19 / 19
エピローグ
しおりを挟む
「報告します。先程、ロタール連邦の東支部が壊滅したとのことです。それと、こちらを」
「なるほど……よろしい。下がれ」
部下の報告を聞き終えた調教師は、悦に浸りながら椅子の上で組んだ足を入れ替える。また手渡された詳細な紙面にも、視線を滑らせて頷いた。
「笑いが止まらなくなるくらい、順調だ。このまま行けば、東部戦線の陥落も時間の問題だな」
「はい。指示は全て的確でした。連邦の各地で混乱を招いているようです」
「悪くないな。捕虜は全員捕らえて調教施設送りにしろ。一人も逃がすな……貴重な労働力だからな」
「了解しました」
調教師は手を振って部下を下がらせる。
アルフを堕としてロタール軍を壊滅させる有力な情報を得たことにより、調教師である男も昇進し少佐となり、この前線司令室で指揮をとれるほどに出世していた。
喉の奥で笑いを零しながら、かかとを鳴らす。
「この調子でロタールの奴らを調教し、一人残らず服従させていけば、連邦どころかいずれこの帝国そのものを支配することも夢ではないな」
ふんぞり返りながらも、その横顔は野心に満ちている。元より調教師になったのも、連邦のためではなく自分の欲望を満たすことが理由だった。
上層部に忠義を尽くす意思はさっぱり無いが、この国に逆らう気も無い…今のところは。
「この世のどんな殺戮兵器も、女体化ナノマシンには敵わないだろう。我ながら素晴らしいものを開発した……あの力さえあれば、どんなに屈強な人間でもたちまち手駒に成り下がる。スパイにも活用出来るだろうな。幸い今はどこも圧倒的な人不足だ。その点ナノマシンの技術は、無限に労働力を生み出すことの出来る最強の兵器だ」
男はつらつらと野心を語る。
決して独り言ではなく、男の視線は傍らにずっと立たせてたアルフに向けられていた。
「流石です……ご主人様のお考えは、本当に素晴らしいものです。私も一生、ご主人様について行きますね」
肩肘を付いて横目で見下ろす調教師は、アルフの返答に満悦げに笑った。
「当たり前だろう? 特等席で、俺が国を掌握する光景を見ているが良い」
「はい、勿論です。ご主人様?」
調教師の高笑いが部屋に響く。
アルフも長い白髪を揺らして大きな胸に手を当て、紫の瞳をうっとりと細めた。
その日、ロタール連邦の東部戦線は瓦解し、アウライ帝国の占領を受ける事となった。
多数のロタール軍人が捕虜となり、帝国内の特殊主要施設へと送られ調教拷問を受ける事となった。
ーーーーーーー
読了ありがとうございます。
お楽しみ頂けましたら幸いです。
今後も新作を投稿していきますので、もしよければ作者お気に入りユーザー登録いただけると大変励みになります。
「なるほど……よろしい。下がれ」
部下の報告を聞き終えた調教師は、悦に浸りながら椅子の上で組んだ足を入れ替える。また手渡された詳細な紙面にも、視線を滑らせて頷いた。
「笑いが止まらなくなるくらい、順調だ。このまま行けば、東部戦線の陥落も時間の問題だな」
「はい。指示は全て的確でした。連邦の各地で混乱を招いているようです」
「悪くないな。捕虜は全員捕らえて調教施設送りにしろ。一人も逃がすな……貴重な労働力だからな」
「了解しました」
調教師は手を振って部下を下がらせる。
アルフを堕としてロタール軍を壊滅させる有力な情報を得たことにより、調教師である男も昇進し少佐となり、この前線司令室で指揮をとれるほどに出世していた。
喉の奥で笑いを零しながら、かかとを鳴らす。
「この調子でロタールの奴らを調教し、一人残らず服従させていけば、連邦どころかいずれこの帝国そのものを支配することも夢ではないな」
ふんぞり返りながらも、その横顔は野心に満ちている。元より調教師になったのも、連邦のためではなく自分の欲望を満たすことが理由だった。
上層部に忠義を尽くす意思はさっぱり無いが、この国に逆らう気も無い…今のところは。
「この世のどんな殺戮兵器も、女体化ナノマシンには敵わないだろう。我ながら素晴らしいものを開発した……あの力さえあれば、どんなに屈強な人間でもたちまち手駒に成り下がる。スパイにも活用出来るだろうな。幸い今はどこも圧倒的な人不足だ。その点ナノマシンの技術は、無限に労働力を生み出すことの出来る最強の兵器だ」
男はつらつらと野心を語る。
決して独り言ではなく、男の視線は傍らにずっと立たせてたアルフに向けられていた。
「流石です……ご主人様のお考えは、本当に素晴らしいものです。私も一生、ご主人様について行きますね」
肩肘を付いて横目で見下ろす調教師は、アルフの返答に満悦げに笑った。
「当たり前だろう? 特等席で、俺が国を掌握する光景を見ているが良い」
「はい、勿論です。ご主人様?」
調教師の高笑いが部屋に響く。
アルフも長い白髪を揺らして大きな胸に手を当て、紫の瞳をうっとりと細めた。
その日、ロタール連邦の東部戦線は瓦解し、アウライ帝国の占領を受ける事となった。
多数のロタール軍人が捕虜となり、帝国内の特殊主要施設へと送られ調教拷問を受ける事となった。
ーーーーーーー
読了ありがとうございます。
お楽しみ頂けましたら幸いです。
今後も新作を投稿していきますので、もしよければ作者お気に入りユーザー登録いただけると大変励みになります。
20
お気に入りに追加
547
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(7件)
あなたにおすすめの小説

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
スーツ調教…すごい!
完結お疲れ様でした。
面白かったです。
読了ありがとうございました!
次回作もよろしくお願いします。
アルフちゃんもう完全に女の子!
ここから最後の仕上げに入ります('ω')