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第4話 調教スーツ

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 アルフらが通されたのは、ずらりと左右の壁に扉の並んだ廊下だった。扉の上には番号が表示されており、捕虜一人ごとに部屋が割り当てられているらしい。

「ここがお前たちの部屋だ」

 アルフは調教師の様子を密かに伺い、089と表示された部屋へと入る。また部屋の扉の真横には、一つ一つカードキーをかざすような機械が付けられていた。
 入るのは自由だが、部屋を出るのにはカードキーが必要らしい。

(厄介だな……)

 その後は一人ずつ雑用の兵士から簡単な食事を配られ、自由時間が与えられた。

「随分とぬるい警備だな」

 一時間も用意された休憩時間に、驚きを通り越してアルフはあきれ果てる。それほど、絶対に逃げられないという自信があるのだろうか。

(舐められたものだな……逆にじっくりと有効活用させて貰うか)

 部屋にはベッドとテーブル、トイレと最低限必要なもの以外は何も無く、使えそうなものは見受けられなかった。とはいえ時間はたっぷりとある。

 どうしてか、部屋にはシャワーもないというのに排水溝が設置されていた。休息を取るためのベッドも置かれているというのに、水周りに関するものが設置されているのはあまりに不自然だ。

「ん……」

 そう思ったところで何かがアルフを揺らす。

「なんだ……誰だ!?」

 不意に全身にぞわっと違和感を感じ、弾かれたようにアルフは立ち上がる。

「は……一体、何が起こって……」

 視線を下げれば、ひとりでにスーツが、胸周りと股間を中心に震え始めていた。驚きの表情を浮かべたアルフだったが、次第にその顔が崩れていく。

「くっ、ふ……!?」

 その際にいつも股間にぶら下がっていたものが消滅していること、自分が本当に女性に変えられてしまったのだということを、否応にも知らしめられる。

「っぁ……は…何だ、これはっ…!スーツが動いている、のか……!?」

 ぴったりと皮膚に張り付いてきたスーツは、そのまま小刻みに揺れる。
 一度も触ったことの無い乳首を振動させられ、くすぐったさが湧き上がる。

「くっ、アウライ人め……悪趣味なものを開発して……!! 」

 道理でやたらと長い自由時間を設定されているわけだ、アルフは遅ればせながら理解した。このために、わざわざ一時間もの猶予が与えられていたのだ。決して休憩を取らせるわけではなく、スーツに責められ調教される。

 スーツが動く毎に直接揺れがダイレクトに伝わってきて、アルフはふらついた。

「くそっ、この……やめろっ、揺らすな、気色悪い! そんな所を弄り回して何になる……!」

 特に、両乳首を集中的にこね回される。最初の方こそ違和感しかなかったが、なんとも言い難い痺れが腰から生まれ始めた。

「あっ……ふぅ……これは……」

 縮こまっていた乳首をギュッギュッと押され、引っ張りあげて乳輪をくすぐるようにさすさすと可愛がってくる。しゅるりとスーツに周りを囲われ、紐を引っ掛けるかのように強く巻き付かれて上向きに引っ張られ、アルフは甘く呻いた。

 繰り返されていくうちに、刺激される乳首は首をもたげて大きくしこっていく。
 さらに生き物のように蠢くスーツがそこを食い締め、堪らずアルフは肩を跳ね上げた。息が上がっていき、ぞわぞわとした刺激が少しずつ大きくなっていった。

(な、何だこの感覚は……こんなの知らないっ……! )

 鳥肌が立つほどの刺激だと自覚したアルフは、息を飲んだ。

「これが、女の快感とでも言うのか……? 」

 男とはまた違い、乳首を擦り立てられる度に疼きのような感覚がせり上がってくる。
 堪らず、アルフは唇を固く噛んだ。この部屋も監視されているかもしれない。みっともない真似を見せたくはなかった。

「やめろっ……う、そうだ……このスーツが原因なら……!」

 ようやくスーツを脱がしてしまえば良い、という発想に至ったアルフはスーツのチャックに手を伸ばす。だが

「くぅ、何故だ、何故脱げないんだっ……!! うっ」

 スーツを掴んで流動を妨害しようと画策したアルフだったが、女性の力ではすぐに弾かれてしまう。
 薄くも伸縮性に富んだスーツは、自在に動きながら乳首をキュッと握る。

「ひ、ひ、ぅうっ…!!」

 快感を拾ってはいけない、ここで沈めば後は溺れるだけで戻れなくなる。そう痛いほど頭では分かっている。だというのに、ねっとりと反則的な手巧で摩擦されれば簡単に、その忍耐も崩れてしまう。
 強く膨らんだ乳首と、尖りぷっくりと濃い桃色に色付いたクリトリスを吸い上げられて悶絶する。

「っはあ、あ、あぁあっ! あぁあっ……やめっ、声、抑えられないぃっ……! うっ、あぁあ!! 」

 ズリズルズリズリ、と奥地から浅い所まで隙間も逃がさずに削られてしまうと、腰が浮いて尻が跳ねる。

「うっ、ひ、ひぐっ、やうぁあっ!」

 桃色に色付いた乳首を押しつぶされ、引き伸ばされた後は敏感なそこを絶妙な力加減で、リズム良くトントンと再度押し込まれる。

「うっ、くぅう……」

 形がくっきりと乳頭を強く挟んだまま、スーツは布地の中でめちゃくちゃに捏ねる。アルフの肩が幾度も跳ね、思考を食い荒らされる。
 スーツは股周りと乳首をクリクリとそれぞれ包み込みながら絶妙に動き、激しい性感が理性を溶かしていった。

「くぅう、ふうっ……!あっ、はふっ、うぅ……!! 」

 乳首を高速で弾かれて、アルフの身体が仰け反ると同時に、鼻にかかるような甘やかな声が溢れる。

「ひゃぅうっ、うっ、やぁあっ……! 」

 スーツだというのに濡れた音を立てて、よりきつめに股間にも吸い付いてくる。
 お前は雌なのだと言わんばかりに、女としての快感をアルフに刻み込む。

「はっ、こんな……私がっ……!!」

 股間と乳首をクリクリとさざめくスーツに擽られ、体から力が抜けていく。またビクンと背筋を痙攣させたアルフは、ついに立つことさえままならなくなってしまう。

「ふぁあ……あっ、ふぅう……ただの胸だと言うのに……こんなところで感じるなんて、屈辱だ……!」

 心では悔しいだけのはずだというのに、身体は確実に感じている。
 その場にへたり込み、アルフは熱い息を吐き出しながら真っ赤な顔で見悶える。

「屈してたまるか……!! 」

 スーツを脱ごうと背中に手を回しても、指がジッパーの上を虚しく滑るだけだ。どうしてか、自分の力ではジッパーを引き下ろすことが出来なかった。

「んっ、ぁああっ! そっ、そこばかりぃ……!」

 その間もねっとりと乳首を責めこまれ、身体から力が抜けてしまう。何か、どうにかして現状を打開する術はないか。緩やかに刺激されていた、股間への激しさが増した。

「く、このっ……」

 アルフのそこにはかつてはあったペニスの代わりに、女性の器官であるクリトリスが鎮座していた。スーツはしゅるりとうねったかと思うと、急にクリトリスを痛烈に締め上げてきた。

「ひぅっ、ぁああぁっ!?」

 ペニスを擦った時とは全く質の違う、重い快楽が響いてくる。
 たまらず叫んでしまったアルフだが、その自分の声の蕩けように驚かされた。

「そこはっ、ぁあううっ!」

 鋭い快熱に、ぴゅふりと秘部から熱い愛液が吹き出した。

「ふぁあ……! っは、ぁあ……んっ、ひぅうっ……!」

 全身を締め付けられつつ、クリトリス先端をスーツにすりすりと嬲られ、とても声が抑えられずその熱に没頭してしまう。

「違うっ、こ、こんなの私ではないっ……!!」

 自慰をしていた時とは比較にならないほどの、未知の快感にアルフは戸惑う。何とか感じまいと歯を食いしばるが、直ぐにその忍耐も解けていく。

 しゅるしゅるしゅるしゅる、と実に無機質ながらも不規則に猥動するスーツにしゃぶられる。

「んぅうっ! 」

 明らかに雌として感じるように、心身もろとも調教されている。そのことに気がついた彼は歯噛みする。

「その動きはダメだっ……やめろっ、その動き方は嫌だっ……!!」

 優しく先端を撫で摩すり、ゾクゾクと這い昇ってくる快楽の電流が止められない。
 初めて味わうクリトリスでの女としての快悦に、アルフは翻弄されるしかなかった。

「何なんだこれはぁ……っ!」

 アルフの股間から聞こえる衣擦れの音も、やがて粘着質な音が混ざり始めた。股を中心に小さくラバースーツは薄く灰色に湿っていて、カッと心地良さと羞恥で顔を真っ赤にする。

「き、気持ちよくっ…ひぅんっ! んっ、ふ…!! 」

 波立つスーツに責められている内にじわじわと、股の間の湿りは面積を広げていく。
 嫌でも乳首と股間を刺激されて女のように感じていると認知させられ、あまりの羞恥と屈辱に歯の音が震えた。

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