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第三章 わたしと弟子と魔導書盗難事件
第44話 あのお方(ミナリー視点)
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「アリシアっ!!」
ゴーレムの拳がアリシアに向かって振り下ろされる寸前、師匠が杖を構えて駆けました。
「〈氷壁《アイシクル・シールド》〉ッ!!」
師匠が放つのは、水魔法の派生系統である氷系統の魔法。
分厚い氷の壁がアリシアとゴーレムの間に聳え立ちます。
とっさに魔法を放ったことで師匠は魔力の加減を間違えたのか、ゴーレムをはるかに超える高さの氷の壁が出現していました。その膨大な質量はゴーレムの拳を難なく防ぎ、しかもその衝撃でゴーレムの拳が砕け散ります。
「な、なんっ……!?」
ドラコは驚いて言葉を失い、アリシアとロザリィもまた呆然と氷の壁を見上げています。
「アリシア、大丈夫!?」
「え、ええ……。姉さま、これは……?」
「わたしとミナリーで作った氷系統の防御魔法だよ。どう? 凄いでしょ?」
師匠は「ふふん」と得意げに胸を張ります。氷系統の魔法はどうやら師匠の魔力との相性が良いようで、師匠がメインで魔法の開発を行いました。その結果様々な氷系統魔法を生み出したわけですが、〈氷壁〉もその内の一つです。
「お姉ちゃん、これでもけっこう強くなったんだよ?」
「……ええ、そうみたいね。さすが姉さまだわ。子供の頃からずっと、姉さまには驚かされてばっかりよ」
「ふっふぅーん」
上機嫌な師匠に、アリシアは呆れたように苦笑します。そう言えばアリシアが成長した師匠の魔法を見るのは今が初めてでしたか。驚きつつも、アリシアはどこか納得した表情を見せています。やっぱり、師匠は子供の頃から師匠だったのかもしれません。
「馬鹿な……ふざけるなぁっ!! 〈吸魔の書〉であんなにも魔力を集めたんですよ!? 今の僕は、最強の魔法使いになったんだ!! それなのにどうして、無能令嬢のお前がぁっ!!」
「それが君の本当の力じゃないからだよ、ドラコくん」
師匠が杖を振るうと、氷の壁が一瞬で砕け散ります。キラキラと光を反射しながら氷の欠片が降り注ぐ中、師匠はただまっすぐにドラコを見つめていました。
「黙れ、黙れ黙れ黙れぇっ!! 無能が、僕に、口答えをするなぁああああああああああっ!!!!」
ゴーレムが再び拳を振り上げて師匠に向かって振り下ろします。師匠は向かってくる拳へ杖を構えて、
「〈氷槍《アイシクルランス》〉っ!!」
叫ぶと同時、杖から放たれた氷の槍がゴーレムの拳を腕ごと粉々に粉砕しました。
「な、あ……」
衝撃波を受けたドラコはその場にぺたりと尻餅をつきます。
実力の差は明確でした。〈吸魔の書〉から供給される魔力をもってしても、ドラコの魔力量は師匠に遠く及びません。そもそもそれ以前の問題で、ドラコは〈吸魔の書〉から供給される魔力を扱い切れていませんでした。
いくら魔力量が増えても使いこなせなければ意味がないです。その点、師匠は私との鍛錬の成果で膨大な魔力量を魔法に反映する術を身に着けています。
決着はついたも同然でした。
「大人しく投降しなさい、ドラコ・セプテンバー。もうあんたに勝ち目はないわ」
「ドラコくん、お願い。もうこれ以上、罪を重ねないで」
師匠とアリシアは、ドラコに投降を呼びかけます。
けれど、尻餅をついたままのドラコは顔を俯かせたまま肩を震わせていました。
「くっ、くひひ。くひゃははははははははぁっ!!」
やがて持ち上がったクッファの顔には、醜悪に歪んだ笑みが張り付いていました。
どうして……? この状況下でどうしてそんな顔ができるんですか?
「勝ち目がない? 罪を重ねないで? くひひっ! 滑稽だなぁ、オクトーバーのクソ女共っ!! どうして僕が〈今日〉ここへ来たかわかっているのかい?」
「……どういう意味よ?」
「ひゃははははっ!! 僕が起こした騒ぎで今頃王都中の衛兵や魔法師団が学園に向かっているだろうねぇ。するとどうなると思う?」
「どうなるって……、――っ! あんた、まさか……っ!」
「くひひっ。学園を視察予定の偉大な近衛魔法師団長様は、護衛の魔法使いをこっちに差し向けるだろうなぁ。そうなれば護衛は手薄になる。あとは簡単、今頃お前らの大好きなお母様は、〈あのお方〉の手で地獄送りなんですよぉ!!」
口から出まかせを言っている……といった雰囲気ではありません。狂気に支配されたような言動をとるドラコですが、学園の大図書館への侵入に始まりその犯行には確かな計画性がありました。
彼が言う〈あのお方〉とやらが裏で糸を引いているようですね。近衛魔法師団長である師匠とアリシアのお母さんを襲おうというんです。中途半端な実力でないのは確かでしょう。
「そんな、お母様が……!?」
「くひひっ。どうしましたかぁ、無能令嬢。僕なんかに構っていていいんですかねぇ? 今頃、お前の大好きなお母様は〈あのお方〉にずたずたにされているかもしれないなぁ!?」
「……くっ」
ブラフとは言い切れません。私たちの居る位置からも、王都の街中から黒煙が上がっているのが遠くに見えました。単なる火災かもしれませんが、このタイミングで火災が発生するというのはあまりにも偶然が過ぎます。
「……行って、姉さま」
「アリシア!?」
「姉さまの転移ならすぐに母さまの元へ駆けつけられるわ」
「で、でもっ……」
師匠は転移を躊躇していました。私がろくに魔法を使えない現状、師匠が離れればドラコの相手はアリシアとロザリィが担うことになります。今でこそ師匠のおかげでドラコを圧倒出来ていますが、師匠が離れれば形勢は逆転しかねません。
師匠と比べれば格段に弱いドラコですが、アリシアやロザリィにとっては強敵です。このタイミングでオクトーバー公爵襲撃計画を暴露したドラコの狙いは間違いなく師匠に戦線を離脱させることにあります。それがわかっているから、師匠は転移できないでいるのです。
「アリシアの言う通りですわ、アリスさま」
師匠の背中を押すようにロザリィが言います。
「ここはわたくしたちで何とかしてみせますわ。アリスさまは早くオクトーバー公爵の元へ」
「ろ、ロザリィ様、でもっ!」
「大丈夫ですわ。アリスさまが強くなったように、わたくしたちも強くなりましたもの」
「もう二度と不覚を取るつもりはないわ。だから、母さまの元へ行って、姉さま!!」
「…………っ」
師匠は拳を強く握って、二人に向かってこくりと頷いて見せます。それから私の方に振り向いたので、
「先に行ってください、師匠」
「うんっ! 〈転移〉っ!!」
師匠の姿が忽然と掻き消えます。ドラコが〈あのお方〉とまで言う相手が気になりますが、師匠ならきっと大丈夫です。問題はドラコと……それからもう一人。
学園内に、〈吸魔の書〉の魔力をもう一つ感じます。上中下巻の内の一つでしょう。だとすれば、最後の一冊はオクトーバー公爵襲撃に使われているのでしょうか。
なんにせよ、ドラコの他にもう一人学園に侵入している敵が居ます。そいつは、校舎にも近いクラブハウスの辺りに居るようです。
……まずいですね。
ニーナとロベルトの魔力を、侵入者のすぐ近くに感じます。ドラコに襲われた生徒や教師たちを校舎まで運ぶために通っているのでしょう。
おそらく接敵は避けられません。すぐにそちらへ救援に向かいたい所ですが、私の体調はまだ回復していませんでした。魔法を使っても加減が出来る自信がありません。下手をすれば学園を消し飛ばしてしまいかねないです。
ニーナ、私がまとも魔法を使えるようになるまで耐えられますか……?
ゴーレムの拳がアリシアに向かって振り下ろされる寸前、師匠が杖を構えて駆けました。
「〈氷壁《アイシクル・シールド》〉ッ!!」
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分厚い氷の壁がアリシアとゴーレムの間に聳え立ちます。
とっさに魔法を放ったことで師匠は魔力の加減を間違えたのか、ゴーレムをはるかに超える高さの氷の壁が出現していました。その膨大な質量はゴーレムの拳を難なく防ぎ、しかもその衝撃でゴーレムの拳が砕け散ります。
「な、なんっ……!?」
ドラコは驚いて言葉を失い、アリシアとロザリィもまた呆然と氷の壁を見上げています。
「アリシア、大丈夫!?」
「え、ええ……。姉さま、これは……?」
「わたしとミナリーで作った氷系統の防御魔法だよ。どう? 凄いでしょ?」
師匠は「ふふん」と得意げに胸を張ります。氷系統の魔法はどうやら師匠の魔力との相性が良いようで、師匠がメインで魔法の開発を行いました。その結果様々な氷系統魔法を生み出したわけですが、〈氷壁〉もその内の一つです。
「お姉ちゃん、これでもけっこう強くなったんだよ?」
「……ええ、そうみたいね。さすが姉さまだわ。子供の頃からずっと、姉さまには驚かされてばっかりよ」
「ふっふぅーん」
上機嫌な師匠に、アリシアは呆れたように苦笑します。そう言えばアリシアが成長した師匠の魔法を見るのは今が初めてでしたか。驚きつつも、アリシアはどこか納得した表情を見せています。やっぱり、師匠は子供の頃から師匠だったのかもしれません。
「馬鹿な……ふざけるなぁっ!! 〈吸魔の書〉であんなにも魔力を集めたんですよ!? 今の僕は、最強の魔法使いになったんだ!! それなのにどうして、無能令嬢のお前がぁっ!!」
「それが君の本当の力じゃないからだよ、ドラコくん」
師匠が杖を振るうと、氷の壁が一瞬で砕け散ります。キラキラと光を反射しながら氷の欠片が降り注ぐ中、師匠はただまっすぐにドラコを見つめていました。
「黙れ、黙れ黙れ黙れぇっ!! 無能が、僕に、口答えをするなぁああああああああああっ!!!!」
ゴーレムが再び拳を振り上げて師匠に向かって振り下ろします。師匠は向かってくる拳へ杖を構えて、
「〈氷槍《アイシクルランス》〉っ!!」
叫ぶと同時、杖から放たれた氷の槍がゴーレムの拳を腕ごと粉々に粉砕しました。
「な、あ……」
衝撃波を受けたドラコはその場にぺたりと尻餅をつきます。
実力の差は明確でした。〈吸魔の書〉から供給される魔力をもってしても、ドラコの魔力量は師匠に遠く及びません。そもそもそれ以前の問題で、ドラコは〈吸魔の書〉から供給される魔力を扱い切れていませんでした。
いくら魔力量が増えても使いこなせなければ意味がないです。その点、師匠は私との鍛錬の成果で膨大な魔力量を魔法に反映する術を身に着けています。
決着はついたも同然でした。
「大人しく投降しなさい、ドラコ・セプテンバー。もうあんたに勝ち目はないわ」
「ドラコくん、お願い。もうこれ以上、罪を重ねないで」
師匠とアリシアは、ドラコに投降を呼びかけます。
けれど、尻餅をついたままのドラコは顔を俯かせたまま肩を震わせていました。
「くっ、くひひ。くひゃははははははははぁっ!!」
やがて持ち上がったクッファの顔には、醜悪に歪んだ笑みが張り付いていました。
どうして……? この状況下でどうしてそんな顔ができるんですか?
「勝ち目がない? 罪を重ねないで? くひひっ! 滑稽だなぁ、オクトーバーのクソ女共っ!! どうして僕が〈今日〉ここへ来たかわかっているのかい?」
「……どういう意味よ?」
「ひゃははははっ!! 僕が起こした騒ぎで今頃王都中の衛兵や魔法師団が学園に向かっているだろうねぇ。するとどうなると思う?」
「どうなるって……、――っ! あんた、まさか……っ!」
「くひひっ。学園を視察予定の偉大な近衛魔法師団長様は、護衛の魔法使いをこっちに差し向けるだろうなぁ。そうなれば護衛は手薄になる。あとは簡単、今頃お前らの大好きなお母様は、〈あのお方〉の手で地獄送りなんですよぉ!!」
口から出まかせを言っている……といった雰囲気ではありません。狂気に支配されたような言動をとるドラコですが、学園の大図書館への侵入に始まりその犯行には確かな計画性がありました。
彼が言う〈あのお方〉とやらが裏で糸を引いているようですね。近衛魔法師団長である師匠とアリシアのお母さんを襲おうというんです。中途半端な実力でないのは確かでしょう。
「そんな、お母様が……!?」
「くひひっ。どうしましたかぁ、無能令嬢。僕なんかに構っていていいんですかねぇ? 今頃、お前の大好きなお母様は〈あのお方〉にずたずたにされているかもしれないなぁ!?」
「……くっ」
ブラフとは言い切れません。私たちの居る位置からも、王都の街中から黒煙が上がっているのが遠くに見えました。単なる火災かもしれませんが、このタイミングで火災が発生するというのはあまりにも偶然が過ぎます。
「……行って、姉さま」
「アリシア!?」
「姉さまの転移ならすぐに母さまの元へ駆けつけられるわ」
「で、でもっ……」
師匠は転移を躊躇していました。私がろくに魔法を使えない現状、師匠が離れればドラコの相手はアリシアとロザリィが担うことになります。今でこそ師匠のおかげでドラコを圧倒出来ていますが、師匠が離れれば形勢は逆転しかねません。
師匠と比べれば格段に弱いドラコですが、アリシアやロザリィにとっては強敵です。このタイミングでオクトーバー公爵襲撃計画を暴露したドラコの狙いは間違いなく師匠に戦線を離脱させることにあります。それがわかっているから、師匠は転移できないでいるのです。
「アリシアの言う通りですわ、アリスさま」
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「ここはわたくしたちで何とかしてみせますわ。アリスさまは早くオクトーバー公爵の元へ」
「ろ、ロザリィ様、でもっ!」
「大丈夫ですわ。アリスさまが強くなったように、わたくしたちも強くなりましたもの」
「もう二度と不覚を取るつもりはないわ。だから、母さまの元へ行って、姉さま!!」
「…………っ」
師匠は拳を強く握って、二人に向かってこくりと頷いて見せます。それから私の方に振り向いたので、
「先に行ってください、師匠」
「うんっ! 〈転移〉っ!!」
師匠の姿が忽然と掻き消えます。ドラコが〈あのお方〉とまで言う相手が気になりますが、師匠ならきっと大丈夫です。問題はドラコと……それからもう一人。
学園内に、〈吸魔の書〉の魔力をもう一つ感じます。上中下巻の内の一つでしょう。だとすれば、最後の一冊はオクトーバー公爵襲撃に使われているのでしょうか。
なんにせよ、ドラコの他にもう一人学園に侵入している敵が居ます。そいつは、校舎にも近いクラブハウスの辺りに居るようです。
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ニーナとロベルトの魔力を、侵入者のすぐ近くに感じます。ドラコに襲われた生徒や教師たちを校舎まで運ぶために通っているのでしょう。
おそらく接敵は避けられません。すぐにそちらへ救援に向かいたい所ですが、私の体調はまだ回復していませんでした。魔法を使っても加減が出来る自信がありません。下手をすれば学園を消し飛ばしてしまいかねないです。
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