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猫かよ!?
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アジトのシェルターがある結月の家は、住宅街のほぼ中央に位置している。
僕達三人は、僕の家がある東へ向かい、別の三人は逆方向の西、ソロで行動する飛鳥井さんは北へそれぞれ向かった。
天気は昨日のピーカン照りとは違い雨の降りそうな曇り空。
車の走っていない道路の真ん中を三人並んで歩く。
「空が曇ってて助かったわぁ。まだまだ夏の暑さは堪えるもの」
「ああ、俺も昨日一ヵ月ぶりに外に出てだいぶ暑さがきつかった」
僕と結月の会話に八神さんが加わる。
「あとは雨さえ降らなければねぇ。しかし、太陽は出て無いがちょっと蒸し暑いな」
確かに雨雲でギラギラとした太陽こそ隠れてはいるが、湿度が高く汗がベッタリと身体に纏わりつく。
「でもアレだな。人が居ない街ってのはやっぱり違和感があって不気味だな」
「そっか、匡は神の戒告で変わった世界を二日しか経験してないものね」
時間で言うとまだ24時間も経験して無いけどな...
「人間ってのは不思議なもので僕はもうだいぶ慣れたよ。知らず知らずのうちにみんな環境へ適応して行ってると思うよ」
「そうなんですよね。嫌な世界に変わっちゃったけど、わたしも少し慣れて来たかも...」
そう言う結月の顔に陰りが見えた。
両親のことを思い出したのかも知れないな。
カラスを片付けたら詳しく調べてみよう。僕の両親の件を含めて...
僕は結月が両親のことを連想させないような話題に変え、世間話をしながら道路を暫く歩いた。
すると、遠くの方でカラスと猫の鳴き声が聴こえてくる。
「なんだ!?カラスと猫が喧嘩を始めやがったのか!?」
「とにかく行ってみましょうよ!」
「もしかしたら初戦になるかも知れない。二人とも気を引き締めて行くよ」
「「はい!」」
僕達は鳴き声が聴こえる公園の方へ走って向かった。
身体が軽い!まるで自分の身体じゃ無いように感じる。
神の戒告により身体能力が上がったのは昨日経験済みだったが、走ったのは初めてだった。
恐らく以前の倍以上のスピードで走れている。とすると楽勝で世界記録を更新していることになるが...
先頭を走る僕の後ろに二人がピッタリとくっ付き走っている。
やはり身体能力の向上は特別なものでは無いらしい...と動物!?の姿が見えたので足に急ブレーキをかけ公園の隣にある壁に隠れた。
そっと公園を覗くと、昨日遭遇した化け物カラスと同じく2m以上の奴が三羽と、虎?のような動物一頭が一触即発状態になっていた。
後ろから八神さんが軽く僕の肩を叩く。
「あれは恐らく猫だ。暫く両者の様子を観よう」
猫かよ!?
僕達三人は、僕の家がある東へ向かい、別の三人は逆方向の西、ソロで行動する飛鳥井さんは北へそれぞれ向かった。
天気は昨日のピーカン照りとは違い雨の降りそうな曇り空。
車の走っていない道路の真ん中を三人並んで歩く。
「空が曇ってて助かったわぁ。まだまだ夏の暑さは堪えるもの」
「ああ、俺も昨日一ヵ月ぶりに外に出てだいぶ暑さがきつかった」
僕と結月の会話に八神さんが加わる。
「あとは雨さえ降らなければねぇ。しかし、太陽は出て無いがちょっと蒸し暑いな」
確かに雨雲でギラギラとした太陽こそ隠れてはいるが、湿度が高く汗がベッタリと身体に纏わりつく。
「でもアレだな。人が居ない街ってのはやっぱり違和感があって不気味だな」
「そっか、匡は神の戒告で変わった世界を二日しか経験してないものね」
時間で言うとまだ24時間も経験して無いけどな...
「人間ってのは不思議なもので僕はもうだいぶ慣れたよ。知らず知らずのうちにみんな環境へ適応して行ってると思うよ」
「そうなんですよね。嫌な世界に変わっちゃったけど、わたしも少し慣れて来たかも...」
そう言う結月の顔に陰りが見えた。
両親のことを思い出したのかも知れないな。
カラスを片付けたら詳しく調べてみよう。僕の両親の件を含めて...
僕は結月が両親のことを連想させないような話題に変え、世間話をしながら道路を暫く歩いた。
すると、遠くの方でカラスと猫の鳴き声が聴こえてくる。
「なんだ!?カラスと猫が喧嘩を始めやがったのか!?」
「とにかく行ってみましょうよ!」
「もしかしたら初戦になるかも知れない。二人とも気を引き締めて行くよ」
「「はい!」」
僕達は鳴き声が聴こえる公園の方へ走って向かった。
身体が軽い!まるで自分の身体じゃ無いように感じる。
神の戒告により身体能力が上がったのは昨日経験済みだったが、走ったのは初めてだった。
恐らく以前の倍以上のスピードで走れている。とすると楽勝で世界記録を更新していることになるが...
先頭を走る僕の後ろに二人がピッタリとくっ付き走っている。
やはり身体能力の向上は特別なものでは無いらしい...と動物!?の姿が見えたので足に急ブレーキをかけ公園の隣にある壁に隠れた。
そっと公園を覗くと、昨日遭遇した化け物カラスと同じく2m以上の奴が三羽と、虎?のような動物一頭が一触即発状態になっていた。
後ろから八神さんが軽く僕の肩を叩く。
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