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ノ72 変身

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 意気のいい老仙人の二人が亜孔雀を睨みつけ、各々の武器を取り出し戦闘体勢に入る。
 
 二人の老仙人はここまでの亜孔雀の様子から鑑み、完全に自分達、否、仙人界全体の敵であると判断したのだ。

 いつものように将棋をしていた筈の二人がなぜ湖に居るのか不思議ではなかろうか?
 
 ちょいと前の話しである。

 真如が家を空け、城太郎に他の目的ががあったのか定かではないけれど、釣りをするため東雲湖に向かう途中、相変わらず将棋を打つ二人の老仙人と何気ない挨拶を交わした。
 
 実はこの時、将棋馬鹿の老仙人の二人は城太郎が身体から微かに漏らした妖気を察知し、大事があってはならぬと、そこから二人で話し合い、何よりも好きな将棋を中止し彼の跡をつけることにしたのである。

 ここでもう一つ、城太郎と亜孔雀の関連性について...正直なところ不確かではあるものの全く関連性や関係性が無いわけではなく、むしろ恐らくアリアリであろう。しかも残念ながら人間の美青年である城太郎は既に故人なのである。
 数年前、とある理由により彼を亡き者にしたのは亜孔雀であり、その際彼の魂を強制的に操れるよう己の身体に封じ込め、城太郎という人間そのものに変身できるようになったというのが大体の経緯だった。
 
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