31 / 48
30 エドガーの贈り物
しおりを挟む
「これ、試してくれよ!」
従機の操縦席に向かって、エドガーがスプレー缶のひとつを投げ寄越す。ほとんど狂いなくリーリエの手許に収まった缶は、特別な説明がなくただ真っ白で、Dというラベルが貼られているだけの奇妙な品だった。
「これはなに?」
操縦席から立ち上がり、マスクを外して声を張り上げる。
「俺が開発に携わってた、新作の塗料なんだ。試作は絶対にリーリエに頼みたくてさ」
エドガーも声を張り、もうひとつのスプレー缶を振りながら、リーリエに使うように促した。
「私が? いいの?」
「当たり前だろ。そのために急いで来たんだぜ?」
片目を瞑って、八重歯を覗かせて微笑みながら、エドガーが従機のそばに進んでくる。リーリエは頷くと、操縦席の後ろに搭載していた、試し吹き用のキャンバスを取り出した。キャンバスには試し吹きした緑の塗料が鮮やかな模様を描くように、幾重にも重なっている。
「これしかないんだけど、大丈夫かしら?」
色味を確かめるのならば、真新しいキャンバスの方が都合がいいだろう。だが、生憎と余白のないキャンバスしか手許にはない。
「寧ろ、そっちの方がいいな」
エドガーは笑顔で頷き、リーリエの手にしたキャンバスに目を細める。リーリエはその同意を受けてスプレー缶の蓋を外すと、キャンバスの端に吹き付けた。
「えっ!?」
吹き付けた場所の色が一瞬にして消え、リーリエは驚愕の声を上げた。
「色が消えたわ、エドガー!」
「はははは、いい反応だ!」
リーリエの反応に快活に笑ったエドガーが、もうひとつの塗料を示す。リーリエは、先に投げ寄越された缶を手許に置き、両手を構えた。
「次はこれだ。使ってみてくれ」
リーリエの準備が出来たのを確かめたエドガーが、もう一つの缶を投げ寄越す。リーリエは、それを受け取ると、流れるような動きで蓋を外し、キャンバスに吹き付けた。
「凄い、楽しいっ!」
塗料を吹きかけた部分から、浮き上がるように色が戻ってくる。リーリエは二つの塗料を左右の手に構え、それぞれの特性を考えながら同時に吹き付けた。
緑の塗料を重ねた試し塗りのキャンバスは、見る間に木漏れ日のような表現が加えられていく。
「流石だな!」
従機の昇降用の梯子を登り、キャンバスを覗き込んだエドガーが、ひゅぅ、と驚嘆の口笛を吹いた。
「初見でこれだけ使いこなすとは思わなかった。それ、もらってもいいか?」
「え、ええ」
キャンバスに手をかけながら問いかけられ、リーリエは反射的に頷いた。
「バニッシュペインターAとD……。こんな使い方を思いつくなんて……」
手許に引き寄せたキャンバスを改めて眺めながら、エドガーがしきりに感嘆の言葉を呟いている。
その言葉を聞きながら、リーリエは改めてスプレー缶を眺めた。試作品というだけあり、真っ白な缶の片方にはD、もう片方にはAの表記があるだけだ。エドガーの言葉から推測するに、色を消す作用があるものと、色を浮かび上がらせる作用があるもの、の二本が対になっている商品であることが窺えた。
「……やっぱり、お前は天才だよ。リーリエ」
「そんな……。私はただ、絵が好きなだけで……」
「もっと自信持てよ」
搭乗用の梯子をさらに上ったエドガーが、従機の肩に乗りながら、リーリエの髪をくしゃりと撫でる。
「こういうのは間違いなく才能だ。お前が認めなくても、俺は小さい頃からずっとそう思ってた。……もしも、自分が信じられないんだったら、俺を信じろ」
「エドガー……」
力強く言うエドガーの手のひらに微かな力がこもる。アルフレッドと似ているようでいて、全く違うその言葉に、リーリエは唇を震わせてエドガーの名を呼んだ。
「それとも、俺は信じるに値しない男か?」
上目遣いで見つめた視線の先で、エドガーが眉を下げて困ったように微笑む。少し悲しげなその顔を目の当たりにしたリーリエは、思わず大きく声を上げた。
「違うわ!」
「……だろ?」
エドガーが下げていた眉を持ち上げ、わかりきってると言いたげな自信たっぷりの視線を返す。彼の自信が、リーリエには心強かった。
「俺の目は確かなんだ。お前の絵には、本当に惚れ込んでる」
ぽんぽんとリーリエの頭を撫でたエドガーが、塗料を手にしたままのリーリエの手を握る。
「あ、うん……」
自分と同じか少し小さいくらいだったはずのエドガーの手は、リーリエの両手を包み込めるほどに大きく逞しく成長している。その少し筋張った手の熱さにどぎまぎとしながら頷くと、エドガーは缶の中身を確かめるようにリーリエの手ごと上下に動かした。
「これと交換だな。この塗料でなにか描いてくれよ」
特に意識した様子もなく続けるエドガーに、リーリエの緊張も幾分か和らぐ。
「あとで従機用のデカいやつも用意するからさ」
「いいの!?」
願ってもないエドガーの申し出に目を瞬かせると、彼の顔が急接近した。
「リーリエ」
額を軽く合わせたエドガーが、こつんとリーリエを小突く。小さな頃のエドガーが、怒ったときに目を合わせてしていた仕草だった。
「俺がいいって言ったらいいの。そういうの禁止」
「う、うん……」
触れ合った前髪が視界の中で絡み合っている。目を逸らすことが出来ずにぱちぱちと瞬きをしながら頷くと、エドガーは無邪気な少年のような笑みを浮かべて額を離した。
「わかったなら、よし」
くしゃくしゃと頭を撫でたエドガーが、従機の梯子を下り始める。
「それじゃあ、また後でな!」
そう言い残すと、従機から軽々と飛び降り、エドガーは颯爽とレッドアローに跨がった。
後に残されたリーリエは、塗料の缶を胸に抱いて、ぽかんと口を開き、走り去っていくエドガーの後ろ姿を見送る。
「すごい……」
遠ざかる背を見つめているうちに、じわじわと興奮が蘇ってきた。
「すごいの、もらっちゃった……!」
興奮が隠せずに、操縦席から従機の肩に移動し、大きく手を振る。左右に大きく振るその手の向こうに、新しいビジョンが幾つも浮かんでいるような感覚があった。
従機の操縦席に向かって、エドガーがスプレー缶のひとつを投げ寄越す。ほとんど狂いなくリーリエの手許に収まった缶は、特別な説明がなくただ真っ白で、Dというラベルが貼られているだけの奇妙な品だった。
「これはなに?」
操縦席から立ち上がり、マスクを外して声を張り上げる。
「俺が開発に携わってた、新作の塗料なんだ。試作は絶対にリーリエに頼みたくてさ」
エドガーも声を張り、もうひとつのスプレー缶を振りながら、リーリエに使うように促した。
「私が? いいの?」
「当たり前だろ。そのために急いで来たんだぜ?」
片目を瞑って、八重歯を覗かせて微笑みながら、エドガーが従機のそばに進んでくる。リーリエは頷くと、操縦席の後ろに搭載していた、試し吹き用のキャンバスを取り出した。キャンバスには試し吹きした緑の塗料が鮮やかな模様を描くように、幾重にも重なっている。
「これしかないんだけど、大丈夫かしら?」
色味を確かめるのならば、真新しいキャンバスの方が都合がいいだろう。だが、生憎と余白のないキャンバスしか手許にはない。
「寧ろ、そっちの方がいいな」
エドガーは笑顔で頷き、リーリエの手にしたキャンバスに目を細める。リーリエはその同意を受けてスプレー缶の蓋を外すと、キャンバスの端に吹き付けた。
「えっ!?」
吹き付けた場所の色が一瞬にして消え、リーリエは驚愕の声を上げた。
「色が消えたわ、エドガー!」
「はははは、いい反応だ!」
リーリエの反応に快活に笑ったエドガーが、もうひとつの塗料を示す。リーリエは、先に投げ寄越された缶を手許に置き、両手を構えた。
「次はこれだ。使ってみてくれ」
リーリエの準備が出来たのを確かめたエドガーが、もう一つの缶を投げ寄越す。リーリエは、それを受け取ると、流れるような動きで蓋を外し、キャンバスに吹き付けた。
「凄い、楽しいっ!」
塗料を吹きかけた部分から、浮き上がるように色が戻ってくる。リーリエは二つの塗料を左右の手に構え、それぞれの特性を考えながら同時に吹き付けた。
緑の塗料を重ねた試し塗りのキャンバスは、見る間に木漏れ日のような表現が加えられていく。
「流石だな!」
従機の昇降用の梯子を登り、キャンバスを覗き込んだエドガーが、ひゅぅ、と驚嘆の口笛を吹いた。
「初見でこれだけ使いこなすとは思わなかった。それ、もらってもいいか?」
「え、ええ」
キャンバスに手をかけながら問いかけられ、リーリエは反射的に頷いた。
「バニッシュペインターAとD……。こんな使い方を思いつくなんて……」
手許に引き寄せたキャンバスを改めて眺めながら、エドガーがしきりに感嘆の言葉を呟いている。
その言葉を聞きながら、リーリエは改めてスプレー缶を眺めた。試作品というだけあり、真っ白な缶の片方にはD、もう片方にはAの表記があるだけだ。エドガーの言葉から推測するに、色を消す作用があるものと、色を浮かび上がらせる作用があるもの、の二本が対になっている商品であることが窺えた。
「……やっぱり、お前は天才だよ。リーリエ」
「そんな……。私はただ、絵が好きなだけで……」
「もっと自信持てよ」
搭乗用の梯子をさらに上ったエドガーが、従機の肩に乗りながら、リーリエの髪をくしゃりと撫でる。
「こういうのは間違いなく才能だ。お前が認めなくても、俺は小さい頃からずっとそう思ってた。……もしも、自分が信じられないんだったら、俺を信じろ」
「エドガー……」
力強く言うエドガーの手のひらに微かな力がこもる。アルフレッドと似ているようでいて、全く違うその言葉に、リーリエは唇を震わせてエドガーの名を呼んだ。
「それとも、俺は信じるに値しない男か?」
上目遣いで見つめた視線の先で、エドガーが眉を下げて困ったように微笑む。少し悲しげなその顔を目の当たりにしたリーリエは、思わず大きく声を上げた。
「違うわ!」
「……だろ?」
エドガーが下げていた眉を持ち上げ、わかりきってると言いたげな自信たっぷりの視線を返す。彼の自信が、リーリエには心強かった。
「俺の目は確かなんだ。お前の絵には、本当に惚れ込んでる」
ぽんぽんとリーリエの頭を撫でたエドガーが、塗料を手にしたままのリーリエの手を握る。
「あ、うん……」
自分と同じか少し小さいくらいだったはずのエドガーの手は、リーリエの両手を包み込めるほどに大きく逞しく成長している。その少し筋張った手の熱さにどぎまぎとしながら頷くと、エドガーは缶の中身を確かめるようにリーリエの手ごと上下に動かした。
「これと交換だな。この塗料でなにか描いてくれよ」
特に意識した様子もなく続けるエドガーに、リーリエの緊張も幾分か和らぐ。
「あとで従機用のデカいやつも用意するからさ」
「いいの!?」
願ってもないエドガーの申し出に目を瞬かせると、彼の顔が急接近した。
「リーリエ」
額を軽く合わせたエドガーが、こつんとリーリエを小突く。小さな頃のエドガーが、怒ったときに目を合わせてしていた仕草だった。
「俺がいいって言ったらいいの。そういうの禁止」
「う、うん……」
触れ合った前髪が視界の中で絡み合っている。目を逸らすことが出来ずにぱちぱちと瞬きをしながら頷くと、エドガーは無邪気な少年のような笑みを浮かべて額を離した。
「わかったなら、よし」
くしゃくしゃと頭を撫でたエドガーが、従機の梯子を下り始める。
「それじゃあ、また後でな!」
そう言い残すと、従機から軽々と飛び降り、エドガーは颯爽とレッドアローに跨がった。
後に残されたリーリエは、塗料の缶を胸に抱いて、ぽかんと口を開き、走り去っていくエドガーの後ろ姿を見送る。
「すごい……」
遠ざかる背を見つめているうちに、じわじわと興奮が蘇ってきた。
「すごいの、もらっちゃった……!」
興奮が隠せずに、操縦席から従機の肩に移動し、大きく手を振る。左右に大きく振るその手の向こうに、新しいビジョンが幾つも浮かんでいるような感覚があった。
0
お気に入りに追加
476
あなたにおすすめの小説
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】特別な力で国を守っていた〈防国姫〉の私、愚王と愚妹に王宮追放されたのでスパダリ従者と旅に出ます。一方で愚王と愚妹は破滅する模様
岡崎 剛柔
ファンタジー
◎第17回ファンタジー小説大賞に応募しています。投票していただけると嬉しいです
【あらすじ】
カスケード王国には魔力水晶石と呼ばれる特殊な鉱物が国中に存在しており、その魔力水晶石に特別な魔力を流すことで〈魔素〉による疫病などを防いでいた特別な聖女がいた。
聖女の名前はアメリア・フィンドラル。
国民から〈防国姫〉と呼ばれて尊敬されていた、フィンドラル男爵家の長女としてこの世に生を受けた凛々しい女性だった。
「アメリア・フィンドラル、ちょうどいい機会だからここでお前との婚約を破棄する! いいか、これは現国王である僕ことアントン・カスケードがずっと前から決めていたことだ! だから異議は認めない!」
そんなアメリアは婚約者だった若き国王――アントン・カスケードに公衆の面前で一方的に婚約破棄されてしまう。
婚約破棄された理由は、アメリアの妹であったミーシャの策略だった。
ミーシャはアメリアと同じ〈防国姫〉になれる特別な魔力を発現させたことで、アントンを口説き落としてアメリアとの婚約を破棄させてしまう。
そしてミーシャに骨抜きにされたアントンは、アメリアに王宮からの追放処分を言い渡した。
これにはアメリアもすっかり呆れ、無駄な言い訳をせずに大人しく王宮から出て行った。
やがてアメリアは天才騎士と呼ばれていたリヒト・ジークウォルトを連れて〈放浪医師〉となることを決意する。
〈防国姫〉の任を解かれても、国民たちを守るために自分が持つ医術の知識を活かそうと考えたのだ。
一方、本物の知識と実力を持っていたアメリアを王宮から追放したことで、主核の魔力水晶石が致命的な誤作動を起こしてカスケード王国は未曽有の大災害に陥ってしまう。
普通の女性ならば「私と婚約破棄して王宮から追放した報いよ。ざまあ」と喜ぶだろう。
だが、誰よりも優しい心と気高い信念を持っていたアメリアは違った。
カスケード王国全土を襲った未曽有の大災害を鎮めるべく、すべての原因だったミーシャとアントンのいる王宮に、アメリアはリヒトを始めとして旅先で出会った弟子の少女や伝説の魔獣フェンリルと向かう。
些細な恨みよりも、〈防国姫〉と呼ばれた聖女の力で国を救うために――。

「悪女」だそうなので、婚約破棄されましたが、ありがとう!第二の人生をはじめたいと思います!
あなはにす
恋愛
なんでも、わがままな伯爵令息の婚約者に合わせて過ごしていた男爵令嬢、ティア。ある日、学園で公衆の面前で、した覚えのない悪行を糾弾されて、婚約破棄を叫ばれる。しかし、なんでも、婚約者に合わせていたティアはこれからは、好きにしたい!と、思うが、両親から言われたことは、ただ、次の婚約を取り付けるということだけだった。
学校では、醜聞が広まり、ひとけのないところにいたティアの前に現れた、この国の第一王子は、なぜか自分のことを知っていて……?
婚約破棄から始まるシンデレラストーリー!
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる