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第四章 絢爛のスクールフェスタ
第332話 謎の少女ハーディア
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建国祭当日。僕とアルフェ、ホムはヴァナベルとリゼルたちの計らいで、夜のライブステージの前まで、自由時間を過ごせることになった。
一般来場者を受け入れる午前十時までは、不測の事態に備えて生徒会の本部テントに控えてはいたものの、前日からの入念な準備もあって、特に問題なく一般来場者を迎えることができた。
「さあさあ、いらっしゃいませ、いらっしゃいませぇ! カナルフォード学園が総力を挙げて建国祭を盛り上げますわよぉ~!」
来賓や同じ学園の初等学部や大学部だけでなく、カナルフォード学園に住む一般市民らが次々と露店エリアへと向かってくる。マリーの合図で昼花火が数発上がると、来場者の中からもたくさんの拍手が沸き起こった。
「露店エリアは大盛況ね。リーフたちもそろそろ行ってきたら?」
「そーそー。来年のために、見識を深めないとだし、楽しんで!」
本部テントに控えているエステアとメルアに促され、僕たちはアルダ・ミローネを模した露店へと向かってゆっくりと歩き出した。
「これ、ワタシたちみーんなで作ったお祭りなんだよね。すごいなぁ」
駆け出して、お祭りの中に飛び込みたくなるような高揚感を抑えているのか、アルフェが頬を薔薇色に染めて息を弾ませている。日が差して温かい陽気ではあるが、その中でも薄く白く濁るくらいにアルフェの吐息が熱くなっているのがわかる。
「そうだね。メルアのあの口調だと、来年も僕たちでやりたがっているようだし、しっかり学んで吸収しないとね」
「来年もエステアを助けてくださるのですか、マスター?」
僕の発言が少し意外だったのか、ホムが立ち止まって改まった口調で訊ねる。
「エステアがそのつもりならね」
僕としても支えると決めた以上は、出来ることを続けたい。それが仮に生徒会でなくても、生徒会であっても僕としては同じことだ。もしかすると、Re:bertyとしての活動も今後も続いていくかもしれないし、僕たちの関係が今期の生徒会で終わりということではないだろう。
「……きっと、きっとそのつもりです。マスターがそばにいてくだされば、どんなに心強いことか……」
感激した様子でホムが胸に手を当てている。その隣でアルフェも大きく頷くと、笑顔で僕の腕に自分の腕を絡ませた。
「リーフはなんでも出来ちゃうし、すごいもんね。ワタシも置いて行かれないように頑張らなくちゃ」
「アルフェは充分頑張っているよ。それに、僕が置いていくことなんてないから安心して」
敢えてそう口にしなければと思ったのは、僕の進路のことをまだアルフェに話していないからだ。アルフェのことだから、自分の目指す道を曲げても僕についてくると言うかもしれない。だけど、学ぶ場所が変わったところで、僕のアルフェへの気持ちは変わらないのだから、アルフェにはアルフェの道を進んでもらいたいものだが……。
けれど、もしかすると勘の良いアルフェのことだから、僕の進路のことも薄々気がついているのかもしれないな。だからこそ、言わなくても伝わると甘えるのではなく、きちんと言葉にして伝えなければ。
「うん。そうだよね。リーフは優しいもん」
僕の言葉に安心したのか、アルフェが身体を寄せながら声を弾ませる。
「いつだって――」
だが、その言葉は不自然なところで途切れ、アルフェは突然歩みを止めてしまった。
「……アルフェ?」
一体どうしたのかとアルフェを見上げると、アルフェは浄眼を煌めかせて人混みに目を凝らしている。
「まさかイグニス――」
「いえ、違います」
僕の最大の懸念を真っ先に払拭してくれたのは、ホムの声だった。アルフェもホムの言葉に同意を示すように首を縦に振り、訪れた沢山の人で賑わう露店エリアの一角を指差した。
「あの子……一人で来たのかな……?」
アルフェが指差した先、青のストライプの日除けのある露店エリアの端に、アイスクリームを手にした黒い服の少女が姿を見せる。
「いえ、初等部の高学年とお見受けしますが……」
アルフェの問いかけにホムが難しい顔をする。初等部の生徒を始め、中等部に満たない生徒は迷子防止のため保護者同伴が義務づけられているのだ。
「声を掛けてみようか。迷子なら、本部テントに連れて行かないといけないし」
「うん」
アルフェが頷き、少し早足で少女へと近づく。近づいてくる僕たちの姿に気づいた少女は、不安がった様子もなく、挑発するような目で僕たちに微笑みかけた。
「ねえ、ちょっといいかな? お父さんとお母さんはどこ?」
「……なんだ? これならきちんと対価を払って買ったぞ」
アルフェの問いかけに、少し怪訝そうに少女が眉根を寄せる。
「いや、そうじゃなくて、君が迷子かどうかを確かめたいんだ。中等部の生徒ではないよね?」
「当たり前だ。子供扱いするでない。わらわを誰と心得る?」
少女は不服そうに頬を膨らませ、僕の目をじっと覗き込んできた。
「……子供というなら、お前の方がよほど子供であろうに……。ん? まあ、人を見た目で判断するなとは良く言ったものか……」
ぶつぶつと呟く声に、わけもなく背筋がぞくりとするのを感じた。意味ありげに呟かれた少女の言葉は、まるで初対面の僕がエーテル過剰生成症候群を患っていることを見抜いているようだ。
まあ、角や尻尾を着けて仮装して歩いているあたり、このお祭りを楽しみにしてきたようだし、そういうところを考えれば、子供らしさもちゃんとある。さっきのは僕の勘違いなのかも知れないな。
「……まあいい。ちょうどよかった。お前たち、わらわを案内するがいい」
尊大な口の利き方で、なにやら古めかしい一人称だ。もしかすると、僕たちの知らない何かのキャラクターの真似をしているのかも知れないな。
「案内してほしいんだね。じゃあ、一緒に行こっか。いいよね、リーフ、ホムちゃん?」
まあ、本人の話によると迷子ではないようだが、心配なので様子を見ておくのが良さそうだ。
「そうだね。放っておくわけにもいかないし、構わないよ」
アルフェの言葉に僕とホムも頷く。
「よしよし。いい心がけだ。ところで、わらわは綿飴とやらが食べたい。あれはどこにある?」
「アイスの近くにあったんだよ~。通り過ぎちゃったんだね」
今僕たちがいるのがしょっぱい系の食べ物を扱う青のストライプのエリアだ。甘い系は、ピンク色のストライプなので、ひとまず南側へ移動する必要があるだろう。
「綿飴、美味しいよね~。リーフのアイディアでいろんな味をおじさんが作ってくれて、嬉しかったなぁ~」
「ほうほう。あれはお前が考えたのか? 褒美をやらねばなるまい」
歩きながら説明するアルフェに対する少女の言葉は、なんだか不思議だった。アルフェは少女に話を合わせてか、別段気にすることもない様子で笑顔で会話を続けた。
「ありがとう。あ、リーフはこっちのお姉さんね」
「なるほど。お前の名はなんだ?」
「ワタシはアルフェ。こっちはホムちゃんだよ。あなたのお名前は?」
少女の問いかけにアルフェが自分とホムを紹介する。流れで名を聞かれた少女は、八重歯を覗かせてにっと笑った。
「わらわはハーディアじゃ」
「ハーディアちゃん? 黒竜神さまと同じ名前なんだね」
「まあな」
不思議そうに目を瞬くアルフェに、ハーディアと名乗った少女が尊大に相槌を打つ。その赤い瞳は、いつか僕がフェアリーバトルで召喚した黒竜神にどこか似ているような気がした。
一般来場者を受け入れる午前十時までは、不測の事態に備えて生徒会の本部テントに控えてはいたものの、前日からの入念な準備もあって、特に問題なく一般来場者を迎えることができた。
「さあさあ、いらっしゃいませ、いらっしゃいませぇ! カナルフォード学園が総力を挙げて建国祭を盛り上げますわよぉ~!」
来賓や同じ学園の初等学部や大学部だけでなく、カナルフォード学園に住む一般市民らが次々と露店エリアへと向かってくる。マリーの合図で昼花火が数発上がると、来場者の中からもたくさんの拍手が沸き起こった。
「露店エリアは大盛況ね。リーフたちもそろそろ行ってきたら?」
「そーそー。来年のために、見識を深めないとだし、楽しんで!」
本部テントに控えているエステアとメルアに促され、僕たちはアルダ・ミローネを模した露店へと向かってゆっくりと歩き出した。
「これ、ワタシたちみーんなで作ったお祭りなんだよね。すごいなぁ」
駆け出して、お祭りの中に飛び込みたくなるような高揚感を抑えているのか、アルフェが頬を薔薇色に染めて息を弾ませている。日が差して温かい陽気ではあるが、その中でも薄く白く濁るくらいにアルフェの吐息が熱くなっているのがわかる。
「そうだね。メルアのあの口調だと、来年も僕たちでやりたがっているようだし、しっかり学んで吸収しないとね」
「来年もエステアを助けてくださるのですか、マスター?」
僕の発言が少し意外だったのか、ホムが立ち止まって改まった口調で訊ねる。
「エステアがそのつもりならね」
僕としても支えると決めた以上は、出来ることを続けたい。それが仮に生徒会でなくても、生徒会であっても僕としては同じことだ。もしかすると、Re:bertyとしての活動も今後も続いていくかもしれないし、僕たちの関係が今期の生徒会で終わりということではないだろう。
「……きっと、きっとそのつもりです。マスターがそばにいてくだされば、どんなに心強いことか……」
感激した様子でホムが胸に手を当てている。その隣でアルフェも大きく頷くと、笑顔で僕の腕に自分の腕を絡ませた。
「リーフはなんでも出来ちゃうし、すごいもんね。ワタシも置いて行かれないように頑張らなくちゃ」
「アルフェは充分頑張っているよ。それに、僕が置いていくことなんてないから安心して」
敢えてそう口にしなければと思ったのは、僕の進路のことをまだアルフェに話していないからだ。アルフェのことだから、自分の目指す道を曲げても僕についてくると言うかもしれない。だけど、学ぶ場所が変わったところで、僕のアルフェへの気持ちは変わらないのだから、アルフェにはアルフェの道を進んでもらいたいものだが……。
けれど、もしかすると勘の良いアルフェのことだから、僕の進路のことも薄々気がついているのかもしれないな。だからこそ、言わなくても伝わると甘えるのではなく、きちんと言葉にして伝えなければ。
「うん。そうだよね。リーフは優しいもん」
僕の言葉に安心したのか、アルフェが身体を寄せながら声を弾ませる。
「いつだって――」
だが、その言葉は不自然なところで途切れ、アルフェは突然歩みを止めてしまった。
「……アルフェ?」
一体どうしたのかとアルフェを見上げると、アルフェは浄眼を煌めかせて人混みに目を凝らしている。
「まさかイグニス――」
「いえ、違います」
僕の最大の懸念を真っ先に払拭してくれたのは、ホムの声だった。アルフェもホムの言葉に同意を示すように首を縦に振り、訪れた沢山の人で賑わう露店エリアの一角を指差した。
「あの子……一人で来たのかな……?」
アルフェが指差した先、青のストライプの日除けのある露店エリアの端に、アイスクリームを手にした黒い服の少女が姿を見せる。
「いえ、初等部の高学年とお見受けしますが……」
アルフェの問いかけにホムが難しい顔をする。初等部の生徒を始め、中等部に満たない生徒は迷子防止のため保護者同伴が義務づけられているのだ。
「声を掛けてみようか。迷子なら、本部テントに連れて行かないといけないし」
「うん」
アルフェが頷き、少し早足で少女へと近づく。近づいてくる僕たちの姿に気づいた少女は、不安がった様子もなく、挑発するような目で僕たちに微笑みかけた。
「ねえ、ちょっといいかな? お父さんとお母さんはどこ?」
「……なんだ? これならきちんと対価を払って買ったぞ」
アルフェの問いかけに、少し怪訝そうに少女が眉根を寄せる。
「いや、そうじゃなくて、君が迷子かどうかを確かめたいんだ。中等部の生徒ではないよね?」
「当たり前だ。子供扱いするでない。わらわを誰と心得る?」
少女は不服そうに頬を膨らませ、僕の目をじっと覗き込んできた。
「……子供というなら、お前の方がよほど子供であろうに……。ん? まあ、人を見た目で判断するなとは良く言ったものか……」
ぶつぶつと呟く声に、わけもなく背筋がぞくりとするのを感じた。意味ありげに呟かれた少女の言葉は、まるで初対面の僕がエーテル過剰生成症候群を患っていることを見抜いているようだ。
まあ、角や尻尾を着けて仮装して歩いているあたり、このお祭りを楽しみにしてきたようだし、そういうところを考えれば、子供らしさもちゃんとある。さっきのは僕の勘違いなのかも知れないな。
「……まあいい。ちょうどよかった。お前たち、わらわを案内するがいい」
尊大な口の利き方で、なにやら古めかしい一人称だ。もしかすると、僕たちの知らない何かのキャラクターの真似をしているのかも知れないな。
「案内してほしいんだね。じゃあ、一緒に行こっか。いいよね、リーフ、ホムちゃん?」
まあ、本人の話によると迷子ではないようだが、心配なので様子を見ておくのが良さそうだ。
「そうだね。放っておくわけにもいかないし、構わないよ」
アルフェの言葉に僕とホムも頷く。
「よしよし。いい心がけだ。ところで、わらわは綿飴とやらが食べたい。あれはどこにある?」
「アイスの近くにあったんだよ~。通り過ぎちゃったんだね」
今僕たちがいるのがしょっぱい系の食べ物を扱う青のストライプのエリアだ。甘い系は、ピンク色のストライプなので、ひとまず南側へ移動する必要があるだろう。
「綿飴、美味しいよね~。リーフのアイディアでいろんな味をおじさんが作ってくれて、嬉しかったなぁ~」
「ほうほう。あれはお前が考えたのか? 褒美をやらねばなるまい」
歩きながら説明するアルフェに対する少女の言葉は、なんだか不思議だった。アルフェは少女に話を合わせてか、別段気にすることもない様子で笑顔で会話を続けた。
「ありがとう。あ、リーフはこっちのお姉さんね」
「なるほど。お前の名はなんだ?」
「ワタシはアルフェ。こっちはホムちゃんだよ。あなたのお名前は?」
少女の問いかけにアルフェが自分とホムを紹介する。流れで名を聞かれた少女は、八重歯を覗かせてにっと笑った。
「わらわはハーディアじゃ」
「ハーディアちゃん? 黒竜神さまと同じ名前なんだね」
「まあな」
不思議そうに目を瞬くアルフェに、ハーディアと名乗った少女が尊大に相槌を打つ。その赤い瞳は、いつか僕がフェアリーバトルで召喚した黒竜神にどこか似ているような気がした。
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