雌汁  ― お股つたうは嬉し涙か はたまた尿か ―

余次元

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第七章 和解はクリトリスリードをつけて

偽ポリネシアン

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「春香ちゃんははじめてだからね、排卵日まで待とうか」

 圭司がニッタりと厭らしく笑う。春香には何を言っているのかわからなかった。理由を問うと

「排卵日が近くなると愛液の出がよくなるらしくて、きっと痛いのもすこしはマシになると思うんだよね」

 実際のところ、もう何カ月も前に春香の処女は奪われてしまっているのだから、そういうのはいらない気遣いではあったのだが、ことあるごとに「春香のために」を持ち出されてしまうと、彼女も強くは言えないでいた。

 前回の生理の日から逆算して、春香の排卵日を計算する。
 性行為の日を事前に決めておくだなんて、家族計画中の夫婦のような話だと思う。きっと、あのニッタり笑顔の裏になにかを隠しているのだろう。結衣のため、春香のためと言いながら、きっと自分に何かをさせようとしているのだと身構えていた。

「ポリネシアンセックスって知ってる? 」

「ポリネシアン?聞いたことないわ」

「ぼくもあんまり詳しくはないんだけど‥‥」

 そう前置きをして、圭司が説明を始める。初日は裸でコミュニケーション、二日目から軽いキスというふうに次第に性感を高めていって、5日後に初めて本番行為に至るセックスで、恋人との親密度がUPするものらしかった。

「圭司くんは、わたしと親密になりたいの? 」

「せっかくならね」

 圭司が片眉をあげて困ったように笑う。
 本当は、その5日の間に春香に思いとどまって欲しいのだろうか。
 圭司はどこまでいっても、自分から断ったりはしなかった。きっといつでも止められるのだろう。春香がいなくても、圭司には結衣がいる。春香にいつでも断るための主導権を渡そうとする。それは彼なりの優しさなのかもしれないが、卑怯だとも思う。親友の彼氏を一晩借りる、その罪を春香に全部被せているように思えた。
 その「優しさ」に目をつむり、春香は了承した。

 排卵日の5日前から、二人で高めあう約束を、した。
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https://novel18.syosetu.com/n1700im/なろうのリンクです。基本的には同じものなんですが、なろうは前書き後書きがかけるので、雑文をこちらで書いたりしています。あとは、修正をたまにするのを両方に反映させるのが面倒くさく感じて、なろうだけが直っていたりします。すみません
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