139 / 396
第三章 暴風のコロッセオ
第139話 起死回生の一手
しおりを挟む
森を抜けた先は、小高い丘になっている。
本来であれば生い茂る木々の枝葉によって遮られているのだが、今はA組の火炎魔法による追撃で身を隠すことは出来なくなるだろう。
森からは無数の火の手と黒煙が上がり続けている。僕たちの姿はその煙と炎によってA組から隠されている状況だ。
きっと煙が晴れれば演習場の全体が見渡せるだろうから、僕としては好都合なのだけれど。
「……追ってくるわけじゃなさそうだな」
視界が遮られている分、兎耳族の耳を働かせたヴァナベルが安堵の息を吐いた。
「ヴァナベルとヌメリン、ファラは近接攻撃だからね。不用意に近づいたりはしないよ。そもそも、A組の作戦は、魔法科の生徒を中心とした遠距離攻撃主体の編成だ」
これから話す作戦が伝わりやすいように、自分なりの分析を交えて答える。ファラが何度も頷きながら相槌を打ち、僕の背中をぽんぽんと叩いた。
「にゃはっ、さすがリーフ。良く見てるな」
「そのために後方に下がっていたからね」
即戦力でもない自分は、A組からも見くびられているはずだろう。不用意に真なる叡智の書を出さなかったのは、やはり悪くない判断だったようだ。
「……けどよぉ。てめぇの話の通りだとしたら、A組はこのまま魔法で攻めてくるってことだろ? そんな相手にどうやって勝つんだよ」
「そうだよ~。魔法が使えるのは、もうアルフェしかいないよぉ~」
ヴァナベルの呟きにヌメリンも同意を示す。この状況を好転させるには、もう真なる叡智の書を使うしかないのだと、僕も覚悟を決めていたので二人に向けて示した。
「魔導書……」
「そう。これがあれば、僕も魔法が使える。しかも、エーテル過剰生成症候群のおかげで、魔力切れも起きない。もっとも、そのせいで身体の成長さえ止まってしまっているんだけどね」
病気のことを打ち明けると、ヴァナベルが気まずそうにヌメリンと顔を見合わせた。
「……そっか、病気か……」
低く呟いたヴァナベルが自分に苛立った様子で、後頭部を乱雑に掻いている。彼女の美しく長い髪が乱れるのを、ヌメリンが宥めるように撫でて元に戻した。
少しの間そうして気持ちを落ち着けたヴァナベルは、小さく低く「悪かった」と僕に呟いて、居心地悪そうにまた頭を掻いた。
「……でさ、気づいたんだけどよぉ。魔力切れが起きねぇっていうのは、地味に凄くねぇか? なんで魔法科じゃねぇんだよ」
想定していた質問ではあったが、実は努力家らしいヴァナベルっぽい質問ではあるな。
「僕には魔法の才能がない。だから、これで幾つかの手順を省略しているんだ」
「マスターは、錬金術が専門です。その類い希なる技術で生み出された真なる叡智の書をお持ちになれば、マスターの魔法戦闘力はアルフェ様に匹敵します」
珍しく率先してホムが補足する。やっと僕の実力をヴァナベルに知らしめることができるとあって、喜んでいるのかもしれないな。
とはいえ、ホムを真に喜ばせるためには、絶対に勝たなければならないのだけれど。
「んで、起死回生のアイディアとやらはなんなんだ? A組が魔力切れになるまでここで粘るってわけじゃねぇよな?」
「もちろんだ。それを今から説明する」
A組に勝つためにはこれしかないと分かっていても、面と向かってこの作戦をヴァナベルに伝えるのは、少しだけ緊張するな。
ヌメリンを囮にしなければ成立しない作戦を、果たしてヴァナベルが承諾してくれるだろうか。
「……まず、ヌメリン。出来るだけ前に出て、目立つように地面に戦斧を叩き付けてくれ。土煙を巻き起こしたい」
「あ~い」
ヌメリンの目を見て、極力ゆっくりとした口調で話す。ヌメリンはいつもの間の抜けた返事をすると、微笑んだ。
「出来るだけ連続で続けてほしい」
「それで勝てるならぁ~」
ヌメリンの快諾にホッとしたのも束の間、ヴァナベルが鋭い視線で僕を睨んだ。
「……なあ、それってヌメを囮に使うってことか?」
「ああ、そうだ」
作戦には絶対の自信を持っている。これしか方法がないこともヴァナベルも薄々はわかっているはずだ。
「アルフェとお前の魔法じゃダメなのか? 土煙を上げるくらい出来んだろ?」
「僕が魔法を使えることがわかれば、作戦が機能しなくなる。アルフェには別のことに魔力を使ってもらう必要がある」
A組の次の攻撃までの時間を稼いでくれている煙が、だんだんと収まってきた。あまり時間に猶予はないが、ここできちんとヴァナベルに納得してもらわなければ、どんな行動に出るかわからないな。
「ワタシだったら――」
「そのお考えには賛同しかねます、アルフェ様」
アルフェがなにを言おうとしているのかいち早く察したホムが、その先を遮った。
「魔力切れを早めては、マスターの作戦を台無しにしてしまいます。ファラ様もヴァナベルも魔法を使えませんし、土煙を巻き上げるほどの力もありません。ヌメリン以外にこの役割を果たせるとは思えません」
「先陣を切ってそれなら、目立つだろ!」
淡々と説明するホムに苛立ちを隠さず、ヴァナベルが声を荒らげた。
「A組には当然狙われるってわけだ。オレはそんな危険な作戦に親友を晒したくないから、諦めろって言ったんだぜ? それなのに――」
「ベル!」
食い下がるヴァナベルの名を、ヌメリンが強く諫めるように叫ぶ。
「諦めるなんて言わないでよぉ! ベルはいつでも格好良くて諦めないベルでいて!」
「けど、お前が――」
「その魔剣はベルの不屈の精神の象徴でしょぉ~! 忘れちゃったのぉ~!」
今にも泣きそうな顔のヌメリンが、魔剣を手にしたヴァナベルの手首を掴んで揺さぶる。
「忘れるわけねぇだろ! けど、勝つためとはいえ、親友を囮にして、犠牲にするって言われて従えるかよ!」
「ヌメのせいでベルが諦める方がヤダ!」
ヌメリンはきっぱりと言い切り、ヴァナベルの両頬をがっちりと両手で押さえた。ヌメリンの手を離れた戦斧が地面に落ち、重々しい音を立てる。
「ヌメ、お前……」
「小さい頃、雪山で遭難したときもそうだったでしょ。あのときみたいに、『絶対大丈夫、オレに任せろ』って言ってよぉ~」
ヌメリンの目からぽろぽろと涙が零れ始める。ヴァナベルは狼狽えた様子で魔剣を鞘に戻すと、手の甲でヌメリンの目許を拭いはじめた。
「ベル~~~」
「……わぁったよ! わぁったから、べそべそ泣くんじゃねぇ!」
やれやれ、これでやっとヴァナベルを説得出来たようだ。
「……それじゃあ、続けよう。もうあまり時間もなさそうだ」
「だな。ヌメリンを囮にするのはわかったけどさ、あたしとヴァナベルは出番ナシってわけじゃないよな?」
ファラが魔眼でA組の様子を見透しながら聞いてくる。瞳に浮かぶ紋章のような模様が消えたところを見ると、今すぐ危険な状態に陥るという状況ではなさそうだ。
「もちろん。ファラを先頭にして、A組を奇襲する。出来そうかな?」
「まあ、あたしにはこの眼があるからな」
にっと笑い、ファラが目許をとんとんと指で叩いて示す。
「オレの俊足で突っ込んでやるよ。オレたちが目立てばヌメから気も逸らせるだろうしな」
「ベル~」
先ほどまでとは打って変わって、力強く頼もしい声になったヴァナベルが胸を張る。そこにヌメリンが飛び込んだ。
「だから、お前は泣くなって言ってんだろ、ヌメ~!」
良くも悪くも残っていたのがこの二人で良かった。お互いの強い信頼が互いを守ることに繋がるだろうし、かなりの時間を稼いでくれるはずだ。
本来であれば生い茂る木々の枝葉によって遮られているのだが、今はA組の火炎魔法による追撃で身を隠すことは出来なくなるだろう。
森からは無数の火の手と黒煙が上がり続けている。僕たちの姿はその煙と炎によってA組から隠されている状況だ。
きっと煙が晴れれば演習場の全体が見渡せるだろうから、僕としては好都合なのだけれど。
「……追ってくるわけじゃなさそうだな」
視界が遮られている分、兎耳族の耳を働かせたヴァナベルが安堵の息を吐いた。
「ヴァナベルとヌメリン、ファラは近接攻撃だからね。不用意に近づいたりはしないよ。そもそも、A組の作戦は、魔法科の生徒を中心とした遠距離攻撃主体の編成だ」
これから話す作戦が伝わりやすいように、自分なりの分析を交えて答える。ファラが何度も頷きながら相槌を打ち、僕の背中をぽんぽんと叩いた。
「にゃはっ、さすがリーフ。良く見てるな」
「そのために後方に下がっていたからね」
即戦力でもない自分は、A組からも見くびられているはずだろう。不用意に真なる叡智の書を出さなかったのは、やはり悪くない判断だったようだ。
「……けどよぉ。てめぇの話の通りだとしたら、A組はこのまま魔法で攻めてくるってことだろ? そんな相手にどうやって勝つんだよ」
「そうだよ~。魔法が使えるのは、もうアルフェしかいないよぉ~」
ヴァナベルの呟きにヌメリンも同意を示す。この状況を好転させるには、もう真なる叡智の書を使うしかないのだと、僕も覚悟を決めていたので二人に向けて示した。
「魔導書……」
「そう。これがあれば、僕も魔法が使える。しかも、エーテル過剰生成症候群のおかげで、魔力切れも起きない。もっとも、そのせいで身体の成長さえ止まってしまっているんだけどね」
病気のことを打ち明けると、ヴァナベルが気まずそうにヌメリンと顔を見合わせた。
「……そっか、病気か……」
低く呟いたヴァナベルが自分に苛立った様子で、後頭部を乱雑に掻いている。彼女の美しく長い髪が乱れるのを、ヌメリンが宥めるように撫でて元に戻した。
少しの間そうして気持ちを落ち着けたヴァナベルは、小さく低く「悪かった」と僕に呟いて、居心地悪そうにまた頭を掻いた。
「……でさ、気づいたんだけどよぉ。魔力切れが起きねぇっていうのは、地味に凄くねぇか? なんで魔法科じゃねぇんだよ」
想定していた質問ではあったが、実は努力家らしいヴァナベルっぽい質問ではあるな。
「僕には魔法の才能がない。だから、これで幾つかの手順を省略しているんだ」
「マスターは、錬金術が専門です。その類い希なる技術で生み出された真なる叡智の書をお持ちになれば、マスターの魔法戦闘力はアルフェ様に匹敵します」
珍しく率先してホムが補足する。やっと僕の実力をヴァナベルに知らしめることができるとあって、喜んでいるのかもしれないな。
とはいえ、ホムを真に喜ばせるためには、絶対に勝たなければならないのだけれど。
「んで、起死回生のアイディアとやらはなんなんだ? A組が魔力切れになるまでここで粘るってわけじゃねぇよな?」
「もちろんだ。それを今から説明する」
A組に勝つためにはこれしかないと分かっていても、面と向かってこの作戦をヴァナベルに伝えるのは、少しだけ緊張するな。
ヌメリンを囮にしなければ成立しない作戦を、果たしてヴァナベルが承諾してくれるだろうか。
「……まず、ヌメリン。出来るだけ前に出て、目立つように地面に戦斧を叩き付けてくれ。土煙を巻き起こしたい」
「あ~い」
ヌメリンの目を見て、極力ゆっくりとした口調で話す。ヌメリンはいつもの間の抜けた返事をすると、微笑んだ。
「出来るだけ連続で続けてほしい」
「それで勝てるならぁ~」
ヌメリンの快諾にホッとしたのも束の間、ヴァナベルが鋭い視線で僕を睨んだ。
「……なあ、それってヌメを囮に使うってことか?」
「ああ、そうだ」
作戦には絶対の自信を持っている。これしか方法がないこともヴァナベルも薄々はわかっているはずだ。
「アルフェとお前の魔法じゃダメなのか? 土煙を上げるくらい出来んだろ?」
「僕が魔法を使えることがわかれば、作戦が機能しなくなる。アルフェには別のことに魔力を使ってもらう必要がある」
A組の次の攻撃までの時間を稼いでくれている煙が、だんだんと収まってきた。あまり時間に猶予はないが、ここできちんとヴァナベルに納得してもらわなければ、どんな行動に出るかわからないな。
「ワタシだったら――」
「そのお考えには賛同しかねます、アルフェ様」
アルフェがなにを言おうとしているのかいち早く察したホムが、その先を遮った。
「魔力切れを早めては、マスターの作戦を台無しにしてしまいます。ファラ様もヴァナベルも魔法を使えませんし、土煙を巻き上げるほどの力もありません。ヌメリン以外にこの役割を果たせるとは思えません」
「先陣を切ってそれなら、目立つだろ!」
淡々と説明するホムに苛立ちを隠さず、ヴァナベルが声を荒らげた。
「A組には当然狙われるってわけだ。オレはそんな危険な作戦に親友を晒したくないから、諦めろって言ったんだぜ? それなのに――」
「ベル!」
食い下がるヴァナベルの名を、ヌメリンが強く諫めるように叫ぶ。
「諦めるなんて言わないでよぉ! ベルはいつでも格好良くて諦めないベルでいて!」
「けど、お前が――」
「その魔剣はベルの不屈の精神の象徴でしょぉ~! 忘れちゃったのぉ~!」
今にも泣きそうな顔のヌメリンが、魔剣を手にしたヴァナベルの手首を掴んで揺さぶる。
「忘れるわけねぇだろ! けど、勝つためとはいえ、親友を囮にして、犠牲にするって言われて従えるかよ!」
「ヌメのせいでベルが諦める方がヤダ!」
ヌメリンはきっぱりと言い切り、ヴァナベルの両頬をがっちりと両手で押さえた。ヌメリンの手を離れた戦斧が地面に落ち、重々しい音を立てる。
「ヌメ、お前……」
「小さい頃、雪山で遭難したときもそうだったでしょ。あのときみたいに、『絶対大丈夫、オレに任せろ』って言ってよぉ~」
ヌメリンの目からぽろぽろと涙が零れ始める。ヴァナベルは狼狽えた様子で魔剣を鞘に戻すと、手の甲でヌメリンの目許を拭いはじめた。
「ベル~~~」
「……わぁったよ! わぁったから、べそべそ泣くんじゃねぇ!」
やれやれ、これでやっとヴァナベルを説得出来たようだ。
「……それじゃあ、続けよう。もうあまり時間もなさそうだ」
「だな。ヌメリンを囮にするのはわかったけどさ、あたしとヴァナベルは出番ナシってわけじゃないよな?」
ファラが魔眼でA組の様子を見透しながら聞いてくる。瞳に浮かぶ紋章のような模様が消えたところを見ると、今すぐ危険な状態に陥るという状況ではなさそうだ。
「もちろん。ファラを先頭にして、A組を奇襲する。出来そうかな?」
「まあ、あたしにはこの眼があるからな」
にっと笑い、ファラが目許をとんとんと指で叩いて示す。
「オレの俊足で突っ込んでやるよ。オレたちが目立てばヌメから気も逸らせるだろうしな」
「ベル~」
先ほどまでとは打って変わって、力強く頼もしい声になったヴァナベルが胸を張る。そこにヌメリンが飛び込んだ。
「だから、お前は泣くなって言ってんだろ、ヌメ~!」
良くも悪くも残っていたのがこの二人で良かった。お互いの強い信頼が互いを守ることに繋がるだろうし、かなりの時間を稼いでくれるはずだ。
0
お気に入りに追加
794
あなたにおすすめの小説
知らない異世界を生き抜く方法
明日葉
ファンタジー
異世界転生、とか、異世界召喚、とか。そんなジャンルの小説や漫画は好きで読んでいたけれど。よく元ネタになるようなゲームはやったことがない。
なんの情報もない異世界で、当然自分の立ち位置もわからなければ立ち回りもわからない。
そんな状況で生き抜く方法は?
乙女ゲームの世界に転生したと思ったらモブですらないちみっこですが、何故か攻略対象や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています
真理亜
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら...モブですらないちみっこでした。
なのに何故か攻略対象者達や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています。
更に更に変態銀髪美女メイドや変態数学女教師まで現れてもう大変!
変態が大変だ! いや大変な変態だ!
お前ら全員ロ○か!? ロ○なんか!? ロ○やろぉ~!
しかも精霊の愛し子なんて言われちゃって精霊が沢山飛んでる~!
身長130cmにも満たないちみっこヒロイン? が巻き込まれる騒動をお楽しみ下さい。
操作ミスで間違って消してしまった為、再掲しております。ブックマークをして下さっていた方々、大変申し訳ございません。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
殿下!死にたくないので婚約破棄してください!
As-me.com
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私。
このままでは冤罪で断罪されて死刑にされちゃう運命が待っている?!
死にたくないので、早く婚約破棄してください!
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる