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第二章 怪人”魔百合”
第25話
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「入部ぅ⁉」
「そっ。受け取ってもらうよ!」
先日の全部水に流そう計画が終了。
友情関係もそのままハッピーエンドを迎えると思っていた陽太の元に付きつけられたのは、まゆりの入部届だった。
「当たり前でしょ! あんなエロ本を学校に持ち込むような男と二人っきりなんて私が許さない!」
「い、いや、あれは先輩が置いてったもので――」
「エ、エロ本⁉」
「ち、違うんだって! 誤解だ!」
訂正をするも、奏音の生ごみを見るような目は変わらず。
どうして、と思うも、はっ、と先日書いたゼノスの物語が脳裏に浮かんだ。
触手ものとサキュバス――無意識に書いていたのだが、両方とも、先日持ち帰った大人の絵本は、異種間モノ。
内容があまりにもリンクしている。
「だから、小説のあのシーン……」
「小説?」
「ちょ、ちょっと……!」
「ほら、ここ」
「うわっ……サイテー」
「違うって……いや、違わなくないのか?」
「ヨウくん、見損なった」
「奏音ちゃん……!」
ひたすら攻められる陽太。
その様をけらけらと笑う二人は、悪魔のよう。
これは大変な毎日になる、と覚悟しつつ、まゆりの入部届にハンコを押して「はい、はい! 入部ありがと!」と話題を逸らすも、二人はすっかり小説に夢中。
「これ、アタシやられてるじゃん! 許せん!」
そういうと、まゆりは最後のシーンを書き足した。
◇
「魔百合、ふっかーつ!」
「わっ!」
「な、なんだ!」
カイザースラッシュはモンスターにだけ効く攻撃、だから魔百合はモンスターの部分だけ消え去り、人間としてのまゆりとなった!
「瀬野陽太! 奏音は渡さないぞ!」
「そっ。受け取ってもらうよ!」
先日の全部水に流そう計画が終了。
友情関係もそのままハッピーエンドを迎えると思っていた陽太の元に付きつけられたのは、まゆりの入部届だった。
「当たり前でしょ! あんなエロ本を学校に持ち込むような男と二人っきりなんて私が許さない!」
「い、いや、あれは先輩が置いてったもので――」
「エ、エロ本⁉」
「ち、違うんだって! 誤解だ!」
訂正をするも、奏音の生ごみを見るような目は変わらず。
どうして、と思うも、はっ、と先日書いたゼノスの物語が脳裏に浮かんだ。
触手ものとサキュバス――無意識に書いていたのだが、両方とも、先日持ち帰った大人の絵本は、異種間モノ。
内容があまりにもリンクしている。
「だから、小説のあのシーン……」
「小説?」
「ちょ、ちょっと……!」
「ほら、ここ」
「うわっ……サイテー」
「違うって……いや、違わなくないのか?」
「ヨウくん、見損なった」
「奏音ちゃん……!」
ひたすら攻められる陽太。
その様をけらけらと笑う二人は、悪魔のよう。
これは大変な毎日になる、と覚悟しつつ、まゆりの入部届にハンコを押して「はい、はい! 入部ありがと!」と話題を逸らすも、二人はすっかり小説に夢中。
「これ、アタシやられてるじゃん! 許せん!」
そういうと、まゆりは最後のシーンを書き足した。
◇
「魔百合、ふっかーつ!」
「わっ!」
「な、なんだ!」
カイザースラッシュはモンスターにだけ効く攻撃、だから魔百合はモンスターの部分だけ消え去り、人間としてのまゆりとなった!
「瀬野陽太! 奏音は渡さないぞ!」
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