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第二章 怪人”魔百合”
第16話
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「ったく……面倒くさいったらありゃしない」
逃げ回るという行為に情けなさを感じながら、ゼノスは森の中を駆けていた。
今回の襲撃は学校ではなく、近所の山。
麓はよくピクニックやキャンプなどで小さい子供も利用する穏やかな場所で、今日、瀬野陽太――もとい、ゼノスも、友人の翔と奏音と、奏音の友人を名乗る女性、魔百合の四人でキャンプをする予定だった。
突如の襲撃により、二人を残して中断することになってしまったが、市街地よりも人が少ない分気にすることは少ない。
加えて、より被害を軽減するため、道から外れて森の中へ移動し敵を誘導したため、戦うことに専念することができる。
今、ゼノスが抱えている目下の課題は、敵の戦い方に対する対処方法だった。
先日の物量作戦が打ち破られたため、質重視で挑んでくると言うことは予想できていた。
しかし、予想外だったのは敵の形状だった。
――流石に撒けたか……?
七月の頭ともなると、森の葉っぱたちは青々と生い茂っている。
日本が水資源の豊富な土地である故の色だ。
傍目に見れば綺麗な深い緑なのだが、遭難者にとっては恐怖を感じるだろう色でもある。
これはどの方角を見ても同じ色しか見えないという不安と、見つけてもらいにくいという焦りを駆り立てるからだが、逆を返せば、身を隠すと考えるとこれ以上なく都合のいい色だ。
木陰に身を潜め、耳を澄ませる。
すると、ざわざわと葉同士が擦れ合う音や、遠くに流れる小川のせせらぎと共に、「おにーさんどこ?」と甘美な声が上空から降り注いだ。
その声に、ゼノスはビクリと体を震わせる。
身を隠す木の下から上空に目をやると、青々と茂っている葉の隙間から、敵の姿が見えた。
見えた影は、三つ。
前回の影とは違い、リアルな人、それも女性の形をしている。
話すこともできるようで、しきりにコンタクトを取ろうとしているし、最初の邂逅では表情や個性だって三者三様だった。
もうほぼ人間だが、空を飛ぶと言うこと以外に一点だけ、決定的に異なる部分がある。
それは、コウモリのような羽が背中から生えていること。
加えて、ハロウィンのコスプレやそういう趣味でも持っていなければ着ないような露出の多い服を着ていることもあり、ゼノスは空想上の生き物である〝サキュバス〟を想起していた。
偶然か、はたまた人間の文化を学習しているのかは定かではない……が、知性を持っているだけで戦いにくい。
加えて、敵の編成もその戦いにくさに拍車をかけていた。
敵の総数は四。
上空で偵察及び索敵をする三体のサキュバスと、それを操る本体が一体という構成だ。
本体を早々に叩いて指揮系統を断つことができれば残りの三体をテンポ良く処分できるのだろうが、制空権を握られているため隠密行動は限りなく不可能に近い。
加えて、本部のレーダーによると、本体がいる場所は視界が開けているキャンプスペース。
その擬態能力を持って一般人に溶け込んでいるため発見さえも困難という状況で、仮に発見できても被害を考えれば大技は使用できないという状況下にある。
つまり、できることは各個撃破しかない。
しかし、空を優雅に飛ぶサキュバスに攻撃できるような技はカイザースラッシュしか持ち合わせてなく、仮にこの一発を外したら変身が解けてしまい一巻の終わりだと考えると、とても現実的ではない。
――なんでまだ整備中なんだよ……。
もし今〝アレ〟が使えれば遠距離攻撃の問題もカイザースラッシュが一回限りという懸念も解消されるのに。
口の中で愚痴をため息と一緒に漏らしてから、ゼノスは自らの顔をパンッ、と叩いた。
いくら泣き言を言ったって後の祭り、今、現場にいる人間がなんとかしなくちゃ行けないことは自分がよくわかっている。
今ある選択肢の中で最善の方法を取るしかない。
今あるのは、戦闘服にムラマサブレードといった武装だけ。
サポートはあるが、遠距離武器などは使用許可を取っていないし、仮に特例として転送をしてもらっても慣れない武器を使用するのは危険が伴うから使用は避けたい。
その他の遠距離武器はなにかないかと考えると、まず真っ先に思いつくのは石。
幼いころは友達と投げあったりしていた記憶があるが、古来より戦場で使用されてきた古典的な武器だ。
殺傷能力があることは歴史が証明しているが、それは人に対して。
これまで邂逅してきた敵の防御力を踏まえると、あのサキュバスどもに通用するかと問われれば、限りなく〝ノー〟といわざるを得ない。
しかも石を投げると自分の居場所まで晒されることになる。
「せめて足止めくらいできれば話は違うんだけどな……」
「足止め、ですか」
「あぁ……そうすれば飛べなくても退治は――」といいかけたところで、突然言葉のキャッチボールが成立したという違和感に気づいたゼノスは「……へっ⁉」と振り返った。
「お久しぶりです」
背後にいたのは、奏音だった。
「な、どうして……」
前回名乗った際に簡単な任務内容を伝えたため、今日もその類いだと察しているのだろう。
「ごめんなさい、お仕事の邪魔しちゃって……」と語る表情には、申し訳ないという感情がにじみ出している。
「ま、それは別にいいんだが……どうしてこんなところに?」
「友達と遊びに来てたんです。クラスメイトと、最近仲良くなった女友達の四人で」と言うと、奏音は背負っていたリュックを前に持ってきて「ゼノスさん見かけたからこの間のお礼を言おうと思って追ってたら……アレに追いかけられて」と言いながら、ちらりと視線を上空へ移した。
「アレに?」
「はい。なんか、追いかけられて……無我夢中で逃げてたら、迷っちゃって」
はっきりとは言わないが、今の彼女は遭難の一歩手前にいるという状況だ。ここは危ないから離れていて、なんてことを指示しようものなら、本当の遭難者になることは目に見えている。
しかも、どういうわけか学校の周辺にしか出現せず一般人には危害を加えなかった敵に狙われているというオマケ付き。
前回と同様、彼女を庇いながら動くしかない。
「しょうがないな……」
まず優先すべきは、一般人たる彼女の安全。
木陰や茂みに身を隠しながらキャンプ場まで行ければ、学校に施した隠蔽結界と同じ効果を持つ結界が張ってあるため、ある程度の安全は担保されている。
問題は、どうやってそこまで行くかだ。
上空には飛び回る三体のサキュバス、足下は獣道の方がマシかと思うほど道なき道。
とても無事に届けられる自信はない。
「やっぱアレをどうにか対処しないとな……」
一番安全に送り届けることを考えても、今後の戦いを考えても、やはり行きつく先は上空のサキュバスを排除するべきと言う結論だ。
「この間みたいに、バァってやつで倒せないんですか?」といいながら奏音は剣を振る動作を見せる。
恐らく彼女が言っていることは、カイザースラッシュのこと。
一般人の前で全部引け開かせてしまったことに再度頭を悩ませながら「いや、それは無理。あれ一発が限界で、動けなくなるんだ」と頭を振った。
「私が囮になって引き寄せれば……」
「そんな危ないことさせられないって。せめて、足止めでもできれば話は違うんだけど……」
空中にいる敵はそれだけで回避力にアドバンテージを持つ。
数回の失敗が可能な、それこそ質より量が求められる場面だ。
何度も試せて、無力化もできて、勝負を決められるような都合が良いものがあるわけ――頭の中で諦めかけた瞬間、奏音が背負っていた物がゼノスの視界に入り込んだ。
「それ、何が入ってるの?」
「あ、これですか? 実は……」と、奏音は背負っているリュックを開き「パンを作ろうと思ってたんですよ」といくつかの材料を取り出した。
確かにリュックの中には、強力粉、バター、砂糖、塩、牛乳、卵、ドライイーストと必要な材料が一通り揃っている。
「キャンプでパン?」
「はい! 今日はカレーだし、ナンの代わりでもいいかなって。木の枝に巻き付けて焼くんですよ! 実は、私の幼馴染がパン好きで――」
そこまで奏音が言いかけたところで、ゼノスの脳裏に一つの選択肢が生まれる。
「なぁ、申し訳ないんだけどさ……これ、貰えない?」
「え? べ、別にいいですけど……何に使うんですか?」
「この状況を打破する、武器を作る」
リュックの中からソレを取り出し、ゼノスは笑みを浮かべた。
「武器って……強力粉で?」
そう呟く奏音は、強力粉を手にするゼノスとは対極的な表情を浮かべていた。
「あぁ。これで、サキュバスを捕まえる」
そんなバカな、と言わんばかりの表情の奏音。
なかなか学校生活では見せない表情に笑いつつ、ゼノスは「あとさ、さっき言った〝囮〟、頼んでもいいかな?」
「えっ⁉」
不安げな表情で驚きを見せるが、「大丈夫、必ず君は守る」とゼノスが言うと、「……わかりました」と力強く頷いた。
「よし。それじゃ、反撃開始だ」
そう言うと、ゼノスは強力粉の袋を開け放った。
逃げ回るという行為に情けなさを感じながら、ゼノスは森の中を駆けていた。
今回の襲撃は学校ではなく、近所の山。
麓はよくピクニックやキャンプなどで小さい子供も利用する穏やかな場所で、今日、瀬野陽太――もとい、ゼノスも、友人の翔と奏音と、奏音の友人を名乗る女性、魔百合の四人でキャンプをする予定だった。
突如の襲撃により、二人を残して中断することになってしまったが、市街地よりも人が少ない分気にすることは少ない。
加えて、より被害を軽減するため、道から外れて森の中へ移動し敵を誘導したため、戦うことに専念することができる。
今、ゼノスが抱えている目下の課題は、敵の戦い方に対する対処方法だった。
先日の物量作戦が打ち破られたため、質重視で挑んでくると言うことは予想できていた。
しかし、予想外だったのは敵の形状だった。
――流石に撒けたか……?
七月の頭ともなると、森の葉っぱたちは青々と生い茂っている。
日本が水資源の豊富な土地である故の色だ。
傍目に見れば綺麗な深い緑なのだが、遭難者にとっては恐怖を感じるだろう色でもある。
これはどの方角を見ても同じ色しか見えないという不安と、見つけてもらいにくいという焦りを駆り立てるからだが、逆を返せば、身を隠すと考えるとこれ以上なく都合のいい色だ。
木陰に身を潜め、耳を澄ませる。
すると、ざわざわと葉同士が擦れ合う音や、遠くに流れる小川のせせらぎと共に、「おにーさんどこ?」と甘美な声が上空から降り注いだ。
その声に、ゼノスはビクリと体を震わせる。
身を隠す木の下から上空に目をやると、青々と茂っている葉の隙間から、敵の姿が見えた。
見えた影は、三つ。
前回の影とは違い、リアルな人、それも女性の形をしている。
話すこともできるようで、しきりにコンタクトを取ろうとしているし、最初の邂逅では表情や個性だって三者三様だった。
もうほぼ人間だが、空を飛ぶと言うこと以外に一点だけ、決定的に異なる部分がある。
それは、コウモリのような羽が背中から生えていること。
加えて、ハロウィンのコスプレやそういう趣味でも持っていなければ着ないような露出の多い服を着ていることもあり、ゼノスは空想上の生き物である〝サキュバス〟を想起していた。
偶然か、はたまた人間の文化を学習しているのかは定かではない……が、知性を持っているだけで戦いにくい。
加えて、敵の編成もその戦いにくさに拍車をかけていた。
敵の総数は四。
上空で偵察及び索敵をする三体のサキュバスと、それを操る本体が一体という構成だ。
本体を早々に叩いて指揮系統を断つことができれば残りの三体をテンポ良く処分できるのだろうが、制空権を握られているため隠密行動は限りなく不可能に近い。
加えて、本部のレーダーによると、本体がいる場所は視界が開けているキャンプスペース。
その擬態能力を持って一般人に溶け込んでいるため発見さえも困難という状況で、仮に発見できても被害を考えれば大技は使用できないという状況下にある。
つまり、できることは各個撃破しかない。
しかし、空を優雅に飛ぶサキュバスに攻撃できるような技はカイザースラッシュしか持ち合わせてなく、仮にこの一発を外したら変身が解けてしまい一巻の終わりだと考えると、とても現実的ではない。
――なんでまだ整備中なんだよ……。
もし今〝アレ〟が使えれば遠距離攻撃の問題もカイザースラッシュが一回限りという懸念も解消されるのに。
口の中で愚痴をため息と一緒に漏らしてから、ゼノスは自らの顔をパンッ、と叩いた。
いくら泣き言を言ったって後の祭り、今、現場にいる人間がなんとかしなくちゃ行けないことは自分がよくわかっている。
今ある選択肢の中で最善の方法を取るしかない。
今あるのは、戦闘服にムラマサブレードといった武装だけ。
サポートはあるが、遠距離武器などは使用許可を取っていないし、仮に特例として転送をしてもらっても慣れない武器を使用するのは危険が伴うから使用は避けたい。
その他の遠距離武器はなにかないかと考えると、まず真っ先に思いつくのは石。
幼いころは友達と投げあったりしていた記憶があるが、古来より戦場で使用されてきた古典的な武器だ。
殺傷能力があることは歴史が証明しているが、それは人に対して。
これまで邂逅してきた敵の防御力を踏まえると、あのサキュバスどもに通用するかと問われれば、限りなく〝ノー〟といわざるを得ない。
しかも石を投げると自分の居場所まで晒されることになる。
「せめて足止めくらいできれば話は違うんだけどな……」
「足止め、ですか」
「あぁ……そうすれば飛べなくても退治は――」といいかけたところで、突然言葉のキャッチボールが成立したという違和感に気づいたゼノスは「……へっ⁉」と振り返った。
「お久しぶりです」
背後にいたのは、奏音だった。
「な、どうして……」
前回名乗った際に簡単な任務内容を伝えたため、今日もその類いだと察しているのだろう。
「ごめんなさい、お仕事の邪魔しちゃって……」と語る表情には、申し訳ないという感情がにじみ出している。
「ま、それは別にいいんだが……どうしてこんなところに?」
「友達と遊びに来てたんです。クラスメイトと、最近仲良くなった女友達の四人で」と言うと、奏音は背負っていたリュックを前に持ってきて「ゼノスさん見かけたからこの間のお礼を言おうと思って追ってたら……アレに追いかけられて」と言いながら、ちらりと視線を上空へ移した。
「アレに?」
「はい。なんか、追いかけられて……無我夢中で逃げてたら、迷っちゃって」
はっきりとは言わないが、今の彼女は遭難の一歩手前にいるという状況だ。ここは危ないから離れていて、なんてことを指示しようものなら、本当の遭難者になることは目に見えている。
しかも、どういうわけか学校の周辺にしか出現せず一般人には危害を加えなかった敵に狙われているというオマケ付き。
前回と同様、彼女を庇いながら動くしかない。
「しょうがないな……」
まず優先すべきは、一般人たる彼女の安全。
木陰や茂みに身を隠しながらキャンプ場まで行ければ、学校に施した隠蔽結界と同じ効果を持つ結界が張ってあるため、ある程度の安全は担保されている。
問題は、どうやってそこまで行くかだ。
上空には飛び回る三体のサキュバス、足下は獣道の方がマシかと思うほど道なき道。
とても無事に届けられる自信はない。
「やっぱアレをどうにか対処しないとな……」
一番安全に送り届けることを考えても、今後の戦いを考えても、やはり行きつく先は上空のサキュバスを排除するべきと言う結論だ。
「この間みたいに、バァってやつで倒せないんですか?」といいながら奏音は剣を振る動作を見せる。
恐らく彼女が言っていることは、カイザースラッシュのこと。
一般人の前で全部引け開かせてしまったことに再度頭を悩ませながら「いや、それは無理。あれ一発が限界で、動けなくなるんだ」と頭を振った。
「私が囮になって引き寄せれば……」
「そんな危ないことさせられないって。せめて、足止めでもできれば話は違うんだけど……」
空中にいる敵はそれだけで回避力にアドバンテージを持つ。
数回の失敗が可能な、それこそ質より量が求められる場面だ。
何度も試せて、無力化もできて、勝負を決められるような都合が良いものがあるわけ――頭の中で諦めかけた瞬間、奏音が背負っていた物がゼノスの視界に入り込んだ。
「それ、何が入ってるの?」
「あ、これですか? 実は……」と、奏音は背負っているリュックを開き「パンを作ろうと思ってたんですよ」といくつかの材料を取り出した。
確かにリュックの中には、強力粉、バター、砂糖、塩、牛乳、卵、ドライイーストと必要な材料が一通り揃っている。
「キャンプでパン?」
「はい! 今日はカレーだし、ナンの代わりでもいいかなって。木の枝に巻き付けて焼くんですよ! 実は、私の幼馴染がパン好きで――」
そこまで奏音が言いかけたところで、ゼノスの脳裏に一つの選択肢が生まれる。
「なぁ、申し訳ないんだけどさ……これ、貰えない?」
「え? べ、別にいいですけど……何に使うんですか?」
「この状況を打破する、武器を作る」
リュックの中からソレを取り出し、ゼノスは笑みを浮かべた。
「武器って……強力粉で?」
そう呟く奏音は、強力粉を手にするゼノスとは対極的な表情を浮かべていた。
「あぁ。これで、サキュバスを捕まえる」
そんなバカな、と言わんばかりの表情の奏音。
なかなか学校生活では見せない表情に笑いつつ、ゼノスは「あとさ、さっき言った〝囮〟、頼んでもいいかな?」
「えっ⁉」
不安げな表情で驚きを見せるが、「大丈夫、必ず君は守る」とゼノスが言うと、「……わかりました」と力強く頷いた。
「よし。それじゃ、反撃開始だ」
そう言うと、ゼノスは強力粉の袋を開け放った。
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