りながら車を出た。
「じゃ、また日曜な」
「ん、またね」
佑真を乗せた車はゆっくりと走りだし、すぐ目と鼻の先の大きな屋敷に入っていったのを見送った叶芽も自分の家に入ろうと見上げる先は、とんでもなく大きな家だった。
叶芽はそこにただいまーと元気よく入っていく。
「お帰りなさい」
「ただいま、あやたん」
出迎えたこの若い男性は、この家の家政夫の緑川斐紹だ。
広い玄関から広い廊下を突き抜け、ドアを開けた先はまた広いリビングが待っていた。
「お帰り」
「母ちゃんただいま」
二階へ続く階段から悠々と降りてきた叶芽の母親だが、れっきとした"男"だ。
柊千歳と言う叶芽とそっくりな母親のうなじには、くっきりと歯形が見える。
彼もまた叶芽と同じΩだ。
「そうだ、日曜佑真と出掛ける約束したから」
「そうか」
叶芽が幼い頃から仲良くしてくれる佑真は千歳にとっては心強い息子の友人である。
出来ることなら叶芽の番相手は彼がいいなんて勝手に妄想までしていた。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
病み男子
迷空哀路
BL
〈病み男子〉
無気力系主人公『光太郎』と、4つのタイプの病み男子達の日常
病み男子No.1
社会を恨み、自分も恨む。唯一心の支えは主人公だが、簡単に素直にもなれない。誰よりも寂しがり。
病み男子No.2
可愛いものとキラキラしたものしか目に入らない。溺れたら一直線で、死ぬまで溺れ続ける。邪魔するものは許せない。
病み男子No.3
細かい部分まで全て知っていたい。把握することが何よりの幸せ。失敗すると立ち直るまでの時間が長い。周りには気づかれないようにしてきたが、実は不器用な一面もある。
病み男子No.4
神の導きによって主人公へ辿り着いた。神と同等以上の存在である主を世界で一番尊いものとしている。
蔑まれて当然の存在だと自覚しているので、酷い言葉をかけられると安心する。主人公はサディストではないので頭を悩ませることもあるが、そのことには全く気づいていない。
【R18】孕まぬΩは皆の玩具【完結】
海林檎
BL
子宮はあるのに卵巣が存在しない。
発情期はあるのに妊娠ができない。
番を作ることさえ叶わない。
そんなΩとして生まれた少年の生活は
荒んだものでした。
親には疎まれ味方なんて居ない。
「子供できないとか発散にはちょうどいいじゃん」
少年達はそう言って玩具にしました。
誰も救えない
誰も救ってくれない
いっそ消えてしまった方が楽だ。
旧校舎の屋上に行った時に出会ったのは
「噂の玩具君だろ?」
陽キャの三年生でした。
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
俺たちの××
怜悧(サトシ)
BL
美形ドS×最強不良 幼馴染み ヤンキー受 男前受 ※R18
地元じゃ敵なしの幼馴染みコンビ。
ある日、最強と呼ばれている俺が普通に部屋でAV鑑賞をしていたら、殴られ、信頼していた相棒に監禁されるハメになったが……。
18R 高校生、不良受、拘束、監禁、鬼畜、SM、モブレあり
※は18R (注)はスカトロジーあり♡
表紙は藤岡さんより♡
■長谷川 東流(17歳)
182cm 78kg
脱色しすぎで灰色の髪の毛、硬めのツンツンヘア、切れ長のキツイツリ目。
喧嘩は強すぎて敵う相手はなし。進学校の北高に通ってはいるが、万年赤点。思考回路は単純、天然。
子供の頃から美少年だった康史を守るうちにいつの間にか地元の喧嘩王と呼ばれ、北高の鬼のハセガワと周囲では恐れられている。(アダ名はあまり呼ばれてないが鬼平)
■日高康史(18歳)
175cm 69kg
東流の相棒。赤茶色の天然パーマ、タレ目に泣きボクロ。かなりの美形で、東流が一緒にいないときはよくモデル事務所などにスカウトなどされるほど。
小さいころから一途に東流を思ってきたが、ついに爆発。
SM拘束物フェチ。
周りからはイケメン王子と呼ばれているが、脳内変態のため、いろいろかなり残念王子。
■野口誠士(18歳)
185cm 74kg
2人の親友。
角刈りで黒髪。無骨そうだが、基本軽い。
空手の国体選手。スポーツマンだがいろいろ寛容。
βの僕、激強αのせいでΩにされた話
ずー子
BL
オメガバース。BL。主人公君はβ→Ω。
αに言い寄られるがβなので相手にせず、Ωの優等生に片想いをしている。それがαにバレて色々あってΩになっちゃう話です。
β(Ω)視点→α視点。アレな感じですが、ちゃんとラブラブエッチです。
他の小説サイトにも登録してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる