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第80話 予想外
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「...大丈夫だいじょうぶ。きっとあの霊は悪い霊じゃない。根拠は無いけれどそんな気がするの...」
仕方なく付いていくことにした僕に対し、歩みを止めぬ未桜が振り返らずにそう言い切った。
「頼むから霊の怒りを買うような真似はしないでくれよ」
「そんなことするわけないでしょ」
「そんなこと」が起こり得るのが君なのだよ...
と、敢えて口には出さなかったけれど、彼女の行動は今までの経験上予測不能な部分があるのは否めない。
二人でそんな会話を交わしていると、もう既に墓石は目の前というところまで来てしまった。
と言うか、僕にも着物を着た老婆の姿が見えてしまった。
「ここここ、こんにちはっ!?あっ!?いや、こんばんはです!?あっ!?あの僕は荒木咲一輪と申しまする!」
僕は予想外の出来事に狼狽してしまい、幽霊に対ししどろもどろの挨拶に加え自己紹介までしてしまう始末と相なった。
下げた頭を恐る恐るゆっくり上げると、3mほどの至近距離にいらっしゃる老婆の霊は、無表情な顔を崩すこともなくジッとこちらを見つめているようだった。
僕は生まれて初めて人の姿をした幽霊と出会ってしまったのだが、不思議と恐怖心は湧かず、未桜の言った「悪い霊じゃない」の意味がなんとなくわかるような気がした。
さて、ここで問題です。
幽霊と会話を交わすことは果たして可能なのだろうか?
仕方なく付いていくことにした僕に対し、歩みを止めぬ未桜が振り返らずにそう言い切った。
「頼むから霊の怒りを買うような真似はしないでくれよ」
「そんなことするわけないでしょ」
「そんなこと」が起こり得るのが君なのだよ...
と、敢えて口には出さなかったけれど、彼女の行動は今までの経験上予測不能な部分があるのは否めない。
二人でそんな会話を交わしていると、もう既に墓石は目の前というところまで来てしまった。
と言うか、僕にも着物を着た老婆の姿が見えてしまった。
「ここここ、こんにちはっ!?あっ!?いや、こんばんはです!?あっ!?あの僕は荒木咲一輪と申しまする!」
僕は予想外の出来事に狼狽してしまい、幽霊に対ししどろもどろの挨拶に加え自己紹介までしてしまう始末と相なった。
下げた頭を恐る恐るゆっくり上げると、3mほどの至近距離にいらっしゃる老婆の霊は、無表情な顔を崩すこともなくジッとこちらを見つめているようだった。
僕は生まれて初めて人の姿をした幽霊と出会ってしまったのだが、不思議と恐怖心は湧かず、未桜の言った「悪い霊じゃない」の意味がなんとなくわかるような気がした。
さて、ここで問題です。
幽霊と会話を交わすことは果たして可能なのだろうか?
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