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リーダーの向き不向き

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 チャラの戦闘する場面をリアルに目撃していた匡の表情は至って真剣である。

 その表情と話し方からして、巨大猫が戦力になるだろうと踏んだ飛鳥井が一つ頷き口を開く。

「ふぅん、そっかぁ。なら...よし、決めた!今からチームを二つに分ける。匡と結月ちゃん、それにチャラは俺と行動を共にしてもらう。んで、八神さんと葵さん、柴門と美琴の四人で一組のチームね。因みにリーダーは年の功で八神さんとする。そっちのチームの最終的な意思決定は多数決とし、意見が真っ二つに分かれた場合は八神さんの決定に従うこと」

 飛鳥井が何気なくサラッとチーム分けとリーダーを決め、チームの方針まで説明したが誰も納得のいかない顔はしていなかった。八神を除いては...

「いや、飛鳥井君。確かに僕はこの中で一番の年長者だけどリーダー向きの人間ではないよ」

 実際のところ、自分から進んで集団の中心になることを避けてきた八神は、今までの人生の中でリーダーシップを執るような経験もなかったのかも知れない。
 しかし、そんな自信の無さそうな顔をしている八神を見て飛鳥井がニヤリとして言う。

「八神さん。年上の大人に向かって言うのもなんだけど、俺の見立てで貴方はリーダーに向いてると思ってるよ。科学者やれるほど頭は良いし、メンバーとの連携もとれてたみたいだし、俺達なんかより人生経験も豊富なはずだ。それに他のメンバーは誰一人として不満顔のやつはいないよ。それだけみんなに信頼されてるってことで!付け加えると議論している時間がもうないっすぅ!」

 最後の方は手を合わせて「お願いします!」的な動きで飛鳥井がゴリ押した。

「...仕方がない。分かったよ。リーダーとしてできる限りのことはさせてもらう」

 流石に駄々をこねている時間など無いことは百も承知だった八神が渋々ながら引き受けた。

「頼むよ八神さん!」

「頼りにしてるわぁ♪」

「八神さん任せました。頑張りましょ」

 最初に柴門が八神の肩を軽く叩いて声をかけ、すぐに葵、美琴の順に続いた。

「んじゃ、早速作戦の説明に入る!まず敵さんの動きからすると五つの部隊に分かれ、中心に最大戦力のカラス王の部隊が残り、他の部隊は恐らく幹部っぽい奴らが指揮を執って東西南北の四方を探索するみたいだ」

 ここまでうつ伏せ姿勢で気持ち良さげに寝ている巨大猫のチャラを除き、みなが緊張感のある面持ちをして聞いていた。

 この猫はたぶん寝たふりをしているだけで本当はしっかり聞き耳立ててるんだろうな、と希望的観測を抱きながら飛鳥井が作戦の説明を続ける。
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