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ケルティマ王国
第四話
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スーツケースはどこへ行った?
ケイにとっては大切な物だ。
ケイは慌てて部屋の中へ戻り、ノイルを見つけると、詰め寄った。
「俺の、絵の具とか色々などこやった?」
「絵の具……何だ?」
「だから、この世界に来たとき持ってた荷物に、絵の具とか筆とか色鉛筆とかあった筈だ。
何処にやった?」
「絵の具……
お前のニモツならば俺が預かっている。
あとで持ってこさせる」
ケイが持っていた荷物は彼を最初に保護したときに保管していた。
取り敢えず失くしてはいなかった事に安堵した。
それからケイは疲れてベッドに横たわる。
正直色々ありすぎてキャパオーバーだ。
だから暫く一人になりたいとノイルとシルヴァには部屋から出てもらった。
しかしこのだだっ広い部屋は落ち着かない。
ベッドも広く、天蓋付きなのも自分には不相応な感じがする。
「でも疲れた……」
考えなければいけないことは山程あるが、今はもう疲れ果て頭も回らない。
面倒だと、考えることを放棄して眠りに着いた。
一方シルヴァは宮殿にいた。
大きな柱が並ぶ広い廊下を進むと大きな扉がある。
その傍らには二人のギャペラがおり、シルヴァに敬礼するとその扉を二人がかりで開いた。
その向こうには荘厳な玉座の間が広がる。
そして最奥の玉座にはシルヴァとよく似たホワイトタイガーの男性が座っている。
その前でシルヴァは膝をつく。
「お久しゅうございます陛下。
ニ年ぶりでしょうか?」
笑みを浮かべるシルヴァとは対照的に目の前の男は眉を顰めた。
ケイにとっては大切な物だ。
ケイは慌てて部屋の中へ戻り、ノイルを見つけると、詰め寄った。
「俺の、絵の具とか色々などこやった?」
「絵の具……何だ?」
「だから、この世界に来たとき持ってた荷物に、絵の具とか筆とか色鉛筆とかあった筈だ。
何処にやった?」
「絵の具……
お前のニモツならば俺が預かっている。
あとで持ってこさせる」
ケイが持っていた荷物は彼を最初に保護したときに保管していた。
取り敢えず失くしてはいなかった事に安堵した。
それからケイは疲れてベッドに横たわる。
正直色々ありすぎてキャパオーバーだ。
だから暫く一人になりたいとノイルとシルヴァには部屋から出てもらった。
しかしこのだだっ広い部屋は落ち着かない。
ベッドも広く、天蓋付きなのも自分には不相応な感じがする。
「でも疲れた……」
考えなければいけないことは山程あるが、今はもう疲れ果て頭も回らない。
面倒だと、考えることを放棄して眠りに着いた。
一方シルヴァは宮殿にいた。
大きな柱が並ぶ広い廊下を進むと大きな扉がある。
その傍らには二人のギャペラがおり、シルヴァに敬礼するとその扉を二人がかりで開いた。
その向こうには荘厳な玉座の間が広がる。
そして最奥の玉座にはシルヴァとよく似たホワイトタイガーの男性が座っている。
その前でシルヴァは膝をつく。
「お久しゅうございます陛下。
ニ年ぶりでしょうか?」
笑みを浮かべるシルヴァとは対照的に目の前の男は眉を顰めた。
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