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ラストターン
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「...ほう。予想外にやってくれるじゃないか」
怪訝な雰囲気はまだ少々あるものの、キガイに対し「吹き飛ばし」の能力を使えると信じ込ませることに成功したようである。
「馬鹿カラス!てめぇと遊んでやるのもそろそろ終わりにするぜ!次でラストターンだ覚悟しろよ!」
互いに「馬鹿」呼ばわりして来た戦闘であったけれど、実のところ互いの実力を認め合い楽しんでいた。
しかし、敵はキガイだけではない。他にも同等の戦力を持つ部隊が3つと、圧倒的な戦闘力を誇るカラス王カラハグが後に控えているのである。
時間的や体力的なことを踏まえ、先のことを見据えた柴門がいよいよ最後の勝負に出ようとしていた。
「良いか!よく聞きやがれ!今から出す技はてめぇにぶち当たるまで何処までも追尾する!」
相手に放つ技の説明をわざわざすることはマンガや小説などでたまに見かけるが、実際の戦闘で敢えて時間を設け、敵に情報を与える場面など落雷を受ける人間の確率ほどではなかろうか?
そんなことはたぶん恐らく承知の柴門が、必要以上に大きな声を張り上げ説明したのは美琴に合図したことに他ならない。
「カッカッカッ!いつでもかかって来い!」
人間が幾ら吠えようと自分の勝利に微塵の疑いも持たないキガイが高笑いして攻撃を誘った。
「んじゃあ!お言葉に甘えて行かせてもらうぜっ!スロウ流星ボム・ホーミング!」
既出させていた10個ほどの光球を、飛ばすスピードを調整してキガイに向け解き放った!
技に手を加えたことにはもちろん理由がある。それは美琴がサイコキネシスで操作し易いようにという柴門の気配りであった。
普段の生活模様から見えてくるガサツなイメージの柴門。こと戦闘に関してだけは繊細な男になるという不思議な現象。
日頃は大人しい性格の人間が、自動車のハンドルを握ると人が変わったようになる現象に似ているかもである。
「カカッ!お前の技にしては存外トロいな!こんなもの軽く避けられるわ!」
キガイは向かって来る光球の速度の遅さにすぐ気づき、翼を広げ真上に飛んで容易に攻撃を交わした。
が、素通りした光球群は突如として「グン!」と軌道を変え、上空に浮かぶ敵の死角となる背後へ一直線に向かう!
「ドン!ドドドドドドドドドンッ!!」
「ぬがぁっ!?!!!!」
光球の全弾が完全に油断していたキガイの背中を捕らえ起爆し、衝撃とダメージでたまらず苦痛の声を上げた!
周囲に爆煙が立ち込めキガイの視界が至極ゼロに近くなる。
怪訝な雰囲気はまだ少々あるものの、キガイに対し「吹き飛ばし」の能力を使えると信じ込ませることに成功したようである。
「馬鹿カラス!てめぇと遊んでやるのもそろそろ終わりにするぜ!次でラストターンだ覚悟しろよ!」
互いに「馬鹿」呼ばわりして来た戦闘であったけれど、実のところ互いの実力を認め合い楽しんでいた。
しかし、敵はキガイだけではない。他にも同等の戦力を持つ部隊が3つと、圧倒的な戦闘力を誇るカラス王カラハグが後に控えているのである。
時間的や体力的なことを踏まえ、先のことを見据えた柴門がいよいよ最後の勝負に出ようとしていた。
「良いか!よく聞きやがれ!今から出す技はてめぇにぶち当たるまで何処までも追尾する!」
相手に放つ技の説明をわざわざすることはマンガや小説などでたまに見かけるが、実際の戦闘で敢えて時間を設け、敵に情報を与える場面など落雷を受ける人間の確率ほどではなかろうか?
そんなことはたぶん恐らく承知の柴門が、必要以上に大きな声を張り上げ説明したのは美琴に合図したことに他ならない。
「カッカッカッ!いつでもかかって来い!」
人間が幾ら吠えようと自分の勝利に微塵の疑いも持たないキガイが高笑いして攻撃を誘った。
「んじゃあ!お言葉に甘えて行かせてもらうぜっ!スロウ流星ボム・ホーミング!」
既出させていた10個ほどの光球を、飛ばすスピードを調整してキガイに向け解き放った!
技に手を加えたことにはもちろん理由がある。それは美琴がサイコキネシスで操作し易いようにという柴門の気配りであった。
普段の生活模様から見えてくるガサツなイメージの柴門。こと戦闘に関してだけは繊細な男になるという不思議な現象。
日頃は大人しい性格の人間が、自動車のハンドルを握ると人が変わったようになる現象に似ているかもである。
「カカッ!お前の技にしては存外トロいな!こんなもの軽く避けられるわ!」
キガイは向かって来る光球の速度の遅さにすぐ気づき、翼を広げ真上に飛んで容易に攻撃を交わした。
が、素通りした光球群は突如として「グン!」と軌道を変え、上空に浮かぶ敵の死角となる背後へ一直線に向かう!
「ドン!ドドドドドドドドドンッ!!」
「ぬがぁっ!?!!!!」
光球の全弾が完全に油断していたキガイの背中を捕らえ起爆し、衝撃とダメージでたまらず苦痛の声を上げた!
周囲に爆煙が立ち込めキガイの視界が至極ゼロに近くなる。
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