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18 アーカンシェルの日常
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雨上がりの街を、薄い霧が覆っている。朝焼けを滲ませた空の色に、清掃用の人型従機の無骨な影が浮かび上がっていた。
塵芥収集用の荷車を胴部に取り付けた清掃用従機の頭部には、操縦士兼清掃員が座している。清掃員は、二メートル弱の高さから、従機を操作し、長い腕を器用に収縮させながら収集場に出されたゴミを黙々と収集していく。荷台の上に置かれた大きなバケツ型のブリキの中は、大まかに分類されたゴミで満たされていった。
早朝の商業区では、多くの店が鎧戸を閉ざしたままになっている。建物には、それぞれの店の特徴を備えたスプレーアートが描かれており、街が目覚めた後の活気を思わせた。
それらのアートを一手に担っているバンクシー・ペイントサービスの鎧戸には、『休業中』の張り紙が貼られている。半分開いた鎧戸から現れたのは、リーリエではなく、母ミシェルだった。
ミシェルは、ゴミの入った紙の袋を通りを進む従機の前に示すように置き、霧が晴れ始めた空を仰いだ。視界を横切るように従機の腕が動き、出されたゴミを荷台のバケツの中に押し込んだ。従機の腕の金具で紙袋が破れ、中のものがはみ出している。
それはリーリエが、婚約発表の場で身に纏っていたドレスだった。
☘
霧が晴れると眩い朝の光が差し込んでくる。窓辺の席に座っていたリーリエは、差し込んできた白い光に思わず顔を顰め、机に伏せていた顔の向きを変えた。
「はい、モーニングセット。おまちっ」
厨房から注文の品を運んできたアスカが、リーリエの前にトレイを差し出す。
「はー、お腹空いたぁ」
アスカはそう言いながらもう片方の手に持っていたトレイをリーリエの向かいに置き、赤と白のソファに勢い良く腰かけた。
「さっ、ごはん、ごはん」
リーリエと向かい合うように座り直しながら、ウェイトレス姿のアスカが左右に身体を揺らしている。リーリエものろのろと身体を起こして、トレイを手許に引き寄せた。
リーリエのトレイには、定番のツナバーガーと野菜のスープとサラダが、アスカのトレイには蜂蜜がたっぷりとかかったパンケーキと紅茶が載せられている。アスカはナイフとフォークを両手に構え、「いただきます」と、笑顔で朝食を食べ始めた。
「……んっ、美味しい~」
婚約破棄から三日。街に戻ったリーリエに、アスカは変わらずに接してくれる。この日も眠れずに、アルバイト先に開店と同時に訪れたリーリエに、アスカは理由も聞かず、当然のように朝食の注文を取っていた。
「……いただきます」
食欲はないと思っていたが、目の前で美味しそうに食べ進めるアスカを見ていると、忘れかけていた空腹を思い出したような気がした。ツナバーガーを手に取って齧り付くと、懐かしい味がして、目の奥が熱くなった。
「ふふっ、泣くほど美味しいからよーく味わってね」
軽口を叩くように言いながら、アスカが蜂蜜を絡めたパンケーキを口に運んでいる。その幸せそうな顔を見て、リーリエも大口を開けてツナバーガーに齧り付いた。
もう食事の作法を気にしなくてもいい。自分の好きなように食べて良いのだ。
そう思うと、街に戻ってきた実感が湧いてくる。婚約破棄を突きつけられ、屋敷を追い出されたことは大きな心の傷となっていたが、その衝撃はこの三日で少し和らいできたのかもしれない。
「……ありがとう、アスカ」
「ん? 急にどした?」
アスカは惚けたように、リーリエに瞬きを返して見せる。
「……なんとなく」
特別な気遣いは不要だと言いたげなアスカの態度に、リーリエは苦笑を浮かべてツナバーガーを食べ進めた。
「あ、でも。ツナバーガーは泣くほど美味しいよ」
唇の端に塩辛いものを感じて頬を拭う。知らず零れていた涙は、そこでぴたりと止まった。
「でしょ? もう、あたしが作ったツナバーガー以外は食べられなくなっちゃうかも~」
「ふふふ。それでもいいよ」
冗談めかしたアスカの言葉に自然と笑いが込み上げる。リーリエの笑顔にアスカは目を細め、うんうん、と頷くように首を縦に振った。
「ちょっとは落ち着いた?」
「……まあまあかな」
ずっと触れられずにいた話題の予感に、リーリエは苦く笑い、半分ほど食べ進めたツナバーガーを皿に戻し、スプーンを手にした。
「……そっか。あのさ、聞いて良いか迷ったんだけど、やっぱり聞いていい?」
表情の変化を見つめながら問いかけられた言葉に、リーリエは頷いて先を促した。
「あのドレスって、やっぱり捨てちゃった?」
「あ、うん……」
「そっか。そうだよね~」
アスカは額に手を当て、小さく唸るような声を発しながら足をばたばたとさせている。
「今頃は、収集車に回収されてるんじゃないかな」
「捨てたのって、今朝ぁ!?」
リーリエが付け加えると、アスカが素っ頓狂な声を上げた。
「……なんかごめん」
「ううん。手許に置いておくようなものじゃないもんね。不謹慎だってわかってるんだけど、あのドレス最高だったから! だから、ちゃんとこの目で見たかったんだよね」
一息にまくし立てるように言うと、アスカは手を伸ばしてリーリエの手を取った。
「この際だから言っておくけど、あのドレス、本当に最高だった! だから、もっと自信持ってほしい!」
「本当に……?」
「あたしがリーリエに嘘ついたりすると思う?」
真剣な目をして問いかけられ、リーリエは慌てて首を横に振った。
「そういうこと。見る目がない人のことより、あたしを信じてよ!」
リーリエの答えに満足したように微笑み、アスカがソファに座り直す。
「あとね、リーリエ。落ち込むのは仕方ないんだけど……」
アスカはそう言いながらフォークを手に取り、パンケーキに勢い良く突き刺した。
「嫌がらせされたんだから、怒っていいんだよ」
塵芥収集用の荷車を胴部に取り付けた清掃用従機の頭部には、操縦士兼清掃員が座している。清掃員は、二メートル弱の高さから、従機を操作し、長い腕を器用に収縮させながら収集場に出されたゴミを黙々と収集していく。荷台の上に置かれた大きなバケツ型のブリキの中は、大まかに分類されたゴミで満たされていった。
早朝の商業区では、多くの店が鎧戸を閉ざしたままになっている。建物には、それぞれの店の特徴を備えたスプレーアートが描かれており、街が目覚めた後の活気を思わせた。
それらのアートを一手に担っているバンクシー・ペイントサービスの鎧戸には、『休業中』の張り紙が貼られている。半分開いた鎧戸から現れたのは、リーリエではなく、母ミシェルだった。
ミシェルは、ゴミの入った紙の袋を通りを進む従機の前に示すように置き、霧が晴れ始めた空を仰いだ。視界を横切るように従機の腕が動き、出されたゴミを荷台のバケツの中に押し込んだ。従機の腕の金具で紙袋が破れ、中のものがはみ出している。
それはリーリエが、婚約発表の場で身に纏っていたドレスだった。
☘
霧が晴れると眩い朝の光が差し込んでくる。窓辺の席に座っていたリーリエは、差し込んできた白い光に思わず顔を顰め、机に伏せていた顔の向きを変えた。
「はい、モーニングセット。おまちっ」
厨房から注文の品を運んできたアスカが、リーリエの前にトレイを差し出す。
「はー、お腹空いたぁ」
アスカはそう言いながらもう片方の手に持っていたトレイをリーリエの向かいに置き、赤と白のソファに勢い良く腰かけた。
「さっ、ごはん、ごはん」
リーリエと向かい合うように座り直しながら、ウェイトレス姿のアスカが左右に身体を揺らしている。リーリエものろのろと身体を起こして、トレイを手許に引き寄せた。
リーリエのトレイには、定番のツナバーガーと野菜のスープとサラダが、アスカのトレイには蜂蜜がたっぷりとかかったパンケーキと紅茶が載せられている。アスカはナイフとフォークを両手に構え、「いただきます」と、笑顔で朝食を食べ始めた。
「……んっ、美味しい~」
婚約破棄から三日。街に戻ったリーリエに、アスカは変わらずに接してくれる。この日も眠れずに、アルバイト先に開店と同時に訪れたリーリエに、アスカは理由も聞かず、当然のように朝食の注文を取っていた。
「……いただきます」
食欲はないと思っていたが、目の前で美味しそうに食べ進めるアスカを見ていると、忘れかけていた空腹を思い出したような気がした。ツナバーガーを手に取って齧り付くと、懐かしい味がして、目の奥が熱くなった。
「ふふっ、泣くほど美味しいからよーく味わってね」
軽口を叩くように言いながら、アスカが蜂蜜を絡めたパンケーキを口に運んでいる。その幸せそうな顔を見て、リーリエも大口を開けてツナバーガーに齧り付いた。
もう食事の作法を気にしなくてもいい。自分の好きなように食べて良いのだ。
そう思うと、街に戻ってきた実感が湧いてくる。婚約破棄を突きつけられ、屋敷を追い出されたことは大きな心の傷となっていたが、その衝撃はこの三日で少し和らいできたのかもしれない。
「……ありがとう、アスカ」
「ん? 急にどした?」
アスカは惚けたように、リーリエに瞬きを返して見せる。
「……なんとなく」
特別な気遣いは不要だと言いたげなアスカの態度に、リーリエは苦笑を浮かべてツナバーガーを食べ進めた。
「あ、でも。ツナバーガーは泣くほど美味しいよ」
唇の端に塩辛いものを感じて頬を拭う。知らず零れていた涙は、そこでぴたりと止まった。
「でしょ? もう、あたしが作ったツナバーガー以外は食べられなくなっちゃうかも~」
「ふふふ。それでもいいよ」
冗談めかしたアスカの言葉に自然と笑いが込み上げる。リーリエの笑顔にアスカは目を細め、うんうん、と頷くように首を縦に振った。
「ちょっとは落ち着いた?」
「……まあまあかな」
ずっと触れられずにいた話題の予感に、リーリエは苦く笑い、半分ほど食べ進めたツナバーガーを皿に戻し、スプーンを手にした。
「……そっか。あのさ、聞いて良いか迷ったんだけど、やっぱり聞いていい?」
表情の変化を見つめながら問いかけられた言葉に、リーリエは頷いて先を促した。
「あのドレスって、やっぱり捨てちゃった?」
「あ、うん……」
「そっか。そうだよね~」
アスカは額に手を当て、小さく唸るような声を発しながら足をばたばたとさせている。
「今頃は、収集車に回収されてるんじゃないかな」
「捨てたのって、今朝ぁ!?」
リーリエが付け加えると、アスカが素っ頓狂な声を上げた。
「……なんかごめん」
「ううん。手許に置いておくようなものじゃないもんね。不謹慎だってわかってるんだけど、あのドレス最高だったから! だから、ちゃんとこの目で見たかったんだよね」
一息にまくし立てるように言うと、アスカは手を伸ばしてリーリエの手を取った。
「この際だから言っておくけど、あのドレス、本当に最高だった! だから、もっと自信持ってほしい!」
「本当に……?」
「あたしがリーリエに嘘ついたりすると思う?」
真剣な目をして問いかけられ、リーリエは慌てて首を横に振った。
「そういうこと。見る目がない人のことより、あたしを信じてよ!」
リーリエの答えに満足したように微笑み、アスカがソファに座り直す。
「あとね、リーリエ。落ち込むのは仕方ないんだけど……」
アスカはそう言いながらフォークを手に取り、パンケーキに勢い良く突き刺した。
「嫌がらせされたんだから、怒っていいんだよ」
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