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第100話 鼻水
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「...確かに冷んやりしておるわい。じゃがこの程度では儂の身体を凍えさせるのは不可能、じゃな」
仙花の肌は凍るほどの冷気に晒され、人が触れればその冷たささに仰天するであろうくらいに冷えてはいた。
だが常人が凍えた時に見せる血の毛が引いた青白さは表面には出ておらず、未だに赤みのある生気を漂わす顔色に、彼女が痩せ我慢で言っているのではないことが見て取れる。
「おおお、お主ぃ、ほほほんとうに、にに人間かか??」
逆に仙術を放った当人の天心の肌は青白くなり、今にも凍えて死んでしまうのではないかと思われるほどガタガタと震えあがっていた。
「天心よ。悪いことは言わぬ、術を解いた方がお主の身のためだぞ」
「...........ししし、仕方、あああるまいぃぃぃ...かかか解ぃぃぃ」
鼻から流れ出る鼻水さえキンキンに凍りついている彼は、同じく凍りついてしまった腕をゆっくりと、可能な限り上へ動かし仙術を解いたのだった。
すると日本の寒さを遥かに超えていた寒さが一気に和らぎ、洞穴の部屋は元の温度を取り戻す。
暫くして、へたり込む天心へ近づいた仙花が彼の肩を「ポン」と叩き。
「どうじゃ。第二の試練は合格ということで大丈夫じゃな?」
仙花の肌は凍るほどの冷気に晒され、人が触れればその冷たささに仰天するであろうくらいに冷えてはいた。
だが常人が凍えた時に見せる血の毛が引いた青白さは表面には出ておらず、未だに赤みのある生気を漂わす顔色に、彼女が痩せ我慢で言っているのではないことが見て取れる。
「おおお、お主ぃ、ほほほんとうに、にに人間かか??」
逆に仙術を放った当人の天心の肌は青白くなり、今にも凍えて死んでしまうのではないかと思われるほどガタガタと震えあがっていた。
「天心よ。悪いことは言わぬ、術を解いた方がお主の身のためだぞ」
「...........ししし、仕方、あああるまいぃぃぃ...かかか解ぃぃぃ」
鼻から流れ出る鼻水さえキンキンに凍りついている彼は、同じく凍りついてしまった腕をゆっくりと、可能な限り上へ動かし仙術を解いたのだった。
すると日本の寒さを遥かに超えていた寒さが一気に和らぎ、洞穴の部屋は元の温度を取り戻す。
暫くして、へたり込む天心へ近づいた仙花が彼の肩を「ポン」と叩き。
「どうじゃ。第二の試練は合格ということで大丈夫じゃな?」
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