27 / 92
未知
第二話
しおりを挟む
お互いの名前を知れた所でシルヴァはニヤリと笑みを浮かべると、ケイの唇へキスした。
一瞬だけの触れるキスだけだったがシルヴァは満足気に鼻をふんと鳴らし、ケイから離れていった。
「何なんだよあいつっ」
誂われているように感じ苛立ちを顕にしていると、パサッと何かをこちらに投げ込まれた。
「な、何……」
感触から布の様で広げてみると、それはこちらの世界の服装だった。
「*****」
「……着替えろって?」
確かに今着ている服では目立ってしまう。
彼なりに配慮してくれたのだろう。
「ありがとう、助かる。」
日本語でお礼を言うとニッと口角を上げた。
どうやら"ありがとう"の意味は覚えてくれたらしい。
早速着替えてみた。
インナーは白で、ズボンと膝丈まであるフー ド付きの上着は黒だ。
姿見がないので変ではないか分からないが、まぁ着られれば何でもいい。
着替え終わるとシルヴァはいつの間にか身支度をしており、宿から出るのだと理解する。
行く宛てのないケイはどうしようか考えていると、シルヴァは当たり前のようにケイを連れていこうとする。
もしかしてまたノイルと同じ様に自分を売ろうとしているのではないかと疑ってしまうが、キスまでするような男がそんなことするだろうか?
いや、騙されてはいけない……
しかし他に行くところもないし、何よりこの世界の事はほとんど分からない。
いざとなれば獣の姿になって逃げればいい。
それまでは利用させて貰うと、ケイは彼に着いていくことにした。
一瞬だけの触れるキスだけだったがシルヴァは満足気に鼻をふんと鳴らし、ケイから離れていった。
「何なんだよあいつっ」
誂われているように感じ苛立ちを顕にしていると、パサッと何かをこちらに投げ込まれた。
「な、何……」
感触から布の様で広げてみると、それはこちらの世界の服装だった。
「*****」
「……着替えろって?」
確かに今着ている服では目立ってしまう。
彼なりに配慮してくれたのだろう。
「ありがとう、助かる。」
日本語でお礼を言うとニッと口角を上げた。
どうやら"ありがとう"の意味は覚えてくれたらしい。
早速着替えてみた。
インナーは白で、ズボンと膝丈まであるフー ド付きの上着は黒だ。
姿見がないので変ではないか分からないが、まぁ着られれば何でもいい。
着替え終わるとシルヴァはいつの間にか身支度をしており、宿から出るのだと理解する。
行く宛てのないケイはどうしようか考えていると、シルヴァは当たり前のようにケイを連れていこうとする。
もしかしてまたノイルと同じ様に自分を売ろうとしているのではないかと疑ってしまうが、キスまでするような男がそんなことするだろうか?
いや、騙されてはいけない……
しかし他に行くところもないし、何よりこの世界の事はほとんど分からない。
いざとなれば獣の姿になって逃げればいい。
それまでは利用させて貰うと、ケイは彼に着いていくことにした。
1
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
神官、触手育成の神託を受ける
彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。
(誤字脱字報告不要)
社畜サラリーマン、異世界で竜帝陛下のペットになる
ひよこ麺
BL
30歳の誕生日を深夜のオフィスで迎えた生粋の社畜サラリーマン、立花志鶴(たちばな しづる)。家庭の都合で誰かに助けを求めることが苦手な志鶴がひとり涙を流していた時、誰かの呼び声と共にパソコンが光り輝き、奇妙な世界に召喚されてしまう。
その世界は人類よりも高度な種族である竜人とそれに従うもの達が支配する世界でその世界で一番偉い竜帝陛下のラムセス様に『可愛い子ちゃん』と呼ばれて溺愛されることになった志鶴。
いままでの人生では想像もできないほどに甘やかされて溺愛される志鶴。
しかし、『異世界からきた人間が元の世界に戻れない』という事実ならくる責任感で可愛がられてるだけと思い竜帝陛下に心を開かないと誓うが……。
「余の大切な可愛い子ちゃん、ずっと大切にしたい」
「……その感情は恋愛ではなく、ペットに対してのものですよね」
溺愛系スパダリ竜帝陛下×傷だらけ猫系社畜リーマンのふたりの愛の行方は……??
ついでに志鶴の居ない世界でもいままでにない変化が??
第11回BL小説大賞に応募させて頂きます。今回も何卒宜しくお願いいたします。
※いつも通り竜帝陛下には変態みがありますのでご注意ください。また「※」付きの回は性的な要素を含みます
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる
シンギョウ ガク
ファンタジー
※2019年7月下旬に第二巻発売しました。
※12/11書籍化のため『Sランクパーティーから追放されたおっさん商人、真の仲間を気ままに最強SSランクハーレムパーティーへ育てる。』から『おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる』に改題を実施しました。
※第十一回アルファポリスファンタジー大賞において優秀賞を頂きました。
俺の名はグレイズ。
鳶色の眼と茶色い髪、ちょっとした無精ひげがワイルドさを醸し出す、四十路の(自称ワイルド系イケオジ)おっさん。
ジョブは商人だ。
そう、戦闘スキルを全く習得しない商人なんだ。おかげで戦えない俺はパーティーの雑用係。
だが、ステータスはMAX。これは呪いのせいだが、仲間には黙っていた。
そんな俺がメンバーと探索から戻ると、リーダーのムエルから『パーティー追放』を言い渡された。
理由は『巷で流行している』かららしい。
そんなこと言いつつ、次のメンバー候補が可愛い魔術士の子だって知ってるんだぜ。
まぁ、言い争っても仕方ないので、装備品全部返して、パーティーを脱退し、次の仲間を探して暇していた。
まぁ、ステータスMAXの力を以ってすれば、Sランク冒険者は余裕だが、あくまで俺は『商人』なんだ。前衛に立って戦うなんて野蛮なことはしたくない。
表向き戦力にならない『商人』の俺を受け入れてくれるメンバーを探していたが、火力重視の冒険者たちからは相手にされない。
そんな、ある日、冒険者ギルドでは流行している、『パーティー追放』の餌食になった問題児二人とひょんなことからパーティーを組むことになった。
一人は『武闘家』ファーマ。もう一人は『精霊術士』カーラ。ともになぜか上級職から始まっていて、成長できず仲間から追放された女冒険者だ。
俺はそんな追放された二人とともに冒険者パーティー『追放者《アウトキャスト》』を結成する。
その後、前のパーティーとのひと悶着があって、『魔術師』アウリースも参加することとなった。
本当は彼女らが成長し、他のパーティーに入れるまでの暫定パーティーのつもりだったが、俺の指導でメキメキと実力を伸ばしていき、いつの間にか『追放者《アウトキャスト》』が最強のハーレムパーティーと言われるSSランクを得るまでの話。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる