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意味深

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「............................カカッ。これだからな人間は....」

 小馬鹿にされたキガイが俯き気味に呟いた。とは言っても、4m以上の巨体が至近距離で柴門へ目を向ける際には必ず見下すことになるのだが。

「なんだ?意味深な言いようだな。人間にいじめられて怨みでもあるのかよ?」

 キガイの呟いた言葉が気になり柴門が問うた。

「カッカッカッ。人間など覚醒以前の普通にカラスだった頃よりこちらが突いて嫌がらせしていたぞ!ただ、道具を持たねば脆く貧弱な人間が、動物の頂点であるかのような振る舞いをしているのがずっと気に入らなかっというだけの話しだ。覚醒後に実際人間を襲いそのひ弱さは十分実感させてもらった。泣き叫ぶ人間を容赦なく殺すことはオレ様にとっては快楽極まりない。カカッ」

 犬や猫のように人間のペットして飼われ、飼い主に依存してぬくぬく生活しているペットと違い、日々、食料を自力で確保しなければならないその日暮らしで生き来てきた野生動物。彼らに人情的な感情を期待するのは無意味であったかも知れない。始めから白旗を上げ、抵抗もせず泣き叫ぶ人間を無惨に殺す彼らに対し、柴門が憎悪を膨らませ鬼のような顔をに豹変する。

「まぁ、てめぇら野生動物に比べれば確かに人間は軟弱かも知れねぇな。それに極々少数だが、泣き叫ぶ無抵抗の人間を殺しちまう快楽殺人者ってやつが存在していたことも事実だ。それよりオレは今てめぇをぶっ飛ばしてやりたくて仕方がねぇ...」

「カッカッカッ!お前がいきがって怒りをあらわにするのは見ていて滑稽だ...ところでお前、オレ様を鳥籠に入れて絶対的優位に立っていると勘違いしてないか?」

「はん?実際そうだろ」

「オレ様の実力を見誤るなよ!」

「グニャッ!」

「ん!?」

 キガイが目の前にある鉄格子に両手をかけ、まるでカーテンを開けるかのようにいともたやすく両サイドに大きく広げ外に出てしまった。

「へん、それくらいやってもらわないと倒し甲斐が無いってもんだぜ」

 そのパワーを目の当たりにした柴門だったけれど、怒りでアドレナリンが大量に出ている所為か動じない。

「一つ忠告しておいてやろう。ここからは1秒でも気を抜かないことだ。オレ様前言を守るためにも楽しませてくれ」

 幹部カラスの言う前言とは、柴門をなぶり殺しにすることだったろうか。

「御託はいいからさっさとかかって来やがれっ!?」

 柴門が言い終わるや否やキガイの巨大な右拳によるストレートが目の前に届きつつあった!
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