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第四章 水の街アクアマリン

イツラエルの死亡

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「…………ま」





「………………様」






「ハワード様!」

「うおっ、何だよグレイ」

「もう着きましたから降りましょう」

「ああ、そうだな
というか、まだ降りてなかったのか」

「そりゃ、ハワード様に
枕代わりにされたら降りる訳には…」

「枕代わり?」

「オルテは、校長先生の話を聞いた後に、
グレイの肩に顎乗せて爆睡してたんだよ
まあ、グレイは嬉しそうだったけどね」

「ああ、俺寝てたのか…」

「オルテ、その眠い時に
近くにいる人の肩に顎乗せて寝る癖何とかしなよ
グレイだから良かったものの、
他の人なら何て言われていたか…」

「なるべく善処はする」

「うん、是非そうして」

「そんな!俺は全然構いませんので、
いつでも俺を枕としてお使い下さい!」

「グレイもこう言ってるし、
直す必要無いんじゃね?」

「うーん、じゃあやって良いのは
グレイとフローレスだけだからね」

「分かった」

「枕は二つも必要ありません!
俺こそが、ハワード様の枕に相応しいのです!」

「お前今意味不明な事言ってる自覚ある?」

「ハワード様!どうか俺を枕に!」

「分かった分かった
お前こそ俺に相応しい真の枕だよ」

「オルテも何言ってるの?」

「はい!精一杯勤めさせていただきます!」

「おう、頑張れ」

「何かよく分かんないけど、
解決したってことで良いのかな?」

「良いんじゃね
ところで、一つ聞いて良い」

「何さ」

「何で校長俺睨んでるの?」

「話聞いてる時に寝たからじゃない?」

「ちゃんと最後まで聞いたのにな」

「いやいや…問題はそこじゃないから」

「ああ、起きたかオルティス
お前に大事な話があるからちょっと面貸せや」

「不良の誘い方ですよそれ」

「うるせえ、良いから来い」

不良破壊神に理不尽な説教を受けていると、
イーツとゼヘンが瞬間移動で合流してきた。

『何かあったの?』

「俺寝てただけなのに怒られた」

「人の話をちゃんと真面目に聞かないからだ」

「校長人じゃないでよね?」

「屁理屈言わずにきちんと反省しろ」

「人間の本能なので改善しようがないです」

「こいつ……」

「そういえばイーツ」

『ん?どうしたの?』

「イツラエルって名前に覚えある?」

『…………ああ、知っているよ
元は僕の名前だったからね
イーツというのは、昔の僕の愛称だったんだ』

「ならイーツは、今王族や人に未練はあるのか?」

『未練か…無かったと言えば嘘になるが、
それも遥か昔の話だからね
未練なんて、いくつもの転生を繰り返すうちに
捨ててしまったよ』

「もしかしてだけど、
俺が王族になるのを嫌がっていたのは、
イーツの過去が関係していたのか?」

『勿論運命が歪むからってのもあるけど、
これは、単なる僕のわがままでもあるんだ
イツラエル王妃はあの日に死んだ
だから僕はもう、王族になる資格はないんだよ』

「………イーツ」
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