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第143話 硬直

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 混乱して硬直した二人。

 見かねた七体の地蔵の一人が他の者達を叱る。

「お主らが一斉に喋るもんだからこの者どもが混乱しておるではないか。長男であるこの一蔵代表してが喋るからお主らは黙っておれ」

「...........」

 どうやらこの七体の地蔵は兄弟であり、今しがた叱ったのが長男で兄弟のまとめ役を務めているらしく、他の地蔵達は気圧され押し黙ってしまった。

「そこの誠実に正しく生きておる夫婦。ふざけたことや悪いことは申さん。荷の中にある悍ましき女の人形はここに置いていくが良い」

「...........」

 黙ったまま硬直の解けない清兵に代わりトキが口を開く。

「お、お地蔵様。荷の中の人形は私らの愛する娘のためにいただいた物です。娘の喜ぶ顔を見たく、これを簡単に手放すわけにはいきませぬ」

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