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本編
第十八話 白雪爆破事件【前編】
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ホワイトデー。
それは3月14日に開催されるお返しの日。
聞けばホワイトデーって日本だけの文化らしく、
それを知った時は目を丸くしたものだ。
つまりホワイトデーの恩恵を受けられるのは、
多種多様なお菓子をお返しで貰えるのは、
この国だけと言う贅沢。
ありがとう、ありがとうホワイトデー。
冥府ではホワイトデーにはホワイトデーなりのイベントがあり、
主に白いお菓子が喜ばれるようになっている。
いつもの冥府のワードは大抵、
月・夜・蝶・黒王様の四つのワードが共通認識
だったりするのだが、この日に限っては白が追加される。
だからホワイトデーはマシュマロやホワイトチョコなど、
白いお菓子が出やすい日でもあるのだ。
私はお返しで貰ったケーキをルンルン気分で持ちながら、
零時さんの探偵事務所の扉を開く。
「零時さん!おはようございます!」
「ああ、おはよう三成
今日は随分と機嫌が良いな」
「聞きます?聞いちゃいます?」
「いや、良い
そこまでニヤニヤしながら言われると聞きたくなくなってきた」
「実はですね、伊織さんにバレンタインのお返しを貰いまして、
しかもチョコケーキをホールまるまる二つ貰っちゃいました!」
「なるほど、機嫌が良いのはそれが理由か
確かにホールを二つとなると、
三成の機嫌が良いのも納得だな」
「零時さんにも一切れお裾分けしてあげますね!」
「ほう、珍しいじゃないか三成
いつもの意地汚さはどうしたんだ?」
「そんなに意地汚くないですー
せっかくの善意を棒に振るなんて、
零時さん人生損してますよ?」
「余計なお世話だアホ」
と言いつつ機嫌は良いので探偵事務所の食器棚から、
二つの皿とフォーク、ケーキを切る用の包丁を用意する。
一つ目は……そうだ、リンゴが入ったケーキにしよう。
私は二つの箱のうちの一つのアップルチョコケーキを、
箱の中から取り出し、包丁で雑に切り分けていく。
どうせ二人で食べるのだ。
均等に分ける必要はない。
「三成お前……切り分け方下手くそだな」
「余計なお世話です~」
呆れてる零時さんの顔をチラッと見た後、
まず零時さんの皿に小さく切り分けたケーキを置く。
私のは勿論大きく切り分けた方のケーキだ。
私が大きい方を取ったことに関しては、
零時さんは特に何も言わなかった。
きっと私の性格を知っているからだろう。
私は零時さんの隣に座ると、フォークを手に持ち、
手を合わせた。
「ではでは、いっただっきま~す!」
「いただきます」
早速ケーキの上に乗ってるリンゴをフォークで突き刺し、口に運ぶ。
今回のは上品な甘さが広がるリンゴで、非常に美味しい。
このシャリシャリ感が堪らないのだ。
「ほう、クリームにカカオニブを入れているのか」
「あ、言われてみればそうですね
この絶妙な苦味が堪りませんねぇ」
スポンジの間に挟まるクリームに入ってるカカオニブ。
このナッツのような食感がたまらない。
その苦さを邪魔しないよう、上品な甘さのリンゴが効いている。
簡潔に言うと、美味しい。
「これは伊織が作ったのか?」
「はい、手作りだと言ってましたよ?」
「そうか、伊織が……」
零時さんは何かを考え込みながら、
アップルチョコケーキを口に運んでいる。
きっとよっぽど気に入ったのだろう。
「ご馳走さまでした!」
結局全部食べてしまったが、まだ全然食べられそうだ。
伊織さんに貰った箱から二個目を取り出す。
「まだ食べる気なのか?」
「大丈夫です!零時さんにはあげませんから!」
「いつもの意地汚さが出てきたな」
そんなやれやれ感を出さないでほしい。
私は別に意地汚くなんてない、決して。
次はシンプルなホワイトチョコケーキと聞いている。
クリームにオレンジピューレも入っているらしい。
一個目であんなに美味しかったのだから、
二個目も期待が高まる。
今度も大きめに自分の分を切り分けて、
再びフォークで食べていった……
ちなみに二個目も非常に美味しかったと言っておく。
◇◇◇
「やあ、時人くん!ハッピーホワイトデー!」
「ああ、伊織か
どうやらうちの食いしん坊にケーキをくれたらしいな
代わりに礼を言っておこう」
「良いよそんなこと、気にしないで!
いつものお礼みたいなものだからさ!
ところで……」
伊織はチラリとソファーへと視線を向ける。
「Zzz……」
「そこのソファーで爆睡してるのって……
もしかして、三成さん?」
「ああ、三成だ」
「お腹凄く膨らんでるけど……何かあった?」
「そりゃお前に貰ったホールケーキ二個
一気に平らげたらこうもなるだろ」
「え、あれ一日で食べたの?」
「ああ、隣で見てたからな
美味しそうに食べてたぞ」
「ええ嘘……あれ一日で食べきっちゃったの?
確かにその方が都合は良いけど……うーん」
「どうした?」
「ううん?何でもないよ時人くん
そんなことより時人くん、これホワイトデーのお返し!」
伊織は零時に白いマカロンを手渡す。
猫のアイシングがされている可愛いお菓子だった。
「伊織にチョコなど渡した覚えはないが」
「くれたじゃないか!バレンタインの次の日に!」
そう、零時はバレンタインの次の日に、
ストーカー三人にチョコを渡していたのだ。
「あれは今まで捜査に協力して貰った報酬だ
決してバレンタインのチョコとかではない」
「もー!時人くんってば素直じゃないんだから!」
マカロンの匂いでもしたのか、先程までソファーで
爆睡していたはずの三成が飛び起きる。
「マカロン!!!」
「お前の寝起きの第一声それで良いのか?」
「マカロン!!!」
三成は飛び起きた途端、ヨダレを垂らしながら零時に詰め寄る。
勿論零時は困惑している。
「言語を忘れた野生の獣か何かか?」
「マカロン!!!」
「はいはい、一個だけな」
零時が包みからマカロンを一つ取り出すと、
零時の手を食べかねない勢いで、
零時の手の中のマカロンに食いつく。
その勢いで零時は少し噛まれた。
「いたっ」
「時人くん!大丈夫かい?」
伊織が零時の指を労ってる間に、
三成は口の中のマカロンを味わいながら咀嚼する。
その顔はどこか幸せそうだ。
「おいひい……」
「おい、こっちはお前の食い意地のせいで、
歯形を付けられたんだが?」
「それは私に早くマカロンをくれなかった零時さんが悪いです」
「人のせいにするな
お前が食に対して凶暴だっただけだろ」
「君さっき僕があげたホールケーキを
二つ食べたばかりなんだろ?もうお腹空いたのかい?」
「寝たらお腹すきました」
「随分と燃費の悪い身体だな」
ガチャ!
三人がそんな会話をしていると、
探偵事務所のドアが勢い良く開け放たれる。
そこにいたのは白雪であり、
白雪は涙目で零時に向かって抱きついてきた。
「白雪王子ーー!!!」
「離れろクソ変態野郎」
零時は迷惑そうにしている。
「あ、これ白雪王子へのお返し
これが僕の愛の形だよ」
白雪は零時に抱きつきながら上等そうな箱を手渡す。
零時はうんざりしたような顔をして受けとる。
「…………中身は?」
「マロングラッセだよ、白雪王子」
マロングラッセ:永遠の愛
その意味を知っている零時は、更に嫌そうな顔をした。
「それで?用件は何だ」
「ああそうだ、聞いてくれよ白雪王子
君と僕にとって大変なことが起きたんだ!」
「大変なこと?」
「ほら、この前はミルクチョコの僕だっただろ?
でもこの前は気に入ってくれなかったから、
だから今回は、ホワイトチョコの僕にしたんだけど……」
「別にミルクだからダメだったとかじゃない
単純に送るものが問題だっただけだ」
「それが壊されたんだよ!僕と君の愛の結晶が!!!」
「………………壊された?」
零時にとっては心底どうでも良いであろう、
ホワイトチョコ白雪爆破事件の始まりであった……
それは3月14日に開催されるお返しの日。
聞けばホワイトデーって日本だけの文化らしく、
それを知った時は目を丸くしたものだ。
つまりホワイトデーの恩恵を受けられるのは、
多種多様なお菓子をお返しで貰えるのは、
この国だけと言う贅沢。
ありがとう、ありがとうホワイトデー。
冥府ではホワイトデーにはホワイトデーなりのイベントがあり、
主に白いお菓子が喜ばれるようになっている。
いつもの冥府のワードは大抵、
月・夜・蝶・黒王様の四つのワードが共通認識
だったりするのだが、この日に限っては白が追加される。
だからホワイトデーはマシュマロやホワイトチョコなど、
白いお菓子が出やすい日でもあるのだ。
私はお返しで貰ったケーキをルンルン気分で持ちながら、
零時さんの探偵事務所の扉を開く。
「零時さん!おはようございます!」
「ああ、おはよう三成
今日は随分と機嫌が良いな」
「聞きます?聞いちゃいます?」
「いや、良い
そこまでニヤニヤしながら言われると聞きたくなくなってきた」
「実はですね、伊織さんにバレンタインのお返しを貰いまして、
しかもチョコケーキをホールまるまる二つ貰っちゃいました!」
「なるほど、機嫌が良いのはそれが理由か
確かにホールを二つとなると、
三成の機嫌が良いのも納得だな」
「零時さんにも一切れお裾分けしてあげますね!」
「ほう、珍しいじゃないか三成
いつもの意地汚さはどうしたんだ?」
「そんなに意地汚くないですー
せっかくの善意を棒に振るなんて、
零時さん人生損してますよ?」
「余計なお世話だアホ」
と言いつつ機嫌は良いので探偵事務所の食器棚から、
二つの皿とフォーク、ケーキを切る用の包丁を用意する。
一つ目は……そうだ、リンゴが入ったケーキにしよう。
私は二つの箱のうちの一つのアップルチョコケーキを、
箱の中から取り出し、包丁で雑に切り分けていく。
どうせ二人で食べるのだ。
均等に分ける必要はない。
「三成お前……切り分け方下手くそだな」
「余計なお世話です~」
呆れてる零時さんの顔をチラッと見た後、
まず零時さんの皿に小さく切り分けたケーキを置く。
私のは勿論大きく切り分けた方のケーキだ。
私が大きい方を取ったことに関しては、
零時さんは特に何も言わなかった。
きっと私の性格を知っているからだろう。
私は零時さんの隣に座ると、フォークを手に持ち、
手を合わせた。
「ではでは、いっただっきま~す!」
「いただきます」
早速ケーキの上に乗ってるリンゴをフォークで突き刺し、口に運ぶ。
今回のは上品な甘さが広がるリンゴで、非常に美味しい。
このシャリシャリ感が堪らないのだ。
「ほう、クリームにカカオニブを入れているのか」
「あ、言われてみればそうですね
この絶妙な苦味が堪りませんねぇ」
スポンジの間に挟まるクリームに入ってるカカオニブ。
このナッツのような食感がたまらない。
その苦さを邪魔しないよう、上品な甘さのリンゴが効いている。
簡潔に言うと、美味しい。
「これは伊織が作ったのか?」
「はい、手作りだと言ってましたよ?」
「そうか、伊織が……」
零時さんは何かを考え込みながら、
アップルチョコケーキを口に運んでいる。
きっとよっぽど気に入ったのだろう。
「ご馳走さまでした!」
結局全部食べてしまったが、まだ全然食べられそうだ。
伊織さんに貰った箱から二個目を取り出す。
「まだ食べる気なのか?」
「大丈夫です!零時さんにはあげませんから!」
「いつもの意地汚さが出てきたな」
そんなやれやれ感を出さないでほしい。
私は別に意地汚くなんてない、決して。
次はシンプルなホワイトチョコケーキと聞いている。
クリームにオレンジピューレも入っているらしい。
一個目であんなに美味しかったのだから、
二個目も期待が高まる。
今度も大きめに自分の分を切り分けて、
再びフォークで食べていった……
ちなみに二個目も非常に美味しかったと言っておく。
◇◇◇
「やあ、時人くん!ハッピーホワイトデー!」
「ああ、伊織か
どうやらうちの食いしん坊にケーキをくれたらしいな
代わりに礼を言っておこう」
「良いよそんなこと、気にしないで!
いつものお礼みたいなものだからさ!
ところで……」
伊織はチラリとソファーへと視線を向ける。
「Zzz……」
「そこのソファーで爆睡してるのって……
もしかして、三成さん?」
「ああ、三成だ」
「お腹凄く膨らんでるけど……何かあった?」
「そりゃお前に貰ったホールケーキ二個
一気に平らげたらこうもなるだろ」
「え、あれ一日で食べたの?」
「ああ、隣で見てたからな
美味しそうに食べてたぞ」
「ええ嘘……あれ一日で食べきっちゃったの?
確かにその方が都合は良いけど……うーん」
「どうした?」
「ううん?何でもないよ時人くん
そんなことより時人くん、これホワイトデーのお返し!」
伊織は零時に白いマカロンを手渡す。
猫のアイシングがされている可愛いお菓子だった。
「伊織にチョコなど渡した覚えはないが」
「くれたじゃないか!バレンタインの次の日に!」
そう、零時はバレンタインの次の日に、
ストーカー三人にチョコを渡していたのだ。
「あれは今まで捜査に協力して貰った報酬だ
決してバレンタインのチョコとかではない」
「もー!時人くんってば素直じゃないんだから!」
マカロンの匂いでもしたのか、先程までソファーで
爆睡していたはずの三成が飛び起きる。
「マカロン!!!」
「お前の寝起きの第一声それで良いのか?」
「マカロン!!!」
三成は飛び起きた途端、ヨダレを垂らしながら零時に詰め寄る。
勿論零時は困惑している。
「言語を忘れた野生の獣か何かか?」
「マカロン!!!」
「はいはい、一個だけな」
零時が包みからマカロンを一つ取り出すと、
零時の手を食べかねない勢いで、
零時の手の中のマカロンに食いつく。
その勢いで零時は少し噛まれた。
「いたっ」
「時人くん!大丈夫かい?」
伊織が零時の指を労ってる間に、
三成は口の中のマカロンを味わいながら咀嚼する。
その顔はどこか幸せそうだ。
「おいひい……」
「おい、こっちはお前の食い意地のせいで、
歯形を付けられたんだが?」
「それは私に早くマカロンをくれなかった零時さんが悪いです」
「人のせいにするな
お前が食に対して凶暴だっただけだろ」
「君さっき僕があげたホールケーキを
二つ食べたばかりなんだろ?もうお腹空いたのかい?」
「寝たらお腹すきました」
「随分と燃費の悪い身体だな」
ガチャ!
三人がそんな会話をしていると、
探偵事務所のドアが勢い良く開け放たれる。
そこにいたのは白雪であり、
白雪は涙目で零時に向かって抱きついてきた。
「白雪王子ーー!!!」
「離れろクソ変態野郎」
零時は迷惑そうにしている。
「あ、これ白雪王子へのお返し
これが僕の愛の形だよ」
白雪は零時に抱きつきながら上等そうな箱を手渡す。
零時はうんざりしたような顔をして受けとる。
「…………中身は?」
「マロングラッセだよ、白雪王子」
マロングラッセ:永遠の愛
その意味を知っている零時は、更に嫌そうな顔をした。
「それで?用件は何だ」
「ああそうだ、聞いてくれよ白雪王子
君と僕にとって大変なことが起きたんだ!」
「大変なこと?」
「ほら、この前はミルクチョコの僕だっただろ?
でもこの前は気に入ってくれなかったから、
だから今回は、ホワイトチョコの僕にしたんだけど……」
「別にミルクだからダメだったとかじゃない
単純に送るものが問題だっただけだ」
「それが壊されたんだよ!僕と君の愛の結晶が!!!」
「………………壊された?」
零時にとっては心底どうでも良いであろう、
ホワイトチョコ白雪爆破事件の始まりであった……
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