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ノ78 肉体
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余裕綽々とはいかないまでも、戦闘を楽しむかのような表情を見せる雅綾と府刹那なの二人。
それもそのはず、亜孔雀が破壊された身体の一部を修復したとはいえ、少なくとも先手必勝の技はダメージを与えているのだから...
「んじゃぁ、今度はこっちの番だな。オレ様の実践練習として貴様らはうってつけだ。折角の貴重なこの機会、簡単に死んでくれるなよ。フンッ!」
亜孔雀は言葉尻に鼻息を一つ鳴らし気合いを込め、地面に根を張るかの如く両足を広げ、血管が浮かぶほど両腕に力を漲らせた。
「来るぞ、府刹那」
「そのようじゃな」
呼びかけ合う雅綾と府刹那が、相手の未知なる攻撃に備え防御重視の体勢で身構える。
仙器という特殊な武器を所持する二人の老仙人に対し、亜孔雀は何も持たずに己の肉体のみで戦うスタイルだ。
己の肉体によほど自信があるのか武器扱えないのか、ともかく亜孔雀が動き出す。
「だっっっ!!」
「ビュッ!!」
攻撃を発動させる気合いの一声と同時に、地面が半径一メートル以上えぐれるほど蹴り上げ猛ダッシュする亜孔雀!
「むっ!?」
「速い!?」
獲物を捕らえる際の一部の爬虫類のように、一瞬で最高速度に達した亜孔雀の凄まじいスピード。
だが目の当たりにした二人は驚きこそしたものの、衰え知らずの動体視力でもってその動きを見失わない。
千歳を超える老仙人にも「老いて益々盛んなり」、という言葉は恐らく当てはまるであろう。
それもそのはず、亜孔雀が破壊された身体の一部を修復したとはいえ、少なくとも先手必勝の技はダメージを与えているのだから...
「んじゃぁ、今度はこっちの番だな。オレ様の実践練習として貴様らはうってつけだ。折角の貴重なこの機会、簡単に死んでくれるなよ。フンッ!」
亜孔雀は言葉尻に鼻息を一つ鳴らし気合いを込め、地面に根を張るかの如く両足を広げ、血管が浮かぶほど両腕に力を漲らせた。
「来るぞ、府刹那」
「そのようじゃな」
呼びかけ合う雅綾と府刹那が、相手の未知なる攻撃に備え防御重視の体勢で身構える。
仙器という特殊な武器を所持する二人の老仙人に対し、亜孔雀は何も持たずに己の肉体のみで戦うスタイルだ。
己の肉体によほど自信があるのか武器扱えないのか、ともかく亜孔雀が動き出す。
「だっっっ!!」
「ビュッ!!」
攻撃を発動させる気合いの一声と同時に、地面が半径一メートル以上えぐれるほど蹴り上げ猛ダッシュする亜孔雀!
「むっ!?」
「速い!?」
獲物を捕らえる際の一部の爬虫類のように、一瞬で最高速度に達した亜孔雀の凄まじいスピード。
だが目の当たりにした二人は驚きこそしたものの、衰え知らずの動体視力でもってその動きを見失わない。
千歳を超える老仙人にも「老いて益々盛んなり」、という言葉は恐らく当てはまるであろう。
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