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第三章 クローバーの国
ドードー鳥の絵本
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「次はドードー鳥か
アリスを守れるのは僕達だけだから、気を引き締めよう」
「まあ、色んな意味でアリスが危険だよな
今までよりも注意が必要だろう」
「あの変な女のところとか、ひたすら疲れそうだな」
「ズワルトも変人具合は負けてないけどね」
「おいそれどういう意味だよ兄さん」
「そのままの意味だけど?」
「二人とも、喧嘩はダメよ」
「アリスが言うならやめるよ」
「兄さん……」
「何で引いてるんだ」
「嫌でも行くしかねえだろ
あいつは仮にもこの国の住人だからな」
ちょっとしたいざこざが発生しながらも、
レイス達はドードー鳥の絵本へと触れた。
同性愛者セキルライト・ティターン。
同性を愛した彼女は狂っていく。
私は三人の姉妹がいる家庭に生まれた。
私は生まれた頃より女性が好きで、男は嫌いだった。
他の姉妹は男を好きになるのに対し、
私は同性を愛していたのだ。
だからこそ、両親は私を異端視した。
「ここは、また家の中か
今までと比べるとデカイ家だな」
「そうだね
恐らく彼女はどこかの貴族なんだろう」
「この国の住人、元金持ち結構いるよな」
「資産家が必ずしも幸福とは限らないからね
逆に裕福だからこそ不幸なこともあるんだよ」
「ふーん、金持ちも大変なんだな」
道なりに進んでいくと、
そこには斧を持ったドードー鳥の姿があった。
棚には美しい女性の首がいくつも飾られており、
鮮血が滴り落ちている。
「やあ、アリス
君が来るのを楽しみに待っていたよ」
ドードー鳥はアリスにのみ笑顔を向ける。
その笑顔は男達には一切向けられていなかった。
ドードー鳥は彼らを面白くなさそうに一瞥すると、
再びアリスの方へと向き直った。
「私の全てを知ってくれ、アリス
返事はその後に聞くとしよう」
ドードー鳥がアリスに触れた途端、
アリスのみどこかへと消えていった。
「おいドードー鳥、アリスをどこに隠した」
「私の全てを知れる場所さ、彼女は私を知る権利がある」
「つまり君は、僕達に自分の過去は
見られたくないってことかな?」
「ああ、そういうことだよ
汚らわしい野郎が、私の過去を覗くなんて寒気がする」
「まだ空間の歪みが残っているのです
今なら一人くらいなら入れるかもしれません」
「それなら俺が行く
アリスを守るなら俺の方が適任だろ」
「おい待て、抜け駆けをするなレイス
アリスは僕のものだぞ」
「元々お前のものじゃねえよ
お前が勝手に自分のものだと
思ってるだけだよロリコン兎」
「うるさい」
「はぁ? そんなことさせるわけがないじゃないか
君達は仲良くここで待ってなよ」
「レイス、兄さんとこの女は引き付けとくから、
お前はアリスの所に行ってくれ」
「ありがとなズワルト
ぷち三月、早速やってくれ」
「任せるのです!」
ぷち三月から黒い手が出てきたと思うと、
何もない空間に手を突っ込んでこじ開ける。
レイスは空間に空いた穴に己の体を突っ込んだ。
私がリキルス・ギルバーと出会ったのは、
人気のない路地裏だった。
出会った頃の彼は、みすぼらしい格好で、
体もげっそりと痩せこけていた。
金目当てで私を誘拐しようとしたり、
騙してお金を搾取しようとする輩がいる中、
彼だけは、そんな輩から守ってくれた。
獣のような声だからか、彼はあまり声を出すことはなかった。
「あなた、私のところに来る?」
戸惑いながらも恐る恐る
私の手を取ったあの日を今も覚えている。
私の家系の使用人になった日から、
リキルスは私以外の姉妹に虐められるようになり、
リキルスは猿轡をするようになった。
虐めている場面を見かけたら怒っているのだが、
彼女達には全く効果がなく、
それどころか悪化する一方だった。
「ねえ、あなた」
アリスを探しているレイスに向かって、
セキルライトはレイスに語りかける。
「何だよ」
「あなたは、女性が好きな私を気持ち悪いと思うか?」
「…………ただ好きになったのが女ってだけだろ?
確かに一般の普通と外れてるかもしれねえが、
間違ってるわけでもねえだろ?」
「そうだな、私もそう思う
好きでもない男と結婚したくないもの」
「だとすると、俺は邪魔者ってことになるな」
「まあそうなるよね
でも入ってしまったからには、私の過去を見ていくと良いさ」
「おお、意外と寛大なんだな」
「私は否定されて生まれてきたのさ
少なくとも、君もそうなんじゃないか?」
「そこはノーコメントだな」
「まあ良いさ、人は過去を知られるのを恐れるもの
自分から話す奴がいれば、
そいつはよっぽどの物好きだろうね」
「………………」
「本当に、何でこうなったんだろう
出来ることなら私も、他の姉妹のように、
普通に男を愛して、結婚したかった
皆のように、普通に生まれたかったな……」
「ドードー鳥……」
「そんな私も、やっと普通に近づいてるんだ
皆と同じように、男性を愛せそうなんだ」
「もしかしてその相手って……」
「そう、ダイヤの国にいるクライスだよ
彼はきっと……この時代の者じゃないんだろう
それでも、何故か惹かれるものがあるんだ」
「そうか、それは良かったな、ドードー鳥」
「ああ、これで私もやっと、普通になれるんだ」
「レイス!」
アリスがレイスを見つけるなり駆け寄る。
レイスはアリスの無事を確認して安堵すると、
空間が歪んでいくのを感じた。
「そろそろ時間だ
君達は私の本体の場所へと戻るが良い
どうかあのどうしようもない私を……殺してくれ」
過去の世界から戻るまでの間、
ドードー鳥の悲しげな笑顔が脳裏に焼き付いた。
「おや、アリスとお邪魔虫のご帰還みたいだね
じゃあ早速返事を聞こうか」
「ドードー鳥、あなたへの返事は……」
アリスはドードー鳥への頭に銃口を向け、引き金を引く。
「NOよ」
パァン!
乾いた破裂音が響き、ドードー鳥の体は消えて行く。
ドードー鳥は悲しそうに笑った。
「それは残念、私の恋は片思いに終わったか」
「次こそは、ちゃんとした相手と結ばれてね」
「ああ、そうするよ」
ドードー鳥の消滅を確認すると、ぷち三月が喋り出す。
「ドードー鳥がこの絵本から脱出したみたいです」
「そうか、なら早くここから出ようか
こんな粗大ゴミが並んでる空間にいると気分が悪い」
「えー、宝の山だろここは」
「お前にとってはそうでも、
僕にとってはそうじゃないんだよ」
「おいバカ兎二匹、さっさと出るぞ」
「ああん!? 誰がバカだって?」
「君しかいないじゃないかズワルト
危ないから剣を今すぐしまいなさい」
ちょっとした喧嘩をした後、
レイス達はドードー鳥の絵本から脱出した。
「もう行くのかい?」
「ああ、まだ住人全てを解放していないからな」
「そうか、なら行ってくると良いさ
私は気ままに待っているとしよう」
「追いかけてくんなよ」
「そんなことしないさ、私は諦めが良い方なのでね」
「次の住人の気配が近くからするのです
早速行きましょう!」
「ならさっさと行こうか
時間がないから手早く済ませよう」
「ねえ、ドードー鳥」
「何だい? アリス」
「クライスとの恋、実ると良いわね」
「ああ、ありがとう
私も、今度こそは普通の恋をしてみせるよ」
レイス達は次の住人の元へと向かった。
アリスを守れるのは僕達だけだから、気を引き締めよう」
「まあ、色んな意味でアリスが危険だよな
今までよりも注意が必要だろう」
「あの変な女のところとか、ひたすら疲れそうだな」
「ズワルトも変人具合は負けてないけどね」
「おいそれどういう意味だよ兄さん」
「そのままの意味だけど?」
「二人とも、喧嘩はダメよ」
「アリスが言うならやめるよ」
「兄さん……」
「何で引いてるんだ」
「嫌でも行くしかねえだろ
あいつは仮にもこの国の住人だからな」
ちょっとしたいざこざが発生しながらも、
レイス達はドードー鳥の絵本へと触れた。
同性愛者セキルライト・ティターン。
同性を愛した彼女は狂っていく。
私は三人の姉妹がいる家庭に生まれた。
私は生まれた頃より女性が好きで、男は嫌いだった。
他の姉妹は男を好きになるのに対し、
私は同性を愛していたのだ。
だからこそ、両親は私を異端視した。
「ここは、また家の中か
今までと比べるとデカイ家だな」
「そうだね
恐らく彼女はどこかの貴族なんだろう」
「この国の住人、元金持ち結構いるよな」
「資産家が必ずしも幸福とは限らないからね
逆に裕福だからこそ不幸なこともあるんだよ」
「ふーん、金持ちも大変なんだな」
道なりに進んでいくと、
そこには斧を持ったドードー鳥の姿があった。
棚には美しい女性の首がいくつも飾られており、
鮮血が滴り落ちている。
「やあ、アリス
君が来るのを楽しみに待っていたよ」
ドードー鳥はアリスにのみ笑顔を向ける。
その笑顔は男達には一切向けられていなかった。
ドードー鳥は彼らを面白くなさそうに一瞥すると、
再びアリスの方へと向き直った。
「私の全てを知ってくれ、アリス
返事はその後に聞くとしよう」
ドードー鳥がアリスに触れた途端、
アリスのみどこかへと消えていった。
「おいドードー鳥、アリスをどこに隠した」
「私の全てを知れる場所さ、彼女は私を知る権利がある」
「つまり君は、僕達に自分の過去は
見られたくないってことかな?」
「ああ、そういうことだよ
汚らわしい野郎が、私の過去を覗くなんて寒気がする」
「まだ空間の歪みが残っているのです
今なら一人くらいなら入れるかもしれません」
「それなら俺が行く
アリスを守るなら俺の方が適任だろ」
「おい待て、抜け駆けをするなレイス
アリスは僕のものだぞ」
「元々お前のものじゃねえよ
お前が勝手に自分のものだと
思ってるだけだよロリコン兎」
「うるさい」
「はぁ? そんなことさせるわけがないじゃないか
君達は仲良くここで待ってなよ」
「レイス、兄さんとこの女は引き付けとくから、
お前はアリスの所に行ってくれ」
「ありがとなズワルト
ぷち三月、早速やってくれ」
「任せるのです!」
ぷち三月から黒い手が出てきたと思うと、
何もない空間に手を突っ込んでこじ開ける。
レイスは空間に空いた穴に己の体を突っ込んだ。
私がリキルス・ギルバーと出会ったのは、
人気のない路地裏だった。
出会った頃の彼は、みすぼらしい格好で、
体もげっそりと痩せこけていた。
金目当てで私を誘拐しようとしたり、
騙してお金を搾取しようとする輩がいる中、
彼だけは、そんな輩から守ってくれた。
獣のような声だからか、彼はあまり声を出すことはなかった。
「あなた、私のところに来る?」
戸惑いながらも恐る恐る
私の手を取ったあの日を今も覚えている。
私の家系の使用人になった日から、
リキルスは私以外の姉妹に虐められるようになり、
リキルスは猿轡をするようになった。
虐めている場面を見かけたら怒っているのだが、
彼女達には全く効果がなく、
それどころか悪化する一方だった。
「ねえ、あなた」
アリスを探しているレイスに向かって、
セキルライトはレイスに語りかける。
「何だよ」
「あなたは、女性が好きな私を気持ち悪いと思うか?」
「…………ただ好きになったのが女ってだけだろ?
確かに一般の普通と外れてるかもしれねえが、
間違ってるわけでもねえだろ?」
「そうだな、私もそう思う
好きでもない男と結婚したくないもの」
「だとすると、俺は邪魔者ってことになるな」
「まあそうなるよね
でも入ってしまったからには、私の過去を見ていくと良いさ」
「おお、意外と寛大なんだな」
「私は否定されて生まれてきたのさ
少なくとも、君もそうなんじゃないか?」
「そこはノーコメントだな」
「まあ良いさ、人は過去を知られるのを恐れるもの
自分から話す奴がいれば、
そいつはよっぽどの物好きだろうね」
「………………」
「本当に、何でこうなったんだろう
出来ることなら私も、他の姉妹のように、
普通に男を愛して、結婚したかった
皆のように、普通に生まれたかったな……」
「ドードー鳥……」
「そんな私も、やっと普通に近づいてるんだ
皆と同じように、男性を愛せそうなんだ」
「もしかしてその相手って……」
「そう、ダイヤの国にいるクライスだよ
彼はきっと……この時代の者じゃないんだろう
それでも、何故か惹かれるものがあるんだ」
「そうか、それは良かったな、ドードー鳥」
「ああ、これで私もやっと、普通になれるんだ」
「レイス!」
アリスがレイスを見つけるなり駆け寄る。
レイスはアリスの無事を確認して安堵すると、
空間が歪んでいくのを感じた。
「そろそろ時間だ
君達は私の本体の場所へと戻るが良い
どうかあのどうしようもない私を……殺してくれ」
過去の世界から戻るまでの間、
ドードー鳥の悲しげな笑顔が脳裏に焼き付いた。
「おや、アリスとお邪魔虫のご帰還みたいだね
じゃあ早速返事を聞こうか」
「ドードー鳥、あなたへの返事は……」
アリスはドードー鳥への頭に銃口を向け、引き金を引く。
「NOよ」
パァン!
乾いた破裂音が響き、ドードー鳥の体は消えて行く。
ドードー鳥は悲しそうに笑った。
「それは残念、私の恋は片思いに終わったか」
「次こそは、ちゃんとした相手と結ばれてね」
「ああ、そうするよ」
ドードー鳥の消滅を確認すると、ぷち三月が喋り出す。
「ドードー鳥がこの絵本から脱出したみたいです」
「そうか、なら早くここから出ようか
こんな粗大ゴミが並んでる空間にいると気分が悪い」
「えー、宝の山だろここは」
「お前にとってはそうでも、
僕にとってはそうじゃないんだよ」
「おいバカ兎二匹、さっさと出るぞ」
「ああん!? 誰がバカだって?」
「君しかいないじゃないかズワルト
危ないから剣を今すぐしまいなさい」
ちょっとした喧嘩をした後、
レイス達はドードー鳥の絵本から脱出した。
「もう行くのかい?」
「ああ、まだ住人全てを解放していないからな」
「そうか、なら行ってくると良いさ
私は気ままに待っているとしよう」
「追いかけてくんなよ」
「そんなことしないさ、私は諦めが良い方なのでね」
「次の住人の気配が近くからするのです
早速行きましょう!」
「ならさっさと行こうか
時間がないから手早く済ませよう」
「ねえ、ドードー鳥」
「何だい? アリス」
「クライスとの恋、実ると良いわね」
「ああ、ありがとう
私も、今度こそは普通の恋をしてみせるよ」
レイス達は次の住人の元へと向かった。
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