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一連の『黒塗り事件』は、エリザベートとアンナらの拘束を受け、一旦の解決を迎えた。エドガーら一般市民によるデモ隊と、鎮圧のために召集された警察官らはその場で解散の運びとなり、彼らは互いに協力し、リーリエの描いた新しい絵のために、作業用の足場を解体する作業に移っていった。
美術展で最優秀賞を受賞した『空』は、事前の情報の通り隣国の宮廷からアーカンシェルに戻された。だが、噂とは異なり、アーカンシェル国立美術館の新しい展示棟に飾られることが予め決められており、移設に伴う式典が華々しく行われた。
隣国の宮廷から差し戻された理由は、この絵は描かれた地にあるべきものであり、そこで最大限の魅力を発揮するというものだったのだ。
皇家の判断に、アーカンシェルの民は歓喜の声を上げた。その発言を裏付けるように、隣国の皇子が絵とともにアーカンシェル国立美術館を訪れ、そのことは国内外で大々的に報じられた。
リーリエの『空』の新たな展示場所は、美術展と同じ展示棟の奥のあの場所に指定された。報道や噂を見聞きした国内外の芸術家らが、多く訪れ、街は芸術都市として大きく活気づいている。
街の看板は補修が行われ、アーカンシェルの街並は元に戻っていた。『黒塗り事件』はあれ以来ぴたりと止み、首謀者であると結論づけられたエリザベートは、裁きを受け、実家に戻された。離縁されるかどうかは時間の問題という噂が流れている。
リーリエは、アーカンシェル国立美術大学で新たな絵の制作に励んでいた。
新たな依頼には、二度も黒塗りにされたアーカンシェルの女神ではなく、別の絵を、という注文が入っている。その理由は、アーカンシェルの女神はもう最高傑作が壁の絵として描かれているからというもので、リーリエはそれにアスカとの共作を申し出た。
現役の大学生とアーカンシェルの女神、リーリエの共作は大学にとっても有益な申し出ということもあり、即日のうちに快諾された。
「でも、なんであたしなの?」
高所作業用の台の上に立つアスカが、従機の操縦席に立つリーリエを振り返る。二人の前には共作に使用するキャンバス代わりに提供された、巨大な壁のモチーフがある。まだ白く、下絵が薄く描かれている程度のそれは、日の光を受けてキラキラと眩く輝いて見えた。
「みんなは私のこと、アーカンシェルの女神って言うけど……。私にとっての女神は、アスカだから」
「えへへっ。聞いたのはあたしだけど、面と向かって言われると照れるね」
少し日に焼けて赤くなった鼻先を擦りながら、アスカが柔らかな笑みを見せる。その笑顔に目を細め、リーリエは自信を持って頷いた。
「何度でも言うよ。アスカは私の女神なんだから」
「……じゃあ、さしずめリーリエの白馬の王子様は、『誰かさん』かな?」
照れ隠しにアスカが軽口を叩く。エドガーとアルフレッドを示唆するその言葉に、リーリエは軽く頬を膨らませた。
「もう、からかわないの」
「あ、でも、ピンチから救うって意味では、リーリエが王子様ってことになるのかな?」
「……ふふっ」
アスカの冷静な分析に思わず噴き出す。
アルフレッドの交通事故の時も、デモを起こした一般市民街の人々と貴族街の人々との衝突の時も、その場を収めたのは従機に乗ったリーリエだった。
「そうかもね」
自分の成したことを認めながら、リーリエは真っ白な壁を仰ぐ。彼方に広がる空と同じ色を持つ、愛機フェイド・ファミリーズのシルエットが壁の上を軽やかに横切っていった。
「……なにか浮かびそう?」
「うん。いっぱい浮かんでて、どれを捕まえようかなって思ってるところ」
まだ掴みきれない眩いビジョンが、ぱちぱちと弾けるように光となって浮かんでいる。その中には、エドガーとアルフレッドの姿もあった。
「……誰かさんみたいに?」
リーリエのビジョンを見ているかのように、アスカがまた軽口を挟む。
「それはもういいってば」
事実、あの騒動の後、改めてリーリエに惚れ直したという二人に言い寄られているところなのだ。
「二人の顔も浮かぶけど、でも、大事な幼なじみのアスカと描く絵だから、私らしい絵にしたいなって」
アスカとの思い出が七色のキャンディやシャボン玉のように明るく浮かんで、目の前を流れて行く。その明るいビジョンは、ぱちぱちと胸の中で弾け、リーリエのなかの期待と希望を大いに膨らませた。
「……私らしい絵、かぁ。どんなリーリエも、あたしにとっては唯一無二だから迷うなぁ。あたしらしい絵もきっとそうなんだけど」
「でしょ?」
共感の言葉を述べるアスカに、大きく頷く。同じ想いと同じ感覚を持つ幼なじみの存在が、リーリエには心地良かった。
「リーリエ!」
「あっ、噂をすれば……」
差し入れを手にした、アルフレッドとエドガーの二人の姿が見える。二人はその後打ち解け、新しいアーカンシェルの街の構想を作るメンバーとして、貴族街と一般市民街の架け橋になっていた。
「……なかなか二人きりになれないね。貴重なガールズトークなのに」
「賑やかでいいと思うけどな、あたしは」
近づいてくる二台の蒸気バイクの音に小さく顔を顰めながら、リーリエが苦笑を浮かべる。
「アスカは面白がってるだけでしょ」
「ふふふ。実際、面白いもん。リーリエも楽しいでしょ?」
「それは……そうだけど……」
にこにこと頷くアスカに同意を示し、リーリエは従機から高所作業用の足場に飛び移った。
目の前にある白い壁に、アスカが描いた下絵がごく薄く残っている。まだ絵というには抽象的なその円を中心に、リーリエの視界にぱちぱちと光が弾けた。
絵のビジョンが浮かんでくる。
様々な色が入り混じる、アーカンシェルを象徴する絵だ。
これからのアーカンシェルの希望の光の絵になるだろう。
「始めよう、アスカ」
「そう来ると思ってたよ」
ゴーグルを嵌めたリーリエに倣い、アスカもエアブラシを手に壁に向かう。
リーリエが噴射した白い塗料の上に、アスカが水色の塗料を重ねていく。
それは爽やかな夏の空に融けるように混じり合い、希望と歓喜の旋律がリーリエの身体を自然に動かしていく。
新しい絵は、ここからまた紡がれていく。
美術展で最優秀賞を受賞した『空』は、事前の情報の通り隣国の宮廷からアーカンシェルに戻された。だが、噂とは異なり、アーカンシェル国立美術館の新しい展示棟に飾られることが予め決められており、移設に伴う式典が華々しく行われた。
隣国の宮廷から差し戻された理由は、この絵は描かれた地にあるべきものであり、そこで最大限の魅力を発揮するというものだったのだ。
皇家の判断に、アーカンシェルの民は歓喜の声を上げた。その発言を裏付けるように、隣国の皇子が絵とともにアーカンシェル国立美術館を訪れ、そのことは国内外で大々的に報じられた。
リーリエの『空』の新たな展示場所は、美術展と同じ展示棟の奥のあの場所に指定された。報道や噂を見聞きした国内外の芸術家らが、多く訪れ、街は芸術都市として大きく活気づいている。
街の看板は補修が行われ、アーカンシェルの街並は元に戻っていた。『黒塗り事件』はあれ以来ぴたりと止み、首謀者であると結論づけられたエリザベートは、裁きを受け、実家に戻された。離縁されるかどうかは時間の問題という噂が流れている。
リーリエは、アーカンシェル国立美術大学で新たな絵の制作に励んでいた。
新たな依頼には、二度も黒塗りにされたアーカンシェルの女神ではなく、別の絵を、という注文が入っている。その理由は、アーカンシェルの女神はもう最高傑作が壁の絵として描かれているからというもので、リーリエはそれにアスカとの共作を申し出た。
現役の大学生とアーカンシェルの女神、リーリエの共作は大学にとっても有益な申し出ということもあり、即日のうちに快諾された。
「でも、なんであたしなの?」
高所作業用の台の上に立つアスカが、従機の操縦席に立つリーリエを振り返る。二人の前には共作に使用するキャンバス代わりに提供された、巨大な壁のモチーフがある。まだ白く、下絵が薄く描かれている程度のそれは、日の光を受けてキラキラと眩く輝いて見えた。
「みんなは私のこと、アーカンシェルの女神って言うけど……。私にとっての女神は、アスカだから」
「えへへっ。聞いたのはあたしだけど、面と向かって言われると照れるね」
少し日に焼けて赤くなった鼻先を擦りながら、アスカが柔らかな笑みを見せる。その笑顔に目を細め、リーリエは自信を持って頷いた。
「何度でも言うよ。アスカは私の女神なんだから」
「……じゃあ、さしずめリーリエの白馬の王子様は、『誰かさん』かな?」
照れ隠しにアスカが軽口を叩く。エドガーとアルフレッドを示唆するその言葉に、リーリエは軽く頬を膨らませた。
「もう、からかわないの」
「あ、でも、ピンチから救うって意味では、リーリエが王子様ってことになるのかな?」
「……ふふっ」
アスカの冷静な分析に思わず噴き出す。
アルフレッドの交通事故の時も、デモを起こした一般市民街の人々と貴族街の人々との衝突の時も、その場を収めたのは従機に乗ったリーリエだった。
「そうかもね」
自分の成したことを認めながら、リーリエは真っ白な壁を仰ぐ。彼方に広がる空と同じ色を持つ、愛機フェイド・ファミリーズのシルエットが壁の上を軽やかに横切っていった。
「……なにか浮かびそう?」
「うん。いっぱい浮かんでて、どれを捕まえようかなって思ってるところ」
まだ掴みきれない眩いビジョンが、ぱちぱちと弾けるように光となって浮かんでいる。その中には、エドガーとアルフレッドの姿もあった。
「……誰かさんみたいに?」
リーリエのビジョンを見ているかのように、アスカがまた軽口を挟む。
「それはもういいってば」
事実、あの騒動の後、改めてリーリエに惚れ直したという二人に言い寄られているところなのだ。
「二人の顔も浮かぶけど、でも、大事な幼なじみのアスカと描く絵だから、私らしい絵にしたいなって」
アスカとの思い出が七色のキャンディやシャボン玉のように明るく浮かんで、目の前を流れて行く。その明るいビジョンは、ぱちぱちと胸の中で弾け、リーリエのなかの期待と希望を大いに膨らませた。
「……私らしい絵、かぁ。どんなリーリエも、あたしにとっては唯一無二だから迷うなぁ。あたしらしい絵もきっとそうなんだけど」
「でしょ?」
共感の言葉を述べるアスカに、大きく頷く。同じ想いと同じ感覚を持つ幼なじみの存在が、リーリエには心地良かった。
「リーリエ!」
「あっ、噂をすれば……」
差し入れを手にした、アルフレッドとエドガーの二人の姿が見える。二人はその後打ち解け、新しいアーカンシェルの街の構想を作るメンバーとして、貴族街と一般市民街の架け橋になっていた。
「……なかなか二人きりになれないね。貴重なガールズトークなのに」
「賑やかでいいと思うけどな、あたしは」
近づいてくる二台の蒸気バイクの音に小さく顔を顰めながら、リーリエが苦笑を浮かべる。
「アスカは面白がってるだけでしょ」
「ふふふ。実際、面白いもん。リーリエも楽しいでしょ?」
「それは……そうだけど……」
にこにこと頷くアスカに同意を示し、リーリエは従機から高所作業用の足場に飛び移った。
目の前にある白い壁に、アスカが描いた下絵がごく薄く残っている。まだ絵というには抽象的なその円を中心に、リーリエの視界にぱちぱちと光が弾けた。
絵のビジョンが浮かんでくる。
様々な色が入り混じる、アーカンシェルを象徴する絵だ。
これからのアーカンシェルの希望の光の絵になるだろう。
「始めよう、アスカ」
「そう来ると思ってたよ」
ゴーグルを嵌めたリーリエに倣い、アスカもエアブラシを手に壁に向かう。
リーリエが噴射した白い塗料の上に、アスカが水色の塗料を重ねていく。
それは爽やかな夏の空に融けるように混じり合い、希望と歓喜の旋律がリーリエの身体を自然に動かしていく。
新しい絵は、ここからまた紡がれていく。
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