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絵画

第二話

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 すると今度はエギリルがケイの描いたシルヴァの絵に注目した。

「この絵はどんな絵の具を使ったのかと聞いている」

 ノイルの通訳の元でエギリルが質問する。

「いや絵の具じゃない。
色鉛筆だ」

 そう言ってケイは色鉛筆を見せた。
 どうやらこの世界には鉛筆と言うものも存在しないようなのでこちらに来てからはあまり使用していない。

 エギリルは色鉛筆を興味深そうに見ており、芯を少しだけ削ってもいいかと聞かれたので大丈夫だと答えると、彼は少しだけ削って掌に乗せ臭いを嗅いだかと思えばパクリと口に入れた。

「おい、何してんだよ!!」

 口に入れない方がいいと訴えても、問題ないと何故か断言された。
 問題ないことはないと思うが……
 きっと良い子はマネしてはいけない。

 エギリルは味わいながら何やら頷いたりとこの人はよく分からない。

「それにしてもこの絵は美しいと仰っている」

 エギリルはケイの絵に感心していた。

「まぁでももっと時間掛ければもっと綺麗に仕上がるんだけどな。
こっちに色鉛筆は無い見たいだから使うのは勿体無く思って……」

 そう言うとエギリルはケイの思ってもいない言葉を口にする。

「なるべく早く完成させるからもう少しだけ待っていて欲しいとエギリル殿が……」

「え?」

 彼は色鉛筆を作るつもりだ。
 それとケイの持ってきたアクリル絵の具にも興味を抱き、色鉛筆と同じように臭いを嗅ぎ少量を口に含んだ。
 そして筆に少し取り、紙に試し塗りもしていた。

 アクリル絵の具も彼は作る気のようで、ケイを質問攻めしていた。
 他にもどのような画材が存在するのかも聞かれるが、原料などあまり考えず使っていたので説明出来ず、今更ながらちゃんと知っておきたかったなと思う。
 



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