刀姫 in 世直し道中ひざくりげ 仙女覚醒編

流川おるたな

文字の大きさ
上 下
41 / 113

ノ41 連撃!

しおりを挟む
 今は寝ていないけれど、これにて金色の居眠り侍雪舟丸の誕生である。

「ほう...怪異と共存いているのか、なかなかにおもしろい、これで少しは楽しめそうだ」

 雪舟丸の姿が変わった瞬間に豹変させた力が怪異のものであることに加え、共存していることまで亜孔雀は見破った。

「あぁ、そうだな。俺も丁度、かつて感じたことの無い高揚感が湧き出て来たところだ。望み通り楽しませてやるから死んでくれ!!!」

 言い放つや否や、雷の如き速さで真っ向から亜孔雀に突っ込む雪舟丸!

「っ!?」

「ギッキィン!!キィン!キィンキィン!!」

 雪舟丸が「神速の剣」をも超えた速さで初撃を打ち込み、亜孔雀へ立て続けに雨叢雲を振り続ける!

 順調に攻めているように見える雪舟丸であったが、この状況は彼の想定したものではなかった。
 阿修羅の強力な妖気によって飛躍的に身体能力が向上したことを、彼はまごうことなく実感していた。だからこそ一気に間合いを詰め、敵が舐めきって油断しているあいだに雨叢雲の剣による初撃で切り捨てるつもりだったのである。
 その思惑が叶わなかったのはひとえに雪舟丸の想像を亜孔雀が超えていただけ、には止まらない。もちろん亜孔雀の神がかった、否、悪魔がかった実力が無ければ雪舟丸の初撃を防ぐことは不可能であったに違いないのだが、亜孔雀は雨叢雲の剣が退魔の剣であることすら一眼で見抜き、咄嗟にある防具を具現化させ両腕に纏い攻撃を防いだのであった。

「ガッギィン!ギィン!キン!ギィン!!」

 小さな城くらいならバラバラにしてしまいかねない連撃を、ひたすら防御し続ける亜孔雀であったが、隙があるようには見えない攻撃の隙を探りあて、妖力を使って反撃に転じる!

「まさかオレ様に本気を出させる人間が存在するとはな...爆邪我苦(ばくじゃがく)!」

「ズゥオオオオッ!!!」

 亜孔雀が技の名を叫ぶと共に、両の掌から人の顔のような悍ましい姿の黒い物体を次々に出現させた!

「くっ!!!?」

 雪舟丸が攻撃する最中に繰り出された至近距離での反撃は、剣聖にして阿修羅の力を借りる彼とて避けきれるものではなかった!
 攻撃を防御するいとまもなくもろに喰らった雪舟丸の身体は後方へと吹き飛ばされた!

「ズザザザザァァァ!!」

 吹き飛ばされながらも空中で大勢を立て直した雪舟丸が、地面に着いた足で土を削ってようやく身体を静止させる。

 雪舟丸が前方へ視線を向けると、亜孔雀が余裕があるのか無いのか良く分からない顔をして腕を組み、見下すような仁王立ちの体勢で口を開く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~

日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ― 異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。 強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。 ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる! ―作品について― 完結しました。 全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。

処理中です...