36 / 97
精神力UP!
しおりを挟む
「バキッ」というありきたりだが痛々しい音が聴こえた。手応えあり!
少年はその場に膝を落とし、力無くうつ伏せに倒れた。
「ナイス源九郎!」
ミーコは火の玉を無事に回避出来たようである。
「ミーコもグッジョブ!」
本気で攻撃出来なかったとはいえ、何度もやばい場面があった人生初の戦闘は終了。
少年が契約で得た“悪鬼”が強力な事は実戦を踏まえだいたい理解した。上がっていく身体能力、武器を具現化、遠距離攻撃可能、まだまだ未知数な部分は多いが...
「始めるか」
倒れている少年の頭部に右手を当てる。出てきたスキルは“身体能力UP”、“武器能力UP”、そしてお目当の“精神力UP”。俺は迷わず“精神力UP”を発動させた。
現状でベストなスキルがあって善かった。胸を撫で下ろしホッとする。
「源九郎、今ソイツに何したんだ?」
終始傍観していたミニョルが問う。
「人間でいうところのおまじないをかけたんだ。これで悪鬼を制御できるはず」
無限覚醒の存在を知られる訳にはいかないので俺は半分適当に答えた。
「ミニョル、この子を事務所まで運んでくれないか?怪我の手当てをしてあげたいんだ」
「ああ、いいぜ。大事なパートナーだからな」
ほう、コイツでもそんな言葉使うんだな。
実は良い奴かもしれない...
事務所に帰り着き、1時間ほど経過して少年は目を覚ました。
「お、目が覚めましたね阿波尻さん。怪我の痛みはどうですか?」
「え、僕は怪我したんですか?っ痛!」
顎を抑え痛みを堪えている。
「骨は大丈夫ですか?」
「普通に話すと少し痛む程度だから大丈夫です」
善かったと思う反面、顎の骨を砕いたと確信していたのにこの程度のダメージ。悪鬼は防御力もかなりあるらしい。
俺は此処までの経緯を、無限覚醒の件を除いて説明した。
「えっと、僕は悪鬼状態の記憶が無いんですけど、次に使用した時は気絶せずにスキルを制御できると考えて良いんでしょうか?」
「100%の保証は出来ないけれど、強力なまじないをかけたので大丈夫だと思いますよ」
「念のため試してみたいですけど、今日は疲れてしまったので止めておきます」
「ですね。それが良いでしょう」
時計を見ると10時過ぎだった。
「あの、料金の方はおいくらでしょうか?」
「将来の戦友から金銭は受け取れないな。
代わりと言っては何だが、治志と呼んで良いかい?俺と友達になってくれ!」
と右手を差し出す。
「え、構わないですし良いんですか!?ありがとうございます!」
堅い握手を交わす。これでまた仲間が増えた。こうなったら100人目指してみようじゃないか!いや多過ぎだな。
少年はその場に膝を落とし、力無くうつ伏せに倒れた。
「ナイス源九郎!」
ミーコは火の玉を無事に回避出来たようである。
「ミーコもグッジョブ!」
本気で攻撃出来なかったとはいえ、何度もやばい場面があった人生初の戦闘は終了。
少年が契約で得た“悪鬼”が強力な事は実戦を踏まえだいたい理解した。上がっていく身体能力、武器を具現化、遠距離攻撃可能、まだまだ未知数な部分は多いが...
「始めるか」
倒れている少年の頭部に右手を当てる。出てきたスキルは“身体能力UP”、“武器能力UP”、そしてお目当の“精神力UP”。俺は迷わず“精神力UP”を発動させた。
現状でベストなスキルがあって善かった。胸を撫で下ろしホッとする。
「源九郎、今ソイツに何したんだ?」
終始傍観していたミニョルが問う。
「人間でいうところのおまじないをかけたんだ。これで悪鬼を制御できるはず」
無限覚醒の存在を知られる訳にはいかないので俺は半分適当に答えた。
「ミニョル、この子を事務所まで運んでくれないか?怪我の手当てをしてあげたいんだ」
「ああ、いいぜ。大事なパートナーだからな」
ほう、コイツでもそんな言葉使うんだな。
実は良い奴かもしれない...
事務所に帰り着き、1時間ほど経過して少年は目を覚ました。
「お、目が覚めましたね阿波尻さん。怪我の痛みはどうですか?」
「え、僕は怪我したんですか?っ痛!」
顎を抑え痛みを堪えている。
「骨は大丈夫ですか?」
「普通に話すと少し痛む程度だから大丈夫です」
善かったと思う反面、顎の骨を砕いたと確信していたのにこの程度のダメージ。悪鬼は防御力もかなりあるらしい。
俺は此処までの経緯を、無限覚醒の件を除いて説明した。
「えっと、僕は悪鬼状態の記憶が無いんですけど、次に使用した時は気絶せずにスキルを制御できると考えて良いんでしょうか?」
「100%の保証は出来ないけれど、強力なまじないをかけたので大丈夫だと思いますよ」
「念のため試してみたいですけど、今日は疲れてしまったので止めておきます」
「ですね。それが良いでしょう」
時計を見ると10時過ぎだった。
「あの、料金の方はおいくらでしょうか?」
「将来の戦友から金銭は受け取れないな。
代わりと言っては何だが、治志と呼んで良いかい?俺と友達になってくれ!」
と右手を差し出す。
「え、構わないですし良いんですか!?ありがとうございます!」
堅い握手を交わす。これでまた仲間が増えた。こうなったら100人目指してみようじゃないか!いや多過ぎだな。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
その男、人の人生を狂わせるので注意が必要
いちごみるく
現代文学
「あいつに関わると、人生が狂わされる」
「密室で二人きりになるのが禁止になった」
「関わった人みんな好きになる…」
こんな伝説を残した男が、ある中学にいた。
見知らぬ小グレ集団、警察官、幼馴染の年上、担任教師、部活の後輩に顧問まで……
関わる人すべてを夢中にさせ、頭の中を自分のことで支配させてしまう。
無意識に人を惹き込むその少年を、人は魔性の男と呼ぶ。
そんな彼に関わった人たちがどのように人生を壊していくのか……
地位や年齢、性別は関係ない。
抱える悩みや劣等感を少し刺激されるだけで、人の人生は呆気なく崩れていく。
色んな人物が、ある一人の男によって人生をジワジワと壊していく様子をリアルに描いた物語。
嫉妬、自己顕示欲、愛情不足、孤立、虚言……
現代に溢れる人間の醜い部分を自覚する者と自覚せずに目を背ける者…。
彼らの運命は、主人公・醍醐隼に翻弄される中で確実に分かれていく。
※なお、筆者の拙作『あんなに堅物だった俺を、解してくれたお前の腕が』に出てくる人物たちがこの作品でもメインになります。ご興味があれば、そちらも是非!
※長い作品ですが、1話が300〜1500字程度です。少しずつ読んで頂くことも可能です!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる