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本編
第四話 カミサマの時間
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ここ、円地村ではこの村独自の風習、または授業がある。
勿論授業のほとんどは都会の学校のそれと同じなのだが、
聞いたことのない授業で一番印象に残ったのはやはりあれだろう。
【カミサマの時間】
聞いただけではどんな授業なのか想像も出来ないだろう。
実際に私も初めて聞いた時は首を傾げたことだ。
この授業のことを簡潔に説明するならば……
カミサマに祈りを捧げ、
今日の当番の生徒が三柱のカミサマにお供え物を供える。
この授業は週一くらいのペースでやっている。
(ちなみにお供え物は月一となっている)
お供え物は所謂米や野菜などの作物だ。
昔は生け贄なんてものもあったようだが、
今ではそんな風習は廃れているそうだ。
どうして神様ではなくカミサマなのかは私にも分からない。
虚さんに聞いたら、『彼らはね、この村に殺されたんだよ』
とか言っていたがさっぱり分からなかった。
それで今はちょうどカミサマの時間なのだが、
お供えをする前にクラス全員でカミサマに祈りを捧げるのだ。
「カミサマ、カミサマ、我らをお許し下さい」
これを何度か繰り返しながら祈るだけ。
隣の人を真似しながらやっているが、
彼らはどうしてカミサマに許してもらおうとしているのか。
普通祈りというのはカミサマに感謝を述べるのではないのか。
私の常識がおかしいのだろうか。何だかそんな気がしてきた。
何せ私は、子供の頃から周りに頭がおかしいと言われ続けていたのだ。
ならば、疑うのは必然的に私の頭になるだろう。
◇◇◇
一時間くらい経った頃に祈りの時間が終わり、
今日カミサマにお供えをする当番をくじ引きで決めた。
今日の当番は……どうやら私のようだ。
最近越してきたばかりの転校生に任せて大丈夫なのだろうか。
知らずのうちに無礼を働かないか不安になったが、
もう決まってしまったものはしょうがない。
私は先生に渡されたお供え物を抱えると、
三柱の祠がある校舎裏へと向かった。
◇◇◇
エニシノカミ。
エニシノクワイ。
エニシノアタエ。
三柱のカミサマに順番通りにお供え物を置いていく。
どうしてこの順番かというと、
“本物”の三柱の神様が地上に降りた順番らしい。
カミサマに偽物も本物もあるのか疑問だが、
さっさと終わらせようと無心でお供え物を置いていった。
「…………あれ?こんな所にも祠が……」
ふと視線を向けると、三柱の祠以外にも、
どこかのカミサマの祠があることに気づいた。
心なしか、少し寂れているが三柱の神様の祠よりも、
装飾が豪華な印象を受ける。
だけどこの祠にはお供え物らしき物は見当たらない。
「誰かがお供えするの忘れちゃったのかな?」
この祠だけお供え物が無いのが可哀想だが、
三柱用のお供え物を置くのは流石に失礼だろう。
私は何かないかとポケットの中を探る。
「あ、お菓子しかないや……」
この前コンビニでこっそり買ったお菓子が入っていた。
虚さんはお菓子を買うこと事態は何も言わないのだが、
ご飯前や寝る前にお菓子を食べると怒るのだ。
特に寝る前に食べた時の『虫歯になるだろう!』
と怒ってた時の虚さんの剣幕は凄かった。
時々あの人がお母さんに見えてくる。
だからこっそり食べる用のチョコ菓子を
ポケットに忍ばせていたのだが、まさかこんなところで役に立つとは。
ちなみに虚さんは私が菓子パンばかり食べてた時に、
『栄養が偏る!』とか言ってそれ以来お弁当を作ってくれている。
「きちんとした供物ではないことをお許し下さい」
私はお菓子を寂れた祠に供えると、手を合わせて祈る。
せめて少しでも、この祠のカミサマの糧となれますように。
「我に菓子を供えるとは、愉快な人間もいたものだな」
背後からの声に驚いて目を開けると、
誰かの手が背後から伸びて供え物の菓子を掴んだ。
「あ、それはここのカミサマの……」
そう言いかけて振り返った時に息が止まる。
さらさらとした茶髪に、血のように紅い瞳。
どこかゾッとするような美しさを感じた。
「我の供物をどうしようが自由だろう?」
「あ、もしかしてあなたって……」
「くくっ、流石に気付いたか
左様、我こそこの祠に祀られる神である」
「あの、申し訳御座いません
流石に三柱用のお供え物を供えるわけにはいかず」
「構わぬ、人間にしては賢明な判断だな
もしもあの紛い物共の供物を捧げておれば、
危うくお主の首は身体から離れておったかもな?くくっ」
口調からしてかなり偉い神様なのだろうか。
オーラからして相当力がありそうに見える。
「あの、神様
失礼ながら一つお聞きして宜しいでしょうか」
「申してみよ」
「神様は、どのような神様なのでしょうか」
「………そうか、お主は外から来た者であったな
良いだろう、答えてやる」
「ありがとうございます、神様」
「その前に……場所を変えよう」
神様がパチンと指を鳴らすと、一瞬で景色が変わる。
ここがどこかは検討もつかないが、恐らくどこかの神域か何かなのだろう。
「ここは我の神域だ
まあ神隠しのようになってしまうが、二人で話すには向いておるからな」
また神様が指パッチンをするとテーブルと椅子が現れ、
神様は向かいの椅子にドカッと座り込んだ。
『お前も向かいに座れ』と顎で示してきたので、
私も用意された椅子にゆっくりと座る。
「茶菓子でもいるか?」
「い、いいえ、お構い無く」
「遠慮するな、我が許すと言っておるのだ
有り難く我の好意を受け取ると良い」
「で、ではお言葉に甘えて……」
また神様が指パッチンすると今度は茶菓子とお茶が現れる。
まだ熱いお茶を飲んでみると緑茶だった。美味しい。
菓子供えただけの小娘に過剰なくらいもてなしてくれるな……
「あの、どうして私にそこまで……」
「そうだな……お主のことを気に入ったと答えれば、
お主はどんな反応を見せてくれる?」
「そうですね……恐れ多いという気持ちが強いでしょうか」
「…………くくくっ、ますます気に入ったぞ小娘
おいお主、名は何という」
「松雪 暦です」
「暦……あのクワイの愛し子はレキなどと呼んでおったな
ならば、我もそのように呼ぶことにしよう」
何か知らないが神様に気に入られたようだ。
神様は私を見ながら満足そうに笑っている。
どうやら悪い神様ではなさそうだ。
「さて、まずは自己紹介からとしよう
我の名は禍月
この村の人の子は我の事をマガツサマと呼ぶ
お主のみ、禍月と呼ぶことを許そう」
マガツサマの視線からは文句を言わせない圧を感じる。
禍月様と呼ぶ以外に私に選択肢はなさそうだ。
「…………では、禍月様
あなたはどのような神様なのでしょうか」
私が禍月様と呼ぶと、禍月様は満足そうに頷く。
禍月様は上機嫌に私の質問に答えた。
「そうだな……一言で説明するのは難しい
簡潔に言うならば我は土地神でもあり、
この地の祟り神でもあるからな」
「……どういうことでしょうか」
「まず我は数々の道祖神やマガイモノの集合体だ
本来我は災厄をもたらす神でもある」
「では、この地の土地神というのは……」
「我は祟り神と同時に、この地から災害を防ぐ土地神であるのだ
我は千年に一度目覚め、結崎家の人間を器として地上に降りておる」
「結崎家?」
「一言で言うならば、唯一マガイモノと意志疎通が出来、
会話だけでマガイモノを輪廻へ還す家系だ」
「それなら、縁壊がマガイモノを倒す必要がないんじゃ……」
「こやつだけで還すにはマガイモノの数が多い
故に縁壊の存在も必要不可欠だ
それに、我の器はこの土地から出られぬからな」
「ああ、だから土地神のようなものだと……」
「そうだ、まさに土地神のようであろう?」
空気の澄んだこの神域でどのくらいの時間ここにいるのだろう。
私が突然いなくなったら誰か心配するかもしれない。
最後に一つ質問してここからお暇させてもらおう。
「禍月様、最後に質問宜しいでしょうか」
「うむ、何でも聞くがよい」
「あの三柱のカミサマが紛い物ってどうゆう……」
そう言いかけて口をつぐんだ。
明らかに禍月様の纏う雰囲気が変わったからだ。
何か聞いてはいけないことを聞いたような……
「あの紛い物共のことは忘れよ」
「え、でも……」
「忘れよ、良いな?レキ」
「は、はい……」
そう凄まれたら断るわけにはいかない。
私が頷くと禍月様は先程のニコニコ顔に戻った。
「そんなくだらぬ話よりも、次はいつ来られる?
我はまだ話足りぬからな
我と縁を結んだからには、とことん付き合って貰うぞ?」
「…………虚さんから許可が出たら……ですかね?」
「チッ、あのクワイの愛し子か
あやつは愛想笑いしかせんからあまり好ましくはないが、仕方あるまい」
禍月様は何かブツブツ言っていたが、
小さすぎて私の耳には聞こえなかった。
「ああそうだレキ、我と友になるのはどうだ?
知り合いが一人もおらぬ土地は心細かろう
我の名を呼べば、いつでも茶会に招待してやるぞ?」
まあ、友達になるくらいなら良いかな?
「あまり話しててもつまらないかもしれませんが、
私でも良かったら、お願いします」
「そのようなこと気にするでない
我はレキが話し相手になるだけで充分だからな」
「また会おう、レキ」
禍月様が指パッチンしたのを最後に景色が変わり、
気がついた時には私の視界はさっきの祠の前に突っ立っていた。
すると、真斗くんが心配そうな顔で私に駆け寄る。
「良かった、暦がなかなか帰ってこないって聞いたから、
皆で一緒に探してたんだよ」
「…………真斗くん」
「どうしたの、暦」
「私、マガツサマとお友達になったよ」
「え!?あの面倒な神様と!?」
人間ではないが、私は初めての友達を手にいれた。
人間ではないけれど
勿論授業のほとんどは都会の学校のそれと同じなのだが、
聞いたことのない授業で一番印象に残ったのはやはりあれだろう。
【カミサマの時間】
聞いただけではどんな授業なのか想像も出来ないだろう。
実際に私も初めて聞いた時は首を傾げたことだ。
この授業のことを簡潔に説明するならば……
カミサマに祈りを捧げ、
今日の当番の生徒が三柱のカミサマにお供え物を供える。
この授業は週一くらいのペースでやっている。
(ちなみにお供え物は月一となっている)
お供え物は所謂米や野菜などの作物だ。
昔は生け贄なんてものもあったようだが、
今ではそんな風習は廃れているそうだ。
どうして神様ではなくカミサマなのかは私にも分からない。
虚さんに聞いたら、『彼らはね、この村に殺されたんだよ』
とか言っていたがさっぱり分からなかった。
それで今はちょうどカミサマの時間なのだが、
お供えをする前にクラス全員でカミサマに祈りを捧げるのだ。
「カミサマ、カミサマ、我らをお許し下さい」
これを何度か繰り返しながら祈るだけ。
隣の人を真似しながらやっているが、
彼らはどうしてカミサマに許してもらおうとしているのか。
普通祈りというのはカミサマに感謝を述べるのではないのか。
私の常識がおかしいのだろうか。何だかそんな気がしてきた。
何せ私は、子供の頃から周りに頭がおかしいと言われ続けていたのだ。
ならば、疑うのは必然的に私の頭になるだろう。
◇◇◇
一時間くらい経った頃に祈りの時間が終わり、
今日カミサマにお供えをする当番をくじ引きで決めた。
今日の当番は……どうやら私のようだ。
最近越してきたばかりの転校生に任せて大丈夫なのだろうか。
知らずのうちに無礼を働かないか不安になったが、
もう決まってしまったものはしょうがない。
私は先生に渡されたお供え物を抱えると、
三柱の祠がある校舎裏へと向かった。
◇◇◇
エニシノカミ。
エニシノクワイ。
エニシノアタエ。
三柱のカミサマに順番通りにお供え物を置いていく。
どうしてこの順番かというと、
“本物”の三柱の神様が地上に降りた順番らしい。
カミサマに偽物も本物もあるのか疑問だが、
さっさと終わらせようと無心でお供え物を置いていった。
「…………あれ?こんな所にも祠が……」
ふと視線を向けると、三柱の祠以外にも、
どこかのカミサマの祠があることに気づいた。
心なしか、少し寂れているが三柱の神様の祠よりも、
装飾が豪華な印象を受ける。
だけどこの祠にはお供え物らしき物は見当たらない。
「誰かがお供えするの忘れちゃったのかな?」
この祠だけお供え物が無いのが可哀想だが、
三柱用のお供え物を置くのは流石に失礼だろう。
私は何かないかとポケットの中を探る。
「あ、お菓子しかないや……」
この前コンビニでこっそり買ったお菓子が入っていた。
虚さんはお菓子を買うこと事態は何も言わないのだが、
ご飯前や寝る前にお菓子を食べると怒るのだ。
特に寝る前に食べた時の『虫歯になるだろう!』
と怒ってた時の虚さんの剣幕は凄かった。
時々あの人がお母さんに見えてくる。
だからこっそり食べる用のチョコ菓子を
ポケットに忍ばせていたのだが、まさかこんなところで役に立つとは。
ちなみに虚さんは私が菓子パンばかり食べてた時に、
『栄養が偏る!』とか言ってそれ以来お弁当を作ってくれている。
「きちんとした供物ではないことをお許し下さい」
私はお菓子を寂れた祠に供えると、手を合わせて祈る。
せめて少しでも、この祠のカミサマの糧となれますように。
「我に菓子を供えるとは、愉快な人間もいたものだな」
背後からの声に驚いて目を開けると、
誰かの手が背後から伸びて供え物の菓子を掴んだ。
「あ、それはここのカミサマの……」
そう言いかけて振り返った時に息が止まる。
さらさらとした茶髪に、血のように紅い瞳。
どこかゾッとするような美しさを感じた。
「我の供物をどうしようが自由だろう?」
「あ、もしかしてあなたって……」
「くくっ、流石に気付いたか
左様、我こそこの祠に祀られる神である」
「あの、申し訳御座いません
流石に三柱用のお供え物を供えるわけにはいかず」
「構わぬ、人間にしては賢明な判断だな
もしもあの紛い物共の供物を捧げておれば、
危うくお主の首は身体から離れておったかもな?くくっ」
口調からしてかなり偉い神様なのだろうか。
オーラからして相当力がありそうに見える。
「あの、神様
失礼ながら一つお聞きして宜しいでしょうか」
「申してみよ」
「神様は、どのような神様なのでしょうか」
「………そうか、お主は外から来た者であったな
良いだろう、答えてやる」
「ありがとうございます、神様」
「その前に……場所を変えよう」
神様がパチンと指を鳴らすと、一瞬で景色が変わる。
ここがどこかは検討もつかないが、恐らくどこかの神域か何かなのだろう。
「ここは我の神域だ
まあ神隠しのようになってしまうが、二人で話すには向いておるからな」
また神様が指パッチンをするとテーブルと椅子が現れ、
神様は向かいの椅子にドカッと座り込んだ。
『お前も向かいに座れ』と顎で示してきたので、
私も用意された椅子にゆっくりと座る。
「茶菓子でもいるか?」
「い、いいえ、お構い無く」
「遠慮するな、我が許すと言っておるのだ
有り難く我の好意を受け取ると良い」
「で、ではお言葉に甘えて……」
また神様が指パッチンすると今度は茶菓子とお茶が現れる。
まだ熱いお茶を飲んでみると緑茶だった。美味しい。
菓子供えただけの小娘に過剰なくらいもてなしてくれるな……
「あの、どうして私にそこまで……」
「そうだな……お主のことを気に入ったと答えれば、
お主はどんな反応を見せてくれる?」
「そうですね……恐れ多いという気持ちが強いでしょうか」
「…………くくくっ、ますます気に入ったぞ小娘
おいお主、名は何という」
「松雪 暦です」
「暦……あのクワイの愛し子はレキなどと呼んでおったな
ならば、我もそのように呼ぶことにしよう」
何か知らないが神様に気に入られたようだ。
神様は私を見ながら満足そうに笑っている。
どうやら悪い神様ではなさそうだ。
「さて、まずは自己紹介からとしよう
我の名は禍月
この村の人の子は我の事をマガツサマと呼ぶ
お主のみ、禍月と呼ぶことを許そう」
マガツサマの視線からは文句を言わせない圧を感じる。
禍月様と呼ぶ以外に私に選択肢はなさそうだ。
「…………では、禍月様
あなたはどのような神様なのでしょうか」
私が禍月様と呼ぶと、禍月様は満足そうに頷く。
禍月様は上機嫌に私の質問に答えた。
「そうだな……一言で説明するのは難しい
簡潔に言うならば我は土地神でもあり、
この地の祟り神でもあるからな」
「……どういうことでしょうか」
「まず我は数々の道祖神やマガイモノの集合体だ
本来我は災厄をもたらす神でもある」
「では、この地の土地神というのは……」
「我は祟り神と同時に、この地から災害を防ぐ土地神であるのだ
我は千年に一度目覚め、結崎家の人間を器として地上に降りておる」
「結崎家?」
「一言で言うならば、唯一マガイモノと意志疎通が出来、
会話だけでマガイモノを輪廻へ還す家系だ」
「それなら、縁壊がマガイモノを倒す必要がないんじゃ……」
「こやつだけで還すにはマガイモノの数が多い
故に縁壊の存在も必要不可欠だ
それに、我の器はこの土地から出られぬからな」
「ああ、だから土地神のようなものだと……」
「そうだ、まさに土地神のようであろう?」
空気の澄んだこの神域でどのくらいの時間ここにいるのだろう。
私が突然いなくなったら誰か心配するかもしれない。
最後に一つ質問してここからお暇させてもらおう。
「禍月様、最後に質問宜しいでしょうか」
「うむ、何でも聞くがよい」
「あの三柱のカミサマが紛い物ってどうゆう……」
そう言いかけて口をつぐんだ。
明らかに禍月様の纏う雰囲気が変わったからだ。
何か聞いてはいけないことを聞いたような……
「あの紛い物共のことは忘れよ」
「え、でも……」
「忘れよ、良いな?レキ」
「は、はい……」
そう凄まれたら断るわけにはいかない。
私が頷くと禍月様は先程のニコニコ顔に戻った。
「そんなくだらぬ話よりも、次はいつ来られる?
我はまだ話足りぬからな
我と縁を結んだからには、とことん付き合って貰うぞ?」
「…………虚さんから許可が出たら……ですかね?」
「チッ、あのクワイの愛し子か
あやつは愛想笑いしかせんからあまり好ましくはないが、仕方あるまい」
禍月様は何かブツブツ言っていたが、
小さすぎて私の耳には聞こえなかった。
「ああそうだレキ、我と友になるのはどうだ?
知り合いが一人もおらぬ土地は心細かろう
我の名を呼べば、いつでも茶会に招待してやるぞ?」
まあ、友達になるくらいなら良いかな?
「あまり話しててもつまらないかもしれませんが、
私でも良かったら、お願いします」
「そのようなこと気にするでない
我はレキが話し相手になるだけで充分だからな」
「また会おう、レキ」
禍月様が指パッチンしたのを最後に景色が変わり、
気がついた時には私の視界はさっきの祠の前に突っ立っていた。
すると、真斗くんが心配そうな顔で私に駆け寄る。
「良かった、暦がなかなか帰ってこないって聞いたから、
皆で一緒に探してたんだよ」
「…………真斗くん」
「どうしたの、暦」
「私、マガツサマとお友達になったよ」
「え!?あの面倒な神様と!?」
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