2 / 3
ねず美のおやくそく
しおりを挟む
ねず美のおやくそく
ねず美はお母さんと二人暮らし。
お母さんは森の外れでお花屋さんを営んでいます。
きれいなお花を育てたり、育てたお花をブーケやおし花にして売っています。
そんなお母さんにはゆめがありました。
それはねず美と一緒にお花探しの旅に出ることです。
お母さんは昔本で読んだことがありました。
ラフレシアというお花の存在を。
あの大きな人間ですら大きいというほど、とても大きなお花なのです。
においがきつくて、とてもどくとくなお花ですが、お母さんは知りました。
ラフレシアのようにこの世界には、大きなお花や不思議なお花があることを。
自分たちの知らない、そうぞうもつかないほどのお花がこの世界のどこかにあることを。
お母さんはそのお話をいつも聞かせてくれます。
だからねず美もいつの日か、お母さんをお花探しの旅に連れて行ってあげたいなと思いました。
ある日のことです。
となり森からねず助というお客さまがやってきました。
ねず助にたのまれていたたんぽぽのわたげをわたすと、お礼に小さな種をもらいました。
ねず美とお母さんは育てることになりました。
ねず美はこの種がなんのお花の種なのか知りません。
お母さんもはじめて見る種でした。
お花を育てていくうちに、たくさんのもんだいがおこりました。
たとえば虫にかじられそうになりました。
台風がきて、くきごともっていかれそうになりました。
急な寒さにくじけそうになりました。
それでもねず美とお母さんはお世話をしました。
いつかきれいなお花を咲かせてくれますように。
おはなの葉をさわると、葉がとじてたれ下がります。
まるでおじぎをしているようです。
ねず美はそれがおもしろくてしかたがありません。
ねず美はそのお花といつもハイタッチをして遊びました。
そうして大きくなったお花はついに花をさかせました。
ねず美もお母さんも、そうぞうもしなかったものでした。
もも色のけだまがくきにささったかのようなお花です。
せんこう花火のようなふしぎな形をしています。
ねず美とお母さんはお花をすぐに気にいりました。
だってそうぞうもしないくらいにはじめてで、きれいなお花ですもの。
ねず美とお母さんにまたゆめができました。
いつか旅に出た時にめずらしいお花の種をもち帰って、このお花のとなりにさかせるのです。
そうしてお花畑になったら、みんなにも知ってほしい。
こんなにすてきなお花たちがあるのですよ、と。
はやく旅に出たいなあ。
ねず美とお母さんのゆめは大きくなってつづきます。
ねず美はお母さんと二人暮らし。
お母さんは森の外れでお花屋さんを営んでいます。
きれいなお花を育てたり、育てたお花をブーケやおし花にして売っています。
そんなお母さんにはゆめがありました。
それはねず美と一緒にお花探しの旅に出ることです。
お母さんは昔本で読んだことがありました。
ラフレシアというお花の存在を。
あの大きな人間ですら大きいというほど、とても大きなお花なのです。
においがきつくて、とてもどくとくなお花ですが、お母さんは知りました。
ラフレシアのようにこの世界には、大きなお花や不思議なお花があることを。
自分たちの知らない、そうぞうもつかないほどのお花がこの世界のどこかにあることを。
お母さんはそのお話をいつも聞かせてくれます。
だからねず美もいつの日か、お母さんをお花探しの旅に連れて行ってあげたいなと思いました。
ある日のことです。
となり森からねず助というお客さまがやってきました。
ねず助にたのまれていたたんぽぽのわたげをわたすと、お礼に小さな種をもらいました。
ねず美とお母さんは育てることになりました。
ねず美はこの種がなんのお花の種なのか知りません。
お母さんもはじめて見る種でした。
お花を育てていくうちに、たくさんのもんだいがおこりました。
たとえば虫にかじられそうになりました。
台風がきて、くきごともっていかれそうになりました。
急な寒さにくじけそうになりました。
それでもねず美とお母さんはお世話をしました。
いつかきれいなお花を咲かせてくれますように。
おはなの葉をさわると、葉がとじてたれ下がります。
まるでおじぎをしているようです。
ねず美はそれがおもしろくてしかたがありません。
ねず美はそのお花といつもハイタッチをして遊びました。
そうして大きくなったお花はついに花をさかせました。
ねず美もお母さんも、そうぞうもしなかったものでした。
もも色のけだまがくきにささったかのようなお花です。
せんこう花火のようなふしぎな形をしています。
ねず美とお母さんはお花をすぐに気にいりました。
だってそうぞうもしないくらいにはじめてで、きれいなお花ですもの。
ねず美とお母さんにまたゆめができました。
いつか旅に出た時にめずらしいお花の種をもち帰って、このお花のとなりにさかせるのです。
そうしてお花畑になったら、みんなにも知ってほしい。
こんなにすてきなお花たちがあるのですよ、と。
はやく旅に出たいなあ。
ねず美とお母さんのゆめは大きくなってつづきます。
0
あなたにおすすめの小説
青色のマグカップ
紅夢
児童書・童話
毎月の第一日曜日に開かれる蚤の市――“カーブーツセール”を練り歩くのが趣味の『私』は毎月必ずマグカップだけを見て歩く老人と知り合う。
彼はある思い出のマグカップを探していると話すが……
薄れていく“思い出”という宝物のお話。
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
王さまとなぞの手紙
村崎けい子
児童書・童話
ある国の王さまのもとに、なぞの手紙が とどきました。
そこに書かれていた もんだいを かいけつしようと、王さまは、三人の大臣(だいじん)たちに それぞれ うえ木ばちをわたすことにしました。
「にじ色の花をさかせてほしい」と――
*本作は、ミステリー風の童話です。本文及び上記紹介文中の漢字は、主に小学二年生までに学習するもののみを使用しています(それ以外は初出の際に振り仮名付)。子どもに読みやすく、大人にも読み辛くならないよう、心がけたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる