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第二章 怪人”魔百合”
第22話
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あれだけ煽ったのにもかかわらず、陽太は素知らぬ顔で学校に来ている。
――なんでさっさと折れないんだ。
ターゲットが存外頑丈な精神を持ち合わせていることを知り、まゆりは眉をひそめた。
今すぐにでも陥れたいところだが、あまり表立って動きすぎると〝大人〟が出てくる可能性がある。
教員、教育委員会で終わるならまだいいが、言いがかりの内容が内容なだけに、警察まで話が運んでしまうとかなりの大事になってしまう。
そんな面倒ごとはご免だ。
理想は、陽太が折れて〝どうしたらいい〟と泣きついてくること。
そうすれば、エロ本を学校に持ち込むような村人Cを奏音から引きはがすことができる。
そうすれば、目的は達成、彼女の横にまたいられるようになる――。
「おはよー、まゆりー」
そんなことを考えていると、目的の達成に必要な味方であり、コラ画像を作ってくれた友人・高牧が登校してきた。
次いで、新田、鈴木と陥れに参加してくれた友人が顔を見せた。
「おはよー。ね、今日の放課後なんだけどさ――」
考える時間をあげると高を括っていたが、そろそろ強行に出てもいい頃合い。
今日からまた圧力をかけて――と思い、その提案をしようとしたのだが、「あ、ゴメン。今日の放課後はちょっとムリ!」と第一声で断られる。
他の三人も「ゴメン、私もー」「私もなんだ」「ごめんねー」と続き拒否の連続となった。
「え? 何かあるの?」
「うん。ちょっと仕事頼まれてさぁ」
「仕事?」
「そっ」
「プール掃除、人手が足りないからって」
「へ、へー。みんなで?」
「うん。だからホレ、着てきた」と、高牧は上着をめくる。
するとそこから、授業で使う紺色の水着が顔を出した。
「珍しいね、めんどくさそう」
「そう思ったんだけどねぇ。なんでも、内申に加点してくれるとか言うからさぁ」
「へー、いいじゃん。私も参加しよっかなぁ」
何気ない一言のつもりだったが、新田が「ダ、ダメ!」と珍しく強い否定を見せた。
フォローするように「ホラ、しばらく使ってなかったからかなり汚れてるみたいで、汚れてもいいような服ないといけないみたいでさ……まゆりの家遠いじゃん?」と鈴木が続く。
どこかいつもと違う様子の三人に違和感を覚え、問い詰めようとした瞬間、ホームルームの開始を告げるチャイムの音がまたしても邪魔をしてきた。
――怪しい。
結局、真相はわからないまま、まゆりの一日が始まった。
――なんでさっさと折れないんだ。
ターゲットが存外頑丈な精神を持ち合わせていることを知り、まゆりは眉をひそめた。
今すぐにでも陥れたいところだが、あまり表立って動きすぎると〝大人〟が出てくる可能性がある。
教員、教育委員会で終わるならまだいいが、言いがかりの内容が内容なだけに、警察まで話が運んでしまうとかなりの大事になってしまう。
そんな面倒ごとはご免だ。
理想は、陽太が折れて〝どうしたらいい〟と泣きついてくること。
そうすれば、エロ本を学校に持ち込むような村人Cを奏音から引きはがすことができる。
そうすれば、目的は達成、彼女の横にまたいられるようになる――。
「おはよー、まゆりー」
そんなことを考えていると、目的の達成に必要な味方であり、コラ画像を作ってくれた友人・高牧が登校してきた。
次いで、新田、鈴木と陥れに参加してくれた友人が顔を見せた。
「おはよー。ね、今日の放課後なんだけどさ――」
考える時間をあげると高を括っていたが、そろそろ強行に出てもいい頃合い。
今日からまた圧力をかけて――と思い、その提案をしようとしたのだが、「あ、ゴメン。今日の放課後はちょっとムリ!」と第一声で断られる。
他の三人も「ゴメン、私もー」「私もなんだ」「ごめんねー」と続き拒否の連続となった。
「え? 何かあるの?」
「うん。ちょっと仕事頼まれてさぁ」
「仕事?」
「そっ」
「プール掃除、人手が足りないからって」
「へ、へー。みんなで?」
「うん。だからホレ、着てきた」と、高牧は上着をめくる。
するとそこから、授業で使う紺色の水着が顔を出した。
「珍しいね、めんどくさそう」
「そう思ったんだけどねぇ。なんでも、内申に加点してくれるとか言うからさぁ」
「へー、いいじゃん。私も参加しよっかなぁ」
何気ない一言のつもりだったが、新田が「ダ、ダメ!」と珍しく強い否定を見せた。
フォローするように「ホラ、しばらく使ってなかったからかなり汚れてるみたいで、汚れてもいいような服ないといけないみたいでさ……まゆりの家遠いじゃん?」と鈴木が続く。
どこかいつもと違う様子の三人に違和感を覚え、問い詰めようとした瞬間、ホームルームの開始を告げるチャイムの音がまたしても邪魔をしてきた。
――怪しい。
結局、真相はわからないまま、まゆりの一日が始まった。
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