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▽ 三章 ▽ 其々のカルネアDeath
3-10 囚人監視の中で…〔P2〕
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side宇実果
「あのね、使う可能性じゃなくって使える可能性って言うの聞いてた?もし旅客機にトラブルがあった場合悠長にパラシュートなんか着けてられないの。こうなる前にあった機内のあの揺れ、思い出してみなさいよっ」
湧き上がった感情に振られて口調がキツくなる。
私達だって必死なの。
「ぉぉ… 」
「それに亜音速飛行する旅客機から生身で飛び出すなんて真似、アンタが思ってるような簡単な事じゃないし、そんな非常事態に置かれた乗客が冷静にパラシュート着けてハイ次どうぞ~、なんて整列して順に飛べるとでも思うわけ?」
それに皆んなが無事に帰れるよう誰よりも耐えて、誰よりも率先して頑張っているのは真黎さんなのよ。
だから言われたくない。
「もうやめて」
「……ッ」
真黎さんは止めるけど、側で見てる私達がそれ以上言わせない。
と言い返されるのを想定し身構えた私だけど
「……それもそっか。悪い、そこまで考えられんかった」
少し考えた八参君は理解し認め、私と真黎さんに謝罪を述べ視線を落とす。
「宇実果」
「あ…ゴメン、なさい」
そんな予想外の彼のリアクションに固まっていた私は、真黎さんに言われ思わず謝罪した。
あ~~もうっ、私もまだまだダメだ。
こうなるから真黎さんも言わなかったのに…
「いや、アンタらの言うことが正しいさ。バラした仕返しが含まれてたとしてもな?」
「ハァ?」
なんなのコイツ一言余計…と一瞬思ったけどまぁいい。
これ以上真黎さんにガッカリされたくない。
「あの、シロさん。少し戻りますけど救助が来ないと思われるのは何故ですか?私達が来た場所は閉じてしまってるのですか?」
そんな私の気持ちを察してか、真黎さんが話題を本筋へと戻した。
「ゴメン、確定ではないよ勿論。当然オレも救助が来てくれたらって心から思ってるし」
「ただの予想…ですか?」
「……ですね。当たって欲しくない予想、になるのかな」
シロさんはそう言葉では肯定するけれど、言葉以外の全てが確定だと言っているみたい。
そう誰もが感じたが故の沈黙が、暫しこの場を支配した。
「くく、けどもし本当に助けが来ないとなりゃゲームオーバーだな。まっ遅かれ早かれってやつか、ゴクっゴクっゴクっフゥーーーー~」
その空気を破りコップの中を飲み干した八参君は、さも降参って感じで大の字に寝転んだ。
「何で急にどうでも良さげなのよ。さっきはパラシュート云々言ったくせに」
それに貴方の人生はこれからでしょ。
「ん~実はさ、ちょっと前までムショに入ってたんよ。だからもう終わってるみたいなもんなんよな、俺の人生ってやつは」
また八参もいきなりぶっ込んでくるわね…とシロさんリュウコウさんを見るけれど、何故か2人ともに動揺が見られない。
もしかもう知ってたとか?
「あれ?誰も驚かないの?本当だよ?」
「んじゃ、罪状と動機は?」
けど罪状を聞くって事は少なくともシロさんは知らないってことよね……ん~?
そうやってリュウコウさんを凝視するけれど、彼はさっきまでと変わらずに日本酒を傾けていて変化はない。
「殺人で仕返し。ってこれこんな普通に聞かれるとなんか困る?ん?…フハっ、とにかく変な感じだわ」
そして飛び出る殺人と言うキラーワード。
それでもやはり動揺の見られない2人は
「後悔は?」
「無い。一厘足りとも」
「なら外野がとやかく言う事は無いね」
「そっすね」
そんな短くそして淡々としたやり取りで、その重大なカミングアウトを片付けられてしまう。
「ぃよっと」
「はい」
そして勢いよく起き上がった八参君にすぐと出される瓶。
「あ、ども…ぅおぁっ⁉︎ 」
トクトクト…~バシャ
しかし酒を注がれかけたコップは唐突過ぎてか手から滑り落ちる。
「っとすんません」
「いや問題ないよ」
トクトクトク…
「ゴクゴクゴクっ…けど毒殺王子とか言われて結構世間を賑わしたから敢えて言ったけどさ、やっぱアンタら変わってるよな~相当」
確かに。
「あっ、毒殺王子って覚えてるっ。もっとヤバそうなヤツだと思ってたけど全然違うじゃんっ」
「殺した相手ってあれ、確かイジメの加害者だったよね?」
「そうっすそうっす」
「いや…犯った俺が言うのも変だけどさ、軽過ぎないコレ?」
2人を指差しながら私達を見る八参君は、らしくなく戸惑っている。
「好きだったの?その子のこと」
「は?なんだよまた急に」
唐突な質問を返答を拒むあからさまに面倒そうな態度。
でも…
「小学生でも分かるでしょ?人殺せば人生終わるって事くらい」
「…ねぇよ。ソイツちょいブサだったし」
「~~……はぁ、なら何で?」
同じ女性としてイラっとしたけどここは飲み込む。
「宇実果、どうしたの?」
「すみません真黎さん」
しつこく食い下がる私を止めようとする真黎さん。
「…あんたアイツの知合い?ってか松宮ってまさか姉か?」
「そう、私は環の姉」
「そっか、そう言われれば何となく似てるかもな。アイツは俺の事でも色々と声を上げてくれてたもんな……元気にしてるん?」
「まぁ元気だと思う。貴方が出て来るのには間に合わなかったけど、今も弁護士目指して浪人中よ」
私の返事を聞き鼻を鳴らす八参君は、今までとは違う砕けた表情をした。
クラス委員だった妹の環は日棗さんの自殺直後から学校に対して訴えていた。
これはイジメによる他殺だと。
どうして加害生徒に何もお咎めが無いのかと。
しかしその動きは学校側に煙たがられ相手にされない。
それでも頑なにやめようとしない妹に、とうとう学校側から親へと連絡が来る。
そして事情を聞かされ学校へと赴いた母親は、担任と共に同席した学年主任にこう言われた。
" 同級生を亡くした娘さんの気持ちは察しますが、死んだ人間は何をしても帰って来ません。それにイジメたとされる子達だってショックを受けています。なのにこんなことを続けていたら今度は娘さんが加害者になるのでは?そうなると高校の進学にも響いてきますよ "
と、面と向かって言われた母は
" 帰って来ないなんてよくも簡単に言えますねっ。もし貴方の子が同じように亡くなった時、そんな非情な言葉を貴方は受け入れられるのですか?"
そう言って激怒し、しかもそれを録音していた妹によりこの件は大問題に。
その後学校と保護者達は日棗さん側と加害側とで二分していき、無視を続けていた学校側も渋々沈静化に乗り出す。
そしてその二回目となる保護者説明会が行われた数日後、この学校で更なる事件が起き、日棗さんの死に端を発するこの一連の事件は、陽の下に晒されて一気に日本中を駆け巡る。
「……気持ち悪くて無理だった。あんな害の無い気の優しいヤツが死ななきゃならない程追い込まれたってのにさ、追い込んだ糞どもは " 何で俺らのせいなワケ?" とか言って何一つ変わらない毎日を送ってる。おかしいよな?明らかにおかしいぜそれは。でも一向に裁かれる気配のない世間の法からしたら、それは赦される行為らしいからよ、俺も同じようにしてやっただけ。なのに俺は捕まったから信じられなかったぜ。だから取調べをされよ~と、裁判で何を言われよ~うと、狭苦しい場所で服役してる間もず~~っと善行だと思ってんよ当たり前に」
後半八参君の言い方は少しゆるくなったけど、それは納得出来ない世間への嘲り。
あの時シロさんの呼び掛けに真っ先に応じ、緋芦花ちゃんの車椅子を倒した人にも私刑じみた制裁を加えた。
全ての動機はある意味独善的な正義感?
「部外者から質問イイかな?」
「いいともぉ~」
てか古いって…
「毒はまぁ今時手に入れれない事はないけどさ、別のクラスの生徒と担任らにどうやってピンポイントで盛ったの?あと学年主任もだったっけ?」
私が考えているとシロさんがした質問は、模倣犯が出ないようにと最後まで伏せられたままの、様々なメディアでも散々取り上げられ考察された犯行の具体的方法についてだった。
「あのね、使う可能性じゃなくって使える可能性って言うの聞いてた?もし旅客機にトラブルがあった場合悠長にパラシュートなんか着けてられないの。こうなる前にあった機内のあの揺れ、思い出してみなさいよっ」
湧き上がった感情に振られて口調がキツくなる。
私達だって必死なの。
「ぉぉ… 」
「それに亜音速飛行する旅客機から生身で飛び出すなんて真似、アンタが思ってるような簡単な事じゃないし、そんな非常事態に置かれた乗客が冷静にパラシュート着けてハイ次どうぞ~、なんて整列して順に飛べるとでも思うわけ?」
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だから言われたくない。
「もうやめて」
「……ッ」
真黎さんは止めるけど、側で見てる私達がそれ以上言わせない。
と言い返されるのを想定し身構えた私だけど
「……それもそっか。悪い、そこまで考えられんかった」
少し考えた八参君は理解し認め、私と真黎さんに謝罪を述べ視線を落とす。
「宇実果」
「あ…ゴメン、なさい」
そんな予想外の彼のリアクションに固まっていた私は、真黎さんに言われ思わず謝罪した。
あ~~もうっ、私もまだまだダメだ。
こうなるから真黎さんも言わなかったのに…
「いや、アンタらの言うことが正しいさ。バラした仕返しが含まれてたとしてもな?」
「ハァ?」
なんなのコイツ一言余計…と一瞬思ったけどまぁいい。
これ以上真黎さんにガッカリされたくない。
「あの、シロさん。少し戻りますけど救助が来ないと思われるのは何故ですか?私達が来た場所は閉じてしまってるのですか?」
そんな私の気持ちを察してか、真黎さんが話題を本筋へと戻した。
「ゴメン、確定ではないよ勿論。当然オレも救助が来てくれたらって心から思ってるし」
「ただの予想…ですか?」
「……ですね。当たって欲しくない予想、になるのかな」
シロさんはそう言葉では肯定するけれど、言葉以外の全てが確定だと言っているみたい。
そう誰もが感じたが故の沈黙が、暫しこの場を支配した。
「くく、けどもし本当に助けが来ないとなりゃゲームオーバーだな。まっ遅かれ早かれってやつか、ゴクっゴクっゴクっフゥーーーー~」
その空気を破りコップの中を飲み干した八参君は、さも降参って感じで大の字に寝転んだ。
「何で急にどうでも良さげなのよ。さっきはパラシュート云々言ったくせに」
それに貴方の人生はこれからでしょ。
「ん~実はさ、ちょっと前までムショに入ってたんよ。だからもう終わってるみたいなもんなんよな、俺の人生ってやつは」
また八参もいきなりぶっ込んでくるわね…とシロさんリュウコウさんを見るけれど、何故か2人ともに動揺が見られない。
もしかもう知ってたとか?
「あれ?誰も驚かないの?本当だよ?」
「んじゃ、罪状と動機は?」
けど罪状を聞くって事は少なくともシロさんは知らないってことよね……ん~?
そうやってリュウコウさんを凝視するけれど、彼はさっきまでと変わらずに日本酒を傾けていて変化はない。
「殺人で仕返し。ってこれこんな普通に聞かれるとなんか困る?ん?…フハっ、とにかく変な感じだわ」
そして飛び出る殺人と言うキラーワード。
それでもやはり動揺の見られない2人は
「後悔は?」
「無い。一厘足りとも」
「なら外野がとやかく言う事は無いね」
「そっすね」
そんな短くそして淡々としたやり取りで、その重大なカミングアウトを片付けられてしまう。
「ぃよっと」
「はい」
そして勢いよく起き上がった八参君にすぐと出される瓶。
「あ、ども…ぅおぁっ⁉︎ 」
トクトクト…~バシャ
しかし酒を注がれかけたコップは唐突過ぎてか手から滑り落ちる。
「っとすんません」
「いや問題ないよ」
トクトクトク…
「ゴクゴクゴクっ…けど毒殺王子とか言われて結構世間を賑わしたから敢えて言ったけどさ、やっぱアンタら変わってるよな~相当」
確かに。
「あっ、毒殺王子って覚えてるっ。もっとヤバそうなヤツだと思ってたけど全然違うじゃんっ」
「殺した相手ってあれ、確かイジメの加害者だったよね?」
「そうっすそうっす」
「いや…犯った俺が言うのも変だけどさ、軽過ぎないコレ?」
2人を指差しながら私達を見る八参君は、らしくなく戸惑っている。
「好きだったの?その子のこと」
「は?なんだよまた急に」
唐突な質問を返答を拒むあからさまに面倒そうな態度。
でも…
「小学生でも分かるでしょ?人殺せば人生終わるって事くらい」
「…ねぇよ。ソイツちょいブサだったし」
「~~……はぁ、なら何で?」
同じ女性としてイラっとしたけどここは飲み込む。
「宇実果、どうしたの?」
「すみません真黎さん」
しつこく食い下がる私を止めようとする真黎さん。
「…あんたアイツの知合い?ってか松宮ってまさか姉か?」
「そう、私は環の姉」
「そっか、そう言われれば何となく似てるかもな。アイツは俺の事でも色々と声を上げてくれてたもんな……元気にしてるん?」
「まぁ元気だと思う。貴方が出て来るのには間に合わなかったけど、今も弁護士目指して浪人中よ」
私の返事を聞き鼻を鳴らす八参君は、今までとは違う砕けた表情をした。
クラス委員だった妹の環は日棗さんの自殺直後から学校に対して訴えていた。
これはイジメによる他殺だと。
どうして加害生徒に何もお咎めが無いのかと。
しかしその動きは学校側に煙たがられ相手にされない。
それでも頑なにやめようとしない妹に、とうとう学校側から親へと連絡が来る。
そして事情を聞かされ学校へと赴いた母親は、担任と共に同席した学年主任にこう言われた。
" 同級生を亡くした娘さんの気持ちは察しますが、死んだ人間は何をしても帰って来ません。それにイジメたとされる子達だってショックを受けています。なのにこんなことを続けていたら今度は娘さんが加害者になるのでは?そうなると高校の進学にも響いてきますよ "
と、面と向かって言われた母は
" 帰って来ないなんてよくも簡単に言えますねっ。もし貴方の子が同じように亡くなった時、そんな非情な言葉を貴方は受け入れられるのですか?"
そう言って激怒し、しかもそれを録音していた妹によりこの件は大問題に。
その後学校と保護者達は日棗さん側と加害側とで二分していき、無視を続けていた学校側も渋々沈静化に乗り出す。
そしてその二回目となる保護者説明会が行われた数日後、この学校で更なる事件が起き、日棗さんの死に端を発するこの一連の事件は、陽の下に晒されて一気に日本中を駆け巡る。
「……気持ち悪くて無理だった。あんな害の無い気の優しいヤツが死ななきゃならない程追い込まれたってのにさ、追い込んだ糞どもは " 何で俺らのせいなワケ?" とか言って何一つ変わらない毎日を送ってる。おかしいよな?明らかにおかしいぜそれは。でも一向に裁かれる気配のない世間の法からしたら、それは赦される行為らしいからよ、俺も同じようにしてやっただけ。なのに俺は捕まったから信じられなかったぜ。だから取調べをされよ~と、裁判で何を言われよ~うと、狭苦しい場所で服役してる間もず~~っと善行だと思ってんよ当たり前に」
後半八参君の言い方は少しゆるくなったけど、それは納得出来ない世間への嘲り。
あの時シロさんの呼び掛けに真っ先に応じ、緋芦花ちゃんの車椅子を倒した人にも私刑じみた制裁を加えた。
全ての動機はある意味独善的な正義感?
「部外者から質問イイかな?」
「いいともぉ~」
てか古いって…
「毒はまぁ今時手に入れれない事はないけどさ、別のクラスの生徒と担任らにどうやってピンポイントで盛ったの?あと学年主任もだったっけ?」
私が考えているとシロさんがした質問は、模倣犯が出ないようにと最後まで伏せられたままの、様々なメディアでも散々取り上げられ考察された犯行の具体的方法についてだった。
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