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王宮

第三話

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ガビラビ……
確か馬車を引いていたあの大トカゲの名前だった気がする。

まさか今食べている肉はそのトカゲだと言うのか!?

「ガビラビってあのトカゲの事か?」

「トカゲ……
ああ、トカゲだな」

トカゲの単語の意味に何だっけと首を捻ったノイルだが、すぐガビラビの事を言っているのだと理解し頷いた。

「ガビラビは車を引く移動手段ダケではなく、食用としても使われるが、マズかったか?」

眉間に皺を寄せるケイに不安気に聞くノイルに慌てて否定する。

「味は美味いよ。
うん……」

ただトカゲを食べたことの無いケイにとっては少々気持ち悪くなってしまった。
まぁ味はいいのだが、聞かなきゃよかったと後悔した。

残すもの悪いので何も考えず最後まで食べきった。
と言うか何故トカゲならば食べたく無いと思うのか、何故牛や豚、鶏ならいいのか改めて考えるが、結局分からない。

昆虫食と言うのがあり、栄養もあり美味しいと聞くが、それでも餓死寸前になるくらいまでは食べないだろうなと思う。
いや、食べるくらいなら餓死を選ぶかもしれない。

だが、虫と似た海老はどうだ?
大歓迎だろう。
一体何が違うと言うんだ?

用は慣れだ。
最初からそれを食べていれば何も考えず、美味しいと食べるだろう。
食わず嫌い。
正にそれだなと今実感する。

それに料理を作ってくれた人に申し訳ない。

食後は風呂に連れていかれた。
メイド達が脱衣場にまで着いてきたり、服を脱ぐのも手伝おうとしてくるので拒否するとやっと出ていってくれた。

こんなところまで世話されるなんて冗談じゃないとケイは湯船に浸かった。
バスタブの形は向こうの世界とは違いボウル型だ。

だが、この世界こちらでも風呂に入れるのだと少し安心した。
まぁ宿屋ではお湯が入った大きなバケツから少しずつかけ流すだけだったのだが……
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