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第113話 存在
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「完全否定こそしないものの幽霊なんてものは見たことも無いし、にわかには信じ難いが...そうか、俺のご先祖さんの霊、か...」
僕と未桜が燈明神社での出来事を一通り伝えると、淀鴛さんは真剣な面持ちでそう呟いた。
「あ、何だか信憑性に欠ける話をしてしまって申し訳ありません。ただ、僕としてはしっかりとした意識の中、自分のこの目で確実に見たこと伝えただけですので...」
過去に「幽霊」の存在を信じるか否かのアンケート調査の結果を目にしたことがあるけれど、確か男性が51%ほどで、女性が64%ほどだったような...
この割合から考えるに、日本人の二人一人は幽霊の存在を信じているらしいのだが、その「幽霊」というワードへの反応からして、淀鴛さんの場合はどちらかと言えば否定派になるのでは?と思えた。
「すまんな。職業柄、非現実的な事象は余りあてにしないようにしてるんだ。だが、君達がくだらない作り話をするような人間には見えないし、そんなことをする理由も無いだろうから、信じたいのは山々なんだが...」
「ねぇねぇ淀鴛のお兄ちゃん。わたしたちの言ったことが信じられないんだったらさぁ、明日もう一度燈明神社に行ってみない?もちろんわたしたちも同行するからさぁ」
今や頬を真っ赤に染めて泥酔に近い状態の未桜が、僕の了解も得ず勝手に話しを進めようとする。
「いやいや待て待て、明日は僕の考えていた予定もあるし、淀鴛さんだって都合ってものがあるんだから」
話しが進んでしまうことを阻止しようと言ってみたのだが...
「あぁ、そうだな。ひょっとしたら俺もご先祖さんと会えるかも知れないわけだから、是非ともお願いするよ」
僕の思惑とは裏腹に話がまとまってしまったのである...
僕と未桜が燈明神社での出来事を一通り伝えると、淀鴛さんは真剣な面持ちでそう呟いた。
「あ、何だか信憑性に欠ける話をしてしまって申し訳ありません。ただ、僕としてはしっかりとした意識の中、自分のこの目で確実に見たこと伝えただけですので...」
過去に「幽霊」の存在を信じるか否かのアンケート調査の結果を目にしたことがあるけれど、確か男性が51%ほどで、女性が64%ほどだったような...
この割合から考えるに、日本人の二人一人は幽霊の存在を信じているらしいのだが、その「幽霊」というワードへの反応からして、淀鴛さんの場合はどちらかと言えば否定派になるのでは?と思えた。
「すまんな。職業柄、非現実的な事象は余りあてにしないようにしてるんだ。だが、君達がくだらない作り話をするような人間には見えないし、そんなことをする理由も無いだろうから、信じたいのは山々なんだが...」
「ねぇねぇ淀鴛のお兄ちゃん。わたしたちの言ったことが信じられないんだったらさぁ、明日もう一度燈明神社に行ってみない?もちろんわたしたちも同行するからさぁ」
今や頬を真っ赤に染めて泥酔に近い状態の未桜が、僕の了解も得ず勝手に話しを進めようとする。
「いやいや待て待て、明日は僕の考えていた予定もあるし、淀鴛さんだって都合ってものがあるんだから」
話しが進んでしまうことを阻止しようと言ってみたのだが...
「あぁ、そうだな。ひょっとしたら俺もご先祖さんと会えるかも知れないわけだから、是非ともお願いするよ」
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