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第28話 格好

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 求めていた通りの答えを聞いた柚須灘の顔が険しさを増す。

「ふむ、ありがとう真如、下がって良いよ。時に雲峡ちゃん、わたしに嘘をつくとはどういう困った了見なのかしら?」

 追い詰められたかに見えた雲峡であったが、バレバレで不得意な嘘を続けることを止め、あからさまに開き直った顔で応じる。

「カカッ!そんなもの知れたこと!我が格好良く亜孔雀を倒したのにも関わらず、奴の身柄を封じず、いつの間にやら連れ去られたのだから仕方がないではないかぁっ!!!!!」

 開き直った上にタガが外れた雲峡の大音声が至近距離にいる柚須灘の耳にうるさく響く!

 「仕方がないではないかぁっ!!!!ないではないかぁっ!!!ないかぁっ!!かぁっ!...」
 柚須灘の頭の中で繰り返された雲峡の声が消え、一瞬びっくりして固まっていた彼女の唇が動く。

「...う、雲峡ちゃん。二度と、二度とわたしの近くで叫ばないでくれるかしら...鼓膜が破けてしまうところじゃない...」

「其方が我のことを追い詰めるからだ。それより柚須灘、真如に口を割らせるために仙術を使ったな?」

 雲峡の問いに、険しかった柚須灘の表情が和らぎ微笑ましい美しさを取り戻す。

「フフフ♪ バレないように上手くやってたつもりなのだけれど...流石は雲峡ちゃん。わたしが見惚れて見込んだ仙人ねぇ♪」

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