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▽ 一章 ▽ いつだって思いと歩幅は吊り合わない
1-37 ココロハイせし徹討徹備
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sideシロ
((スサ…スサ…スサ…スサ…スサ… ))
静かにゆっくりと
((スサ…スサ…スサ…スサ…スサ…スサ… ))
少しずつ少しずつ注意しつつ進み
「××っ?×××~」
「ぷっハハハッ×××××~」
なんとか留置施設入口15mにまで近付き、そこに植えられた樹木の陰に身を潜ませた。
「…………… 」
残り時間は5分を切った。
①ミレとヒロ君の襲撃後はその異変を報せる警笛がまず鳴り、そして同時にその異変の原因が何かを伝達しようと兵が動く。
②その後その情報が共有されれば直ちに|留置施設((ここ))の警備は増員される。
③それまでに施設内に捕らわれている人達を解放する
これが今回の作戦概要であり、敵増援までの制限時間は最短で10分程度。
「…………………… 」
夜の空気を味わう様に目を閉じる。
柔らかに踊る風。
静かに揺れる草木。
穏やかなリズムを奏でる心臓。
もうそろそろか…
『ピーー…ーィィ…ピーー…ー…ィ…ィ…… 』
緩やかに移り行く夜空の雲を追い越して、鳥の鳴き声に似た甲高い音が走り抜けた。
来たっ、予定通り。
目を開いたオレは時計を見て頷く。
((ッし))
ここからが正念場。
目を懲らせ。
一つも見落とすな。
「………、……、…… 」
さぁ3人さん、どこからどう動く?
「××っ⁉︎ ××××××っっ(なんだっ⁉︎ 警戒報だぞっ)」
すると最初に扉から離れているヤツが反応。
「×××××××っ(あれは南門だっ)」
「っ⁉︎ ×××××××××。×××××××××っ(俺は隣に確認してくるっ。戻るまで頼んだぞっ)」
「××っ×××っ(おぉっ分かった)」
っ⁉︎
ザザッダッダッダッダっ…タっタ…
ソイツは扉の2人に何やら言いつけると急ぎ駆け出し…
『ギイィィーーーー…カシャンッ』
敷地から外へと出て行った。
ウォォオッシっオッケー良いぞぉぉおっ
予想外に1人減ってくれた事でテンションが爆上がる。
「××××?(けど何だろな?)」
「×××××××××?(徘徊してる獣とかじゃね?)」
そして入口扉前の2人は落ち着きなく何かを話している所為で動きが止まった。
「…×、×××(…ん、だと良い)『シュドッ‼︎ 』ーンがっ‼︎⁉︎ 」
…ドタっ
手前側の男が膝から力無く崩れ落ちる。
側頭部を矢に貫かれ。
「××っ⁉︎ (ぅおっ⁉︎ )」
もう1人は一瞬の硬直後…
「……××××っ(……まさか敵っ)『シュドゥッ‼︎ 』ーぁカッ‼︎ 」
ガタ…ドサっ
すぐに状況に気が付いた瞬間眉間を貫かれ仰向けに倒れる。
「フゥッシッ」
第1目標クリア。
ここからが忙しいぞッ
『キリキリキリキリキリ… 』
留置施設入口扉と敷地に入る門を交互に確認しつつ回転する腕。
間を空ける事無く放った二本の矢は装填済みのクロスボウ2挺によってなされた。
まだっ出て来てっ
『キリキリキリキリ… 』
"これ、リムさんから預かって来ましたよ。あと… "
御月とリム君、2人のお陰でこのミッションの成功率がグッと上がった。
くれるなっよぉぉ…っしッ
『キリキリキリキリっ』
シュ…カチッ
心の中で懇願しつつ矢の装填を完了。
…
…
そして施設入口の扉がいつ開いても良い様に狙いを定めつつ…
((ススゥ…スススゥ…スゥ…スゥっ))
中腰で構えたまま摺り足で進むと
((スタスタ…タ… ))
入口前の階段に掛った脚が一瞬止まりそうになる…
((スタスタ… ))
のを押し出し進んだ足下には、ボンヤリとした照明に浮かび上がる二つの死体。
ズシュッ
《それ》から矢を引き抜く。
ズジュ…ッ
感触を無視しもう一本。
『ズズ…ズザザァゴロっ… 』
『ズズズ…ズザザァーーー』
そして直ぐさま死体を引きずって、照明の届かない草むらへ転がす。
パタパタっ、パタバタパタっ
「……、……っッ… 」
パタパタパタっ、バタバタパタっ
持って無いのか…
侵入しなくてはならない施設入口の扉を見つつ、扉番の兵士を弄るけど鍵は無い。
「×××ーー~っ」
「………、……… 」
塀の向こうから飛ぶ声に背筋を撫でられつつ元の場所に戻り潜み直す。
ここまでで2分30秒超。
((ふぅーーっ……))
なら開くのを待って押し入るしかないか。
壊すのはどう考えても無謀。
………10
もしかして入口の扉は開いて…いやそれは無い。
人質を囲っている以上鍵は掛かっている筈。
………20
であるなら下手にドアに触るのもダメ。
扉を開けるのに合図や合言葉が必要ならそこで詰む。
………30
オレが生き延びる為に必要なのは先手を取れる状況を崩さない事。
だから今は我慢。
………40
こっちが自由に動ける時間内は押し寄せるリミットに負けるな。
1分…待つ。
待て。
……50
「××××××、×××ーー(門へ急げ、遅いぞーーっ)」
隣の建物が慌しくなって来た。
まもなく1分が経過する。
…1分経過…
けど今の所扉が開く様子がない。
つまり警笛は中まで聴こえていないか、若しくは倒した扉番が伝える役目だったか。
さてどうする?
施錠の有無を確認し、ノックをしてみるか?
だけど仮に運良く扉が開いたとして…
「……っ」
腰のナイフをそっと撫でるけど、もし近接戦闘や格闘になれば勝てない。
((ドっドっドっドっドっドっドっドっドっドっ… ))
まして相手が複数なら簡単に制圧されて終わる。
間違いなく。
けど…
けどこのままジッとしていても…
焦り見る時計は5分を超えている。
作戦の成否を左右するのはあの頑強そうな入口の施錠。
((ドっドっドっドっドっドっドっドっドっ… ))
正確に毎秒を告げるデジタル表示。
あと30秒だけ……待つ。
((ふぅーーー… ))
………10
開け…
開けよ…
((ふぅーーー… ))
………20
で、開いた瞬間先制攻撃し、その後の人数次第では即時退却。
((ふぅーーー…… ))
………30
……クソ。
行くしかないのか。
と立ち上がり掛けた時…
ガチッ『ガチャリ』
来たッ
「××××××……××っ??(おい何かあった……あれっ?) 」
スタ、スタ、スタ…
「…××、ッ⁉︎ ××××?(…何が、ッ⁉︎ これ血か?) 」
シュッーー『ドッ‼︎ 』
「ッあ⁉︎ ……?」……トサっ
矢は立ち止まった兵士の側頭部を貫いた。
そして半開きの入口扉からは今の所誰も出て来ない。
急げぇ急げぇっ
『キリキリキリキ… 』
ダっタタタタっ
「×××××××××××っ(お前らは施設周りを固めてろっ)」
「××っ(了解)」
『ギイィィーーーー…カシャンッ』
ーー~ッ‼︎⁉︎…
さっきの兵士が戻って来たっ?
どうす…
手には巻き掛けのクロスボウ。
足下にはホヤホヤの死体。
施設内に行くか…いやこのままじゃ
『ガシっズザザァーーーーっ‼︎ 』
オレはクロスボウから離した右手で兵士の裾を掴み、全力で入口前から引きずり下ろす。
ズサ…
ズサっザっザ…
ザっズサっザっ…
「ァン? ×××××?(誰も居ねぇの?)」
小走りで来た男は入口10m手前で何やら言って止まり…
ザス、ザス、ザス、ザス…
「っ××、××××××××××××… (ったく、扉も空いてるしアイツらトイレでも…)」
キョロキョロとしつつ呟きながら歩き出した。
スゥゥ…
心を落ち着けろ。
そしてアイツの意識の範囲を捉える。
頼むぞ特性ッ
ダタタタッ
ーー『シパァッー』
「~ッ‼ 」ブシュァァッッ
意を決し敵背後を駆け抜けながらナイフを振り切った。
全力で、一気に。
「︎ ……んは?… … 」ドタン…
「ハッハァッ~ー~…~~っ」
手に残る何とも言えない感触。
頸部を斬り裂いた柔らかい様な重い様なモッタリさのある嫌な感じ…
" 考えるな、障害を排除しただけだ "
カシっ
『ゴシゴシゴシッ』
ナイフを仕舞い、汗塗れの手の平を目一杯腿に擦り付ける。
『キリキリキリキリキリキリキリッ』
そして無心でクロスボウ装填を完了し
パタパタパタパタっ
施設内から出て来た男の腰回りを確認。
パタパタ『チャリっ』
第2目標クリア。
「…………… 」
心の中でそうは言いつつも、目と鼻の奥は嫌な味を濃密に滲ませる。
9分経過…
((スサ…スサ…スサ…スサ…スサ… ))
静かにゆっくりと
((スサ…スサ…スサ…スサ…スサ…スサ… ))
少しずつ少しずつ注意しつつ進み
「××っ?×××~」
「ぷっハハハッ×××××~」
なんとか留置施設入口15mにまで近付き、そこに植えられた樹木の陰に身を潜ませた。
「…………… 」
残り時間は5分を切った。
①ミレとヒロ君の襲撃後はその異変を報せる警笛がまず鳴り、そして同時にその異変の原因が何かを伝達しようと兵が動く。
②その後その情報が共有されれば直ちに|留置施設((ここ))の警備は増員される。
③それまでに施設内に捕らわれている人達を解放する
これが今回の作戦概要であり、敵増援までの制限時間は最短で10分程度。
「…………………… 」
夜の空気を味わう様に目を閉じる。
柔らかに踊る風。
静かに揺れる草木。
穏やかなリズムを奏でる心臓。
もうそろそろか…
『ピーー…ーィィ…ピーー…ー…ィ…ィ…… 』
緩やかに移り行く夜空の雲を追い越して、鳥の鳴き声に似た甲高い音が走り抜けた。
来たっ、予定通り。
目を開いたオレは時計を見て頷く。
((ッし))
ここからが正念場。
目を懲らせ。
一つも見落とすな。
「………、……、…… 」
さぁ3人さん、どこからどう動く?
「××っ⁉︎ ××××××っっ(なんだっ⁉︎ 警戒報だぞっ)」
すると最初に扉から離れているヤツが反応。
「×××××××っ(あれは南門だっ)」
「っ⁉︎ ×××××××××。×××××××××っ(俺は隣に確認してくるっ。戻るまで頼んだぞっ)」
「××っ×××っ(おぉっ分かった)」
っ⁉︎
ザザッダッダッダッダっ…タっタ…
ソイツは扉の2人に何やら言いつけると急ぎ駆け出し…
『ギイィィーーーー…カシャンッ』
敷地から外へと出て行った。
ウォォオッシっオッケー良いぞぉぉおっ
予想外に1人減ってくれた事でテンションが爆上がる。
「××××?(けど何だろな?)」
「×××××××××?(徘徊してる獣とかじゃね?)」
そして入口扉前の2人は落ち着きなく何かを話している所為で動きが止まった。
「…×、×××(…ん、だと良い)『シュドッ‼︎ 』ーンがっ‼︎⁉︎ 」
…ドタっ
手前側の男が膝から力無く崩れ落ちる。
側頭部を矢に貫かれ。
「××っ⁉︎ (ぅおっ⁉︎ )」
もう1人は一瞬の硬直後…
「……××××っ(……まさか敵っ)『シュドゥッ‼︎ 』ーぁカッ‼︎ 」
ガタ…ドサっ
すぐに状況に気が付いた瞬間眉間を貫かれ仰向けに倒れる。
「フゥッシッ」
第1目標クリア。
ここからが忙しいぞッ
『キリキリキリキリキリ… 』
留置施設入口扉と敷地に入る門を交互に確認しつつ回転する腕。
間を空ける事無く放った二本の矢は装填済みのクロスボウ2挺によってなされた。
まだっ出て来てっ
『キリキリキリキリ… 』
"これ、リムさんから預かって来ましたよ。あと… "
御月とリム君、2人のお陰でこのミッションの成功率がグッと上がった。
くれるなっよぉぉ…っしッ
『キリキリキリキリっ』
シュ…カチッ
心の中で懇願しつつ矢の装填を完了。
…
…
そして施設入口の扉がいつ開いても良い様に狙いを定めつつ…
((ススゥ…スススゥ…スゥ…スゥっ))
中腰で構えたまま摺り足で進むと
((スタスタ…タ… ))
入口前の階段に掛った脚が一瞬止まりそうになる…
((スタスタ… ))
のを押し出し進んだ足下には、ボンヤリとした照明に浮かび上がる二つの死体。
ズシュッ
《それ》から矢を引き抜く。
ズジュ…ッ
感触を無視しもう一本。
『ズズ…ズザザァゴロっ… 』
『ズズズ…ズザザァーーー』
そして直ぐさま死体を引きずって、照明の届かない草むらへ転がす。
パタパタっ、パタバタパタっ
「……、……っッ… 」
パタパタパタっ、バタバタパタっ
持って無いのか…
侵入しなくてはならない施設入口の扉を見つつ、扉番の兵士を弄るけど鍵は無い。
「×××ーー~っ」
「………、……… 」
塀の向こうから飛ぶ声に背筋を撫でられつつ元の場所に戻り潜み直す。
ここまでで2分30秒超。
((ふぅーーっ……))
なら開くのを待って押し入るしかないか。
壊すのはどう考えても無謀。
………10
もしかして入口の扉は開いて…いやそれは無い。
人質を囲っている以上鍵は掛かっている筈。
………20
であるなら下手にドアに触るのもダメ。
扉を開けるのに合図や合言葉が必要ならそこで詰む。
………30
オレが生き延びる為に必要なのは先手を取れる状況を崩さない事。
だから今は我慢。
………40
こっちが自由に動ける時間内は押し寄せるリミットに負けるな。
1分…待つ。
待て。
……50
「××××××、×××ーー(門へ急げ、遅いぞーーっ)」
隣の建物が慌しくなって来た。
まもなく1分が経過する。
…1分経過…
けど今の所扉が開く様子がない。
つまり警笛は中まで聴こえていないか、若しくは倒した扉番が伝える役目だったか。
さてどうする?
施錠の有無を確認し、ノックをしてみるか?
だけど仮に運良く扉が開いたとして…
「……っ」
腰のナイフをそっと撫でるけど、もし近接戦闘や格闘になれば勝てない。
((ドっドっドっドっドっドっドっドっドっドっ… ))
まして相手が複数なら簡単に制圧されて終わる。
間違いなく。
けど…
けどこのままジッとしていても…
焦り見る時計は5分を超えている。
作戦の成否を左右するのはあの頑強そうな入口の施錠。
((ドっドっドっドっドっドっドっドっドっ… ))
正確に毎秒を告げるデジタル表示。
あと30秒だけ……待つ。
((ふぅーーー… ))
………10
開け…
開けよ…
((ふぅーーー… ))
………20
で、開いた瞬間先制攻撃し、その後の人数次第では即時退却。
((ふぅーーー…… ))
………30
……クソ。
行くしかないのか。
と立ち上がり掛けた時…
ガチッ『ガチャリ』
来たッ
「××××××……××っ??(おい何かあった……あれっ?) 」
スタ、スタ、スタ…
「…××、ッ⁉︎ ××××?(…何が、ッ⁉︎ これ血か?) 」
シュッーー『ドッ‼︎ 』
「ッあ⁉︎ ……?」……トサっ
矢は立ち止まった兵士の側頭部を貫いた。
そして半開きの入口扉からは今の所誰も出て来ない。
急げぇ急げぇっ
『キリキリキリキ… 』
ダっタタタタっ
「×××××××××××っ(お前らは施設周りを固めてろっ)」
「××っ(了解)」
『ギイィィーーーー…カシャンッ』
ーー~ッ‼︎⁉︎…
さっきの兵士が戻って来たっ?
どうす…
手には巻き掛けのクロスボウ。
足下にはホヤホヤの死体。
施設内に行くか…いやこのままじゃ
『ガシっズザザァーーーーっ‼︎ 』
オレはクロスボウから離した右手で兵士の裾を掴み、全力で入口前から引きずり下ろす。
ズサ…
ズサっザっザ…
ザっズサっザっ…
「ァン? ×××××?(誰も居ねぇの?)」
小走りで来た男は入口10m手前で何やら言って止まり…
ザス、ザス、ザス、ザス…
「っ××、××××××××××××… (ったく、扉も空いてるしアイツらトイレでも…)」
キョロキョロとしつつ呟きながら歩き出した。
スゥゥ…
心を落ち着けろ。
そしてアイツの意識の範囲を捉える。
頼むぞ特性ッ
ダタタタッ
ーー『シパァッー』
「~ッ‼ 」ブシュァァッッ
意を決し敵背後を駆け抜けながらナイフを振り切った。
全力で、一気に。
「︎ ……んは?… … 」ドタン…
「ハッハァッ~ー~…~~っ」
手に残る何とも言えない感触。
頸部を斬り裂いた柔らかい様な重い様なモッタリさのある嫌な感じ…
" 考えるな、障害を排除しただけだ "
カシっ
『ゴシゴシゴシッ』
ナイフを仕舞い、汗塗れの手の平を目一杯腿に擦り付ける。
『キリキリキリキリキリキリキリッ』
そして無心でクロスボウ装填を完了し
パタパタパタパタっ
施設内から出て来た男の腰回りを確認。
パタパタ『チャリっ』
第2目標クリア。
「…………… 」
心の中でそうは言いつつも、目と鼻の奥は嫌な味を濃密に滲ませる。
9分経過…
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