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過去編3

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おとうとがうまれた。


ちいさくて、まるくて、やわらかそうなあかちゃん。


すごくよわそうで、ボクがまもってあげなきゃっておもった。


でも、ボクがなでてあげると、おとうとはなきだした。


ママはわらっていたけど、パパはこわいかおをしていた。


ボクはただ、ドキドキした。


おとうとは、ボクにさわられて、いたかったのかなっておもった。






おとうとがうまれてから、ママはおとうとのめんどうをみるのでいそがしそうだった。


ボクはママにかまってもらいたかったけど、がまんした。


きがえとか、はみがきとか、ひとりでやったら、ママにほめられた。


すごくうれしかったから、もっといろいろできるようになりたいとおもった。


でも、ひとりでねむるのだけはいやだった。


よるだけは、がんばってるごほうびに、ママにぎゅっとだきしめてもらいたかった。








あるひ、パパがベッドをかってくれた。


おにいちゃんになったボクだけのベッドは、こうきゅうひんらしい。


ママはうらやましがっていた。


パパにかんしゃしなきゃねって、いっていた。


そのひから、ひとりでねむれるようにならなきゃねって、いっしょにねてくれなくなった。




かんしゃって、なんだろう。


ボクは、ベッドなんてぜんぜんうれしくなかったのに。


こうきゅうベッドでねると、まえのいえにかえりたくなった。


パパがいないむかしに、もどりたくなった。



 ひろいベッドのうえにいると、ボクはせかいでひとりだけになってしまったようなきがした。


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